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転生者の子孫  作者: 空一郎
18/18

第18話 レグナルト皇国へ

屋敷に戻り旅の準備をする。

イーネとアルーゼにも再度説明し納得してもらう。


そして出発の日

「ルナスさん気を付けてくださいね」

「ああ、できるだけ早く戻ってくる」

イーネは不安そうである。

「ルナス様、馬車の準備もできております」

朱雀が馬車を引っ張ってきていた。

「ああ、ありがとう」


馬に体力増強、身体強化の魔道具が付けてある。

イーネと玄武作である。

これなら少し早めにエスタートまで到着できるだろう。


「じゃあ行ってくる、後は頼む」

こうしてオレ、レレーナ、アレス、竜神で旅立つことになった。


エスタートまでの道のりで魔物が出てくるが、竜神が一瞬で殲滅していく。

おかげで時間をロスすることなく順調にエスタートに向かっていた。


竜神には一応メイドから着替えてもらった。

いまは黒系のローブを着ている。見た目は魔術師に見えるか…

遺跡で合ったときは大きな大剣を持っていたが今は腰にロングソードをさしていた。


「エスタートまであとどれくらいでしょう?」

レレーナである。

「もうだいぶ来てるから10日はかからないと思う」

「エスタートから船ですよね?」

「ああ、まずは帝国まで船だな」

「帝国は安全なのでしょうか?」

「今は特に噂は聞かないなあ」

アレスが答える。


「そうなのですね」

「ああ、ちょっと前に皇帝が変わって安定してるらしいから大丈夫だろう」

帝国は皇帝が治めている。5つの公爵家があり皇帝が亡くなったり、引退するとその公爵家から次の皇帝が選任される。

今は新しい皇帝になって治世は安定しているらしい。


そうこうしているうちにエスタートに到着した。

馬車はエスタートの警備隊に預け王都まで送り届けてもらうようにした。

エスタートで1泊し、明日から船旅だ…


「帝国で挨拶とか行かなくていいのか?」

「それはレイフォード殿下が対応するみたいだけど」

「ならいいか。早く終わらせて帰らないとな」

「そうだな」

アレスもルルが妊娠しているので早く帰りたいのだろう。


「竜神、レグナルト皇国はいったことあるのか?」

「私はありませんが、1000年前の記録なら保存してあります」

「1000年前?」

「はい、私達を作った異世界人は約1000年前にこの世界に召喚されたとのことです」

「そ、そうなのか…?」

「帝国、その頃は王国であったと記録にあります。当時に禁術の大召喚が行われ異世界人が多数召喚されたとのことです」

「1000年前にも大召喚があったのか…」


「ええ、当時の魔族との戦争を終結させるために行われたようです。その際に王政が廃止され、帝国…レグナルト皇国になったとのことです。

その後、異世界人が世界各地に渡ったとあります。

私達を作った異世界人はアスレイア王国へと渡りあの施設と私達を作りました。

エッゾとは他の異世界人が作った国です。そのおかげで魔道具が発達しているのでしょう。異世界人は魔力量が多いため魔道具制作に向いています」

「そういうことだったのか…」

それでエッゾは異世界人の子孫が多いのか…

「ありがとう、竜神」

「いえ、また聞きたい事ありましたらいつでも申しつけ下さい」


「それなら、もう一つ聞きたいことがある」

「はい。なんでございましょう?」

「魔族ってのは魔人族とちがうのか?」

「魔族は悪魔です。魔王の眷属といってもいいでしょう。見た目では人とかわらない者もいますが、どっちかというと魔物に近い存在です。魔人族は人間族とは見た目は少し違いますし寿命も長いですが人であることに変わりはありません、エルフも魔人族の一種です」

