第9話 新遺跡の魔法人形
「これが『王国依頼書』だ…確認してくれ」
遺跡警備隊に依頼書をみせる。
「確認致しました。中の魔法人形は『異世界言語』を使うようです。
よろしくお願い致します」
『異世界言語』とは日本語といい初代様のもといた世界の言葉らしい。
テンカワ家は初代様より日本語が伝えられており、うちの家の人間は問題なく把握できる。
なるほど、陛下がうちの家に攻略を委任した理由がわかった。
日本語がわかり調査を円滑に進めれるからだろう。
「では、ゼストさんいってきます」
「はい。お気をつけて」
ゼストさんと警備隊員に見送られ遺跡内部へと入っていく。
地下1階
入口を入り階段を降りていく。
階段を降りきって進んでいくと、魔法人形と思われる女性がいた。
「いらっしゃいませ。お客様、当館は『伝説の館』です。ごゆっくりどうぞ」
と日本語で語りかけてきた。
『伝説の館』…なんだそれ…異世界人の作った施設か…?
日本語で返事をしてみることにする。
「えっと、施設の奥に行きたいんだが、かまわないか?」
「かまいません。あちらに地下2階への階段がありますのでご利用下さい。しかしながらお客様、地下2階より下は戦闘タイプの魔法人形がいますのでお気を付けてお進みください」
そういうと魔法人形が地面に吸い込まれていった…
「消えた?どういうことだ…?」
これは、魔道具の効果か…
戦闘タイプの魔法人形か…やはり一筋縄ではいかないらしい…
皆に説明し地下2階へと向かうことにする。
地下2階
かなり広いフロアになっている。
少し進むと地面から1体の魔法人形が現れた。
「ここは『試練の間』です。見事突破できれば地下3階へとご案内致しましょう」
そういうと1体だけだった魔法人形が次々と地面から現れる。
「ちっ!レレーナとリリは後衛、アルーゼは2人の護衛を頼む!」
「「わかりました」」 「わかったわ」
3人が返事をする。
「前衛はオレとアレスだ。頼んだぜ!」
「任せとけ。女の子を斬るのはしのびないが魔法人形だしな」
「よし、いくぞ!」
オレは身体強化と魔法付与武器での斬撃、アレスは純粋に剣技。
リリは後方から魔法銃で攻撃、アルーゼはリリとレレーナに近寄ってきた人形を槍で撃退している、レレーナは後方から回復魔法を使っている。
「いつまで続くんだ…」
アレスがぼやき始める…
倒した魔法人形は地面に吸い込まれていく。
倒した分だけ地面から湧き出てくる…
「このままだとジリ貧だな…」
とつぶやいた瞬間、全ての魔法人形が地面に吸い込まれた…
「なんだ…終わったのか…」
「ふぃー疲れました…」
アレスとアルーゼがしゃべったあと、1体だけ魔法人形が出てきた。
刀を魔法人形に向ける…
「おめでとうございます。それでは地下3階へとご案内させて頂きます」
と魔法人形が言うと部屋の奥の壁が開きさらに地下への階段が見えた。
「ちょっとここで休んでから、地下3階にいこう」
と言うと全員が頷いた。
小休止をし、地下3階へ向かうことにする。
地下3階
ここにも1体の魔法人形がいた。黒髪で大きな盾を持っていた。
「ここは『四神の間』、我の名は『玄武』、我が守り見事突破してみせよ!」
玄武と名乗る魔法人形は盾を構えて突っ込んでくる…!
散開して避ける…
ルルが避けると同時に魔法銃で魔法を乗せて攻撃するが盾にはじかれる。
「やっぱりダメね」
魔法銃では盾を貫けない、ここは誰かに盾を引き付けさせて背後から攻撃するしかない。
「おおお!」
アレスが斬りかかるが、これも盾でなんなく防がれてしまう。
「アレス、そのまま頼む!」
アレスに任し、盾のない方向へと回り込み斬りかかる…が
がきぃぃぃぃん!
なんと背後から斬りつけても魔法障壁のようなものでふさがれてしまう。
「マジかよ!」
アレスが盾を斬りつけながらおどろいている。
「このおお!」
アルーゼが炎の魔法を付与した槍の斬撃を飛ばす。
だがこれも障壁で防がれる…
「これならどう!」
ルルが魔法銃の属性を氷に変えて撃つ…
パキパキパキと音を立てて障壁と盾の周りが凍り付く。
「よぉし、これなら!」
アレスが障壁部分に力任せに斬りつける。
バキィイイン!!
障壁がわれたようだ!
「いまだ!!」
アルーゼとともに突っ込んでいき刀と槍で攻撃する。
玄武と名乗った人形は盾を落とし動かなくなった…
「見事です。『次の部屋』へ進むと良いでしょう…」
というと地面に消えていった。
「なんとかなったな…」
「ええ、ルルさんのお陰ですね」
しかし、地下2階と強さがまるで違うな…
次の部屋に入ると今度は白銀の髪をし白と黒の鎧を着た斧を持った魔法人形が立っていた。
「よく来た。私は『白虎』、いざ尋常に勝負!」
斧使いか…
「いくぜえ!」
アレスが斬りかかるが…難なくかわされてしまう。
速い…
「いくぞ…」
白虎が声を発し斧を振るうと風が巻き起こった…!
「アレス!!」
アレスが吹っ飛ばされ壁まで飛ばされる。
「アレス様!いま回復魔法を…」
レレーナがアレスに回復魔法をかけにいく。
アレスに追撃されるとまずい!
アレスと白虎の間に入りこちらも風魔法を武器に付与し応戦する。
「ルルは銃撃でアルーゼは雷魔法で援護してくれ!」
「わかったわ!」「了解です!」
横からルルとアルーゼに援護させる。
徐々に白虎はこちらの攻撃を防げなくなり動かくなった…
ちょっと今回はいじめてる気分になってしまった…
「ふむ、よくやった。次へと進がよい」
そして白虎も地面へと消え次の部屋への扉が開いた。
そういえば玄武が『四神の間』って言ってたな…
あと2体はいるってことか…
「よくぞ参られた。私の名は『青龍』、準備はよろしいか?」
青龍と名乗った魔法人形は先が刀のように沿っている槍を持っていた。
「あぁ、あの槍いいなぁ」
後ろでアルーゼが何か言っている…
「では、いくぞ」
青龍が槍を振り回し始める…
すると周囲の温度が下がっていく…
これはまずい。温度が下がると動きも鈍る。
「アレス、剣を…」
アレスの剣に火の属性魔法を付与する。
「よし、いくか…」
火属性メインで攻撃していく。
やはり、いくら強い魔法人形といってもこっちは5人、なんなく行動不能へと追い込んだ。
「よし、よかろう…次の部屋へといけ」
青龍も地面へと消え、次の部屋への扉が開いた。
「次で四神は最後のはず…」
最後の部屋と信じ進んでいく。
いた…魔法人形だ…
「いらっしゃいませ。『朱雀』と申します。初めまして」
赤い髪、赤い鎧、火を纏った刀…
次は火属性ということか…
水属性をメインに戦うが、青龍より強い。
『朱雀円竜破』
朱雀の刀から炎の竜が飛んでくる。
さすがにあれは相殺できん…!
円竜破をかわしつつ攻撃していく。
30分は戦っただろうか…
すると朱雀は刀を地面に刺し
「わかりました。もう十分でしょう」
終わったか…
「次の地下4階へとお進みください」
というと朱雀も地面へと消えていった。
なんか試されてるだけっぽいな…
まぁ進めるんだからいいとするか…
次は地下4階…どうなっているのか…