俺が召喚される?!
「もっと働けよ給料貰ってんだろ?使えねーわほんと」
『すみません。』
俺はどこにでもいる極普通の社会人だ
単刀直入に言おう。この会社は、
ブラック企業だ。
パワハラ、毎日残業、安月給。
気づけばストレスが限界に達していた
そして昔からの友人に相談してみた
『会社を辞めたい。』
「おいおい、らしくねえな!お前だって頑張ってやっと入れた会社だろ?辞めた後どーすんだよ、」
『そりゃまた別の職を探すよ。わかってる』
「そう簡単に見つかるかねー、やっとのことで入れた会社だろ?もう少しがんばってみろって。」
『わ、わかったよ』
(人の気も知らねえで。)
そうして俺は帰宅した。
タバコに火をつけ窓辺に座り込んでいた。
(いっその事窓から飛び降りるか?いや、そんな勇気俺にはねえわ)
そしてスマホを覗くと一通のメールが届いていた
そこには謎のリンクだけが貼られていた
(なんだこれ詐欺メールか?ふざけやがって)
スマホをベッドに投げようとすると手が滑りリンクに触れてしまった。
(あ...やべ。)
すると勝手に画面が動き始めた
そこには電話番号が打ち込まれていた
(いい機会だボコボコに言ってやろう!)
そして電話が繋がると
『お前詐欺メール送ってくんじゃ...』
「君、会社辞めたいんでしょ?」
(女の声だ。一体、)
『誰だ』
「ごめんね、急に!職探しを手伝ってあげようと思って」
『ふざけんな詐欺メール送信バイトなんてやんねえぞ』
「そんなんじゃないよ!」
女はそう言うと。
「君…」「異世界に行ってみない?」
声が急変しなぜか俺の体には衝撃が走った。
『なんだよお前、』
最初はこんなものイタズラだろうと思っていた
だがダメ元で言ってみることにした
『そうだな!行けるものなら連れてってくれよ!もう今の人生に後悔なんて残してねえしよ』
(どうせ無理なんだろうけど…)
「わかった...」「楽しみにしててね!」
『ちょ、待てよ!』プツ…
電話は結局かけ直しても出ることは無かった
(どうせなんにもならねえだろうよ。からかいやがって)
そして俺はベッドに入り睡眠に入った。
「起きて!ねぇ起きてってば!」
『ん。まだ目覚ましは……』
『って、えぇ?!』
目が覚めると全面真っ白の部屋にいた。
俺は理解が追いつかなかった。
「君?昨日言ってたよね!行けるものなら連れてってくれよって」
「嘘?」
『いや、言ったよ。本当に連れてってくれるのかよ』
「うん!電話をかけた時も君は断らないと信じていたよ」
「だって君、人生辞めたいんでしょ」
確かにストレスは限界に達していて日に日に生きる気力もなくしていた。
『確かにそうだ』
『で、職探しを手伝うってことは異世界に行ったとして俺には何か使命があるんだろ?それを教えろよ』
「とある世界の魔王になってもらうよ」
(魔王だと…)
「魔王軍を率いて欲しいんだ」
『なんでそんなこと、』
「世界の均衡を保つためだよ」
「私はこの世界を任されている神の1人」
「だから君なら来てくれると信じて連絡したのさ!」
(異世界なんて未だに信じられない)
だがこの時嘘では無い事は確信していた
この神を名乗る女の目が本気だった。
『わかったよ。やってやる』
「あ、言い忘れてたけど元の世界には戻れないよ?」
『おう。いっその事!この新たな世界で活躍してみせる』
「流石だね!私が見込んだだけあるよ」
「じゃ早速。行ってみようか」
『よし!連れてってくれ!』
『新しい世界へ…』