「なるほど…魔王ってほんとにいるのか…?」

「いますね。私の記憶にも保存されております。

「魔族なら私やルナス様でも勝てるでしょうが、魔王はきびしいかと思います。」

「ふむ…」


「あとは獣人族やドワーフですね。ドワーフは物つくりが得意で異世界人とともに魔道具を作っていました。獣人族はいろんな種族がいますね。私も獣人族の一種の模倣です」

「え、そうなのか…?」

「はい。私は獣人族の一種、竜人族を参考に作られています」

「それで竜神なのか…」

「おそらく、そうでしょう」

「ありがとう。色々わかったよ」

「お役に立てて光栄です」


次の日、無事船に乗り出航した。

順調にいけば2カ月かからずに帝国に着くはずだ。

この船は外交用になっているため、船の船員以外はオレ達と外交員とそのお付きしか乗っていない。

外交員はオレ達が帝国を通り抜ける為に挨拶にいくのと新皇帝への就任の祝いをするためである。

新皇帝就任の祝いの為、外交員代表は王太子のレイフォード殿下であった。


本来はレイフォード殿下達が先に行く予定だったが、オレ達が殿下達の出発の一日前にエスタートに到着したので一緒に行くことになった。


「レイフォード殿下、お初にお目にかかります。ルナス・フォン・スレイン・テンカワであります」

「ああ、テンカワ男爵だったな。よろしく頼む」

「はい。お任せください」

「レグナルト皇国についたら、申請が終わり次第、お前たちはエッゾに向かってほしい」

「心得ております」

「うむ、ではまた夕食時にでも」

というと殿下は自室に戻っていった。

殿下の印象はなんというか、普通である。オレと同い年くらいか…

王族なのでもっと威圧的かと思ったがそうでもない。

ちなみに殿下の奥さんはレレーナの腹違いの姉であった。

つまりオレは殿下の親戚になってしまっていたのである。


オレもあてがわれた部屋に戻っていた。

「レレーナ、さっき殿下に挨拶してきたけど、レレーナは会ったことあるんだよな?」

「ええ、姉さんの結婚式のときにお会いさせて頂きました。」

「そうか。どんな印象だった?」

「ええ…と、普通ですね…」

「だよなぁ…」

まぁ今回以外でそんなに顔をあわせることもないか…


「ルナス、帝国に着いた後の予定を確認しておきたい」

アレスである。

「ああ、まずは入国と通行許可を外交団が取ってくれるから、申請がおりたら、冒険者ギルドに行こうと思う」

「ギルドで何するんだ?」

「道案内を探す。レグナルト皇国の北にエッゾがあるのはわかっているが、細かい道は初めていくからわからない。エッゾに行く予定の人の護衛任務があればそれを受けてもいい」

「なるほどな、ちゃんと考えてるんだな」

「どういう意味だよ…」

「いや、なんとなく」


「あ、そうだ…!竜神にエッゾまで飛んでいってもらって転移魔道具に登録してもらうっていうのはどうだ?」

アレスがめずらしく頭を使ったみたいだ。

「申し訳ありません。それは出来かねます」

竜神が答える。

「え?なんで…?」

「私達の魔力と人間の魔力は少し違っていて、転移魔道具の登録はできません。」

「そうなんか…」

「申し訳ありません…」

竜神が落ち込んでいる…フォローしとかないと…

「いやいや、気にすんな。皆で向かえばいいんだし」

「そうですよ。竜神さん。私も一緒にいてくれる方がいいですし」

レレーナもフォローをいれてくれた。

「ありがとうございます」


夜はオレとアレス、レレーナと竜神で部屋を別れ休む。

しかし、2カ月も船の上か…

旅の途中だし、レレーナと子作りするわけにもいかない…

我慢しなければ…


「なぁルナス起きてるか?」

「どうした?アレス眠れないのか?」

「いや、お前さ、帰るまで我慢できそう?」

こいつもオレと同じ事を考えていたようだ…

アレスと同レベル…少し落ち込むな…

「我慢するしかないだろ?それともオレとレレーナがやってるの見たいのか?」

「そんなわけないだろ。でもなぁ帰るまでお預けは…」

「わかるけど、我慢しろよ…ルルにばれたらやばいぞ」

「だよな…」

「ああ、できるだけ我慢するんだ…っていうかどっちにしてもお前はルルが妊娠してるから無理だろ…」

「いやまぁそうなんだけど…」


こうして帰るまでは二人とも我慢することにした…

オレだけレレーナとしてたらさすがにアレスがかわいそうだしな…

そういえば竜神がいたか…

いや、ダメだ…アレスに竜神はオレが嫌だ…

我慢しよう…うん…

ルルは怒るかもしれないがアレスも側室一人くらい貰えばいいんだ…


そして船旅を2カ月近く、殿下や外交員達とも親交を深め、帝国に到着する。


「では、テンカワ男爵殿達はあちらの建物でお待ちください」

外交員の一人が案内してくれた建物にて待つことになった。

外交用の建物で宿のように個室も用意されている。


数日は申請で待つことになるだろう。これは仕方ない…


5日後、殿下のお付きの外交官がオレ達の入国、エッゾへの移動の申請許可がおりたと申請許可証を持って報告に来た。

これでエッゾに向かうことができる。

まずはこの船が着いた港町パルストの冒険者ギルドへ行く予定だ。


「よし、じゃあ冒険者ギルドへいこう」


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