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私も恋していいですか?  作者: ぽち焼きタマゴ
第3章 バレンスイート・タインスイート
16/30

16.【閑話】それは、キット気のせいよ![ロイズ]

 学園の中庭のベンチに座ってメッセージカードを眺める、サージスを見つけた。



「おーぃ、サージス何見てるんだ?」


「んー、ロイズ来てたの?」



 俺は孤児だが、元は侯爵領に住んでいて、両親は魔術師で侯爵家に仕えていた。

 男爵領にある孤児院にいた同年代の奴らはみんな幼馴染だ。

 そして、侯爵子息であるサージスとも兄弟のように育った。



「昨日お嬢に呼ばれてな、氷の魔石を貸したんだ、その回収と報酬の受け取り」


「そうなんだ、昨日ってチョコレート作りの時なにかあった?」


「チョコレート冷やす場所がなくなったんだと」


「あぁ、だから氷の魔石か」


「そ、で?さっきから何ニヤニヤしてんだよ」


「エレナちゃんからチョコレート貰ったんだけどさ、エレナちゃんの友達の言葉と、幸運にも引き当てたこのメッセージに幸せ感じてた」



 良かったぁぁぁ!

 とりあえず、俺の予想通りの展開になって安堵した。

 お嬢、女友達とチョコレート交換出来るのが嬉しすぎて、絶対サージスの準備してないと思ったんだよな。


 だから、俺は今回の報酬に『多めにチョコレート作っといて』とお願いしておいた『余ったら俺が全部もらうから』と言う事によって、多分一袋以上余分に作ったはずだ。

 他に渡したい人ができても、俺の分を気にせず誰かに渡せるくらい。



「チョコレート貰えたんだ、良かったな」


「ありがとう、エレナちゃんの友達が言うには、手作りチョコレートを気軽に渡せるくらい僕はエレナちゃんと親しくて、信頼し合ってるんだって」


「なるほどな、お嬢の友達いい子だなぁ」


「あと、頑張ってって応援された」


「いや、まじでそれな。本当にサージス頑張れ。俺達もお嬢の幸せ願ってるから」


「頑張ります」


「おぅ!さて、報酬の一つは今貰ったから、余りを受け取りに行ってくる。じゃあな」



 俺の言葉に、サージスは不思議そうな顔をしていた。

 一つ目の報酬は、嬉しそうな幼馴染を見る事。

 なんて、さすがにサージスでも気付かないだろう。



 今から受け取りに行く、お嬢が作ってくれた報酬のチョコレートは、みんなで分けて食べるから許してくれよな。

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