ラッキー
『フィナと言ったか。なぜここに?』
(急展開過ぎて頭が追いついてない…)
「それがねぇ、記憶が無いんだ。」
『ま…勝手にしろ。』
「冷たいなぁ。でも君について行くよ!」
(本当に何が起こってるんだよ…)
そして俺は城内を把握するために見て回った。
『広すぎて迷うだろこれ。』
「魔王様。その方は?…」
『なぜか俺が封印を解いてしまったらしい。』
「それにしても女。くっつきすぎでは?」
アズベルドは少し怒っているようにも見えた。
「僕は魔王様に解き放ってもらったんだよ。一生ついて行くよ!」
「何者なのよ。」(グヌヌ。)
『風の妖精と名乗っていたな。』
(普通は魔王より勇者に付き添うべきだと思うけどな。)
「まさか。あの封印を?」
『あの…封印?』
「そうです。昔人間界から部下が盗んできた書物だったのですが、勇者が有利になってしまうかもしれないので魔王様が封印していたのです。」
『そ、そうだったのか。』
(やばいことしちまったか?…)
「でも結果として下についているので良しとしましょう。戦力にもなりますし」
(魔王様にベタベタしてるのは気に食いませんが。)
「封印?勇者?ってなに?」
『いや、なんでもないぞ。気にするな』
「うん!」
フィナは気にせずに触れようとしなかった。
その頃人間界では…。
「感じたか昨日の魔力」
「ええ。あれは本物よ」
「わしも感じとった」
「等々復活したか」
勇者パーティーが話し合っていた。
(なんか寒気するわ…)
『せめて風呂に入る時くらい廊下にいてくれフィナ。』
「言ったじゃないですか!魔王様について行くって!」
(まじかよ……)
「おい!妖精!魔王君が困ってるだろ!」
『あ、猫耳ロリ!』
「君もいい加減にしろぉ!!」
そしてクレシュは俺に石鹸を投げつけて風呂から出ていった。
『フィナ俺の部屋で待っていてくれ。』
「仕方ないですね…わかりました。」
フィナ悲しそうに帰っていった
『やっと1人だぁ…』
(転移してからもすげえ出来事続きだしな。)
『んー。魔王っぽい喋り方も疲れるな。明日からは普通に行こうかな...』
そして風呂から上がり部屋へと戻ることにした。
「お疲れ様です。魔王様」
『アズベルド!いいとこにいた!あいつらにも部屋を与えてやってくれないか』
「隣に空きが3つあるので2人なら構いませんよ。」
『頼んだ!』
部屋で1人になることに成功した俺だった。
『明日は無詠唱とやらの練習でもしようか。』
気づけば就寝しており、朝になった。
『んー。なんか体が重い。』
両隣にはティナとクレシュが眠っていた。
「魔王様……だめですよ…///」
(どんな夢見てんだこのだめだめ妖精が)
(てかよく考えたらこの状況……やばいぞぉ!!)
(テレポートとかできねえかな。)
朝早々色々大変な事になっていた。
そしてテレポートばかり考えていると...
『え…』
気づけば無意識にテレポートができていた
『ここは風呂?…なんで。まさか、』
知らずうちにテレポートを習得していた
「ま、魔王様?!」
見上げるとアズベルドとベルギスがいた
(あ、ラッキー。じゃねぇ!!)
『か、かえります。』
「キャー!」
アズベルドの悲鳴が城内全体に響いた
『す、すまない!わざとじゃないんだって!』
「魔王様も変態だね」
『うるせえ!ベルギス!』
「あら、偉そうな喋り方やめたの?らしくないー」
『んな事どうでもいい!』
『すまなかったアズベルド!テレポート』
「魔王様いつの間に使いこなしたの?テレポート。」
「は、はだ。裸見られちゃった////」
アズベルドは顔を真っ赤にして蹲っていた。
「アズちゃんも乙女だねぇー。」
「うるさい!!」
そして俺は無事部屋に戻ってこれた。
『はぁ。なんだよ本当に。』
「起きてたんだですね!魔王様!」
「どこ行ってたのよ!」
2人は不思議そうに俺を見つめた、
『す、少しな。トイレへ。』
(お前らのせいだからな。覚えてろよ…)
『寝たければまだ寝ていてもいいぞ』
「わかったー!」
「お言葉に甘えて!」
2人はまた眠りについた。
(マジでこいつら…)
『腹空いたな。』
(よく考えたら昨日から何も食ってねえ。)
朝飯に辿り着くために魔王城を歩いていると
(ん、スライムが歩いてくる。)
『おはよう!』
「おはようございます!魔王しゃま!」
(なんて可愛いんだこの生き物。)
いい匂いが漂ってきた
そして匂いがする部屋を見つけることができた
『え、食堂?』
(えー!食堂なんて高校生以来だぞ!)
そして勢いよく扉を開けた
『すみません!腹減ったんで飯ください!』
(トロールのおばちゃん?!)
「魔王様じゃないの!あれ?ご飯運ばれてこなかった?」
(運ばれてくる?きてたかそんなの。)
『恐らくきてなかった…』
「まあ食べてないなら食べていきな!はい!」
するとうどんらしき物が机に出された。
(おばあちゃんを思い出すなぁ。こんな所で和むなんて)
『ありがとう!』
そして飯を食べ終わり完全に復活した俺だった。
『よし…技を試しに行くとしますか!』