表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

A6

日本一まで、あと6283話!!

俺は美咲ちゃんにキスを重ねたその日、一回目とは違い、緊張に悩むというよりは、美咲ちゃんの笑顔を思い出して、複雑な気持ちになっていた。明日からの対応の難しさを考えると、悩みが山積みだが、美咲ちゃんの心理状態はいい方向に向かっている。

 俺はE先生に『美咲ちゃんがだいぶ元気になってくれた』と送った。M先生もだいぶ心配していた。ただ、俺も明日からどうするべきか、色々と悩んでいた。美咲ちゃんを一人の異性と見ることが可能なレベルになっているのだ。それを押し殺すべきか、貫くべきかだった。とは言え、美咲ちゃんが俺を好意的に見ている点を改善したかった。美咲ちゃんも大人になるわけで、そうなったときには、もっと別の誰かを好きになってほしい。そう願うのは義務的だ。そういう点で、本当に複雑な気持ちだった。

 美咲ちゃんが仮に18歳まで歳を重ねたとき、美咲ちゃんの心理がどこまで変わるかが問題だった。もし、変わることがないのなら、美咲ちゃんは人を好きにならないかもしれない。人間に対しては、恐怖の感情しか示せないのなら、美咲ちゃんを守る以上、俺がそこを埋め合わせなければならないのか。そうなる