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11話 ゾンビ狩り

「おはよう、皆」

「おはよう」

「おはよう!」

「おはようございます」


 四人は朝、宿に隣接する食堂に集まり、朝食を囲んで挨拶する。

 それからすぐに食事を開始する。

 四人が食事を終えた頃、アイリスが口を開く。


「さて、朝ご飯も食べたし、まずはギルドに行こうか」

「そうですね。溜まっている素材も提出したいですし、依頼を探さないと」


 そんなやり取りをして、四人は食堂を出てこの町の冒険者ギルドへ向かった。


 ◇


「はい、それではこちらが(ウルフ)の素材依頼の報酬です」


 そう言って、ギルド職員は、銀貨数枚をタケに手渡す。

 タケはそれを手の平で受け、そのままスキルを使用し、『盗人庫』へ収納する。


(ウルフ)の依頼はありましたけど、怪鳥はありませんね」


 タケが少し残念そうに言う。


「しかたないよ。この町の周辺では、怪鳥なんていないだろうし」


 アイリスが慰める。

 この町の周辺にいる(ウルフ)のことを考えれば、怪鳥は生息が難しいからだ。


「気を取り直して、依頼を受けよう。受けられる依頼がないか見てくる」


 そう伝えて、タイムは掲示板の前まで歩く。


「それじゃあ、あたしも」


 パキラがタイムに続いて歩く。

 タイムは、掲示板の前までくると依頼の数々を眺める。

 アイリスの言っていた通り、掲示板は依頼で埋め尽くされている。

 タイムはその紙に書かれた依頼内容を読む。

 (ウルフ)の討伐依頼、別の町への運搬依頼、迷宮(ダンジョン)攻略依頼、行方不明者の捜索依頼、山賊の捕縛などなど。

 中には、つい昨日、タイムたちが討伐した巨大な狼の魔物―――周辺の主(エリアボス)巨大な狼(ビッグウルフ)の討伐依頼もある。

 だが、タイムはそのことに気が付かず、意識を別の依頼へ向ける。

 そしてある依頼に目を止めた。

 その依頼には、こう書かれていた。


不死族(アンデット)の討伐依頼、夜間限定………………」


 タイム本人も理由がわからないが、何故かその依頼に惹かれた。


「タイム、何かよさそうな依頼あった?」


 アイリスが聞いてくる。


「これなんてどうだ?」


 タイムは見ていた不死族(アンデット)の討伐依頼の紙を指す。


不死族(アンデット)………………確かに丁度いいかもね」


 それから二人を呼び、意見を求める。


不死族(アンデット)ですか、少し準備が必要ですね」

「あたしは、何でもいい」


 ―――との意見だった為、そのまま受注することになった。


 ◇


 四人はギルドを出て、町を歩く。


「「不死族(アンデット)への準備って何をするんだ?」」


 タイムとパキラが質問する。


「それじゃあ、タイムさん。もし不死族(アンデット)に何も対策せずに挑むとどうなると思います?」


 タイムはその質問に数秒考えたあとに答える。


「剣が汚れる?」

「違います」


 タイムの答えにタケは、バツを付ける。


「いいですか、不死族(アンデット)に何も対策せずに挑むとまず苦戦します。相手は不死です。正確に言えば完全な不死ではありませんが、それでも高い生命力があります。そんな相手に普通の剣や棍棒を振るっても時間がかかります」


 そしてタケは本題に入るように話す。


「そこで容易する物が聖水です。聖水には不死族(アンデット)への特効があります。なのでこれを武器に塗るか、直接かければ、不死族(アンデット)を普通の魔物と同じくらい簡単に倒すことができるのです」


 タケは自身の知識を出し切った。


「でも、そんな物売ってるのか?」


 タイムが異を唱える。


「それはギルドの職員の方に聞いておきました。何でもここには神聖国から聖水が大量に入ってくるらしいですよ」


 そう言ってタケは、地図を広げ、目的の店舗へ向かう。

 それから道に迷うことも無く、目的の店舗に到着した。


「すみません。聖水を売ってください」


 タケが店員に言う。


「はい、いくつほどお求めで?」

「六瓶ほどお願いします」

「それでは少々、お待ちください」


 そう言って店員は、店の奥へ行ってしまった。

 タケが聖水を購入している間、残る三人は店内の商品を見て周った。


「ふむふむ、これは結構いいかも、インクは今あるインクの方が上質かな」


 アイリスはそんなことを呟き、鏡やインクを見ている。



「………………」


 パキラは、手袋やブーツを見ている。


「………………?」


 だが、よく分かっていない。

 自分が身に付けている物を見比べているが、いまいちピンときていない。



 タイムは、特に止まって見るようなことはなく。

 歩いて何か目を惹く物がないか探していた。



「皆さん、聖水買えましたよ」


 タケがそう言うと、三人はタケの方を向き、全員そろって退店した。


 ◇


 四人は今、町の外にいる。

 周囲は暗くなっており、松明の火が辺りを照らしている。

 その火に照らされたタイムの剣とパキラの棍棒は、聖水が塗られており、光沢があるように光を反射している。


「準備はいいですか?」


 タケがタイムとパキラに尋ねる。


「準備バッチリだ」

「いつでも来いって感じ」


 タイムとパキラはそう返事を返す。

 それとほぼ同時に暗闇から何かが出てくる。

 それは、二足歩行で人間のような体をしており、足を引きずるようにして歩く死体。


「出ました。あれが不死族(アンデット)のゾンビです」


 タケが説明する。

 ゾンビは次々と姿を現している。


「後はお願いします」


 タケはそう言うとその場から離れた。


「パキラ、どっちが多く倒せるか勝負しないか?」

「望むところだ」


 そう言うとタイムとパキラは、武器を構え、ゾンビの方へ近づく。

 タイムは、その剣でゾンビを頭部を切り裂く。

 パキラは、その棍棒で全身を叩き潰す。

 二人は、速やかにゾンビを倒していった。

 ゾンビが全て倒されると後ろで待機していたアイリスとタケが出てくる。

 そしてゾンビの残骸を漁り、タケは魔石を回収し、アイリスは残った残骸を火魔法で燃やす。


「思った以上に採れましたね」


 タケが魔石を前にこぼす。


「これで依頼は、達成か?」

「はい、帰りましょうか」


 そうやって四人は、帰っていった。

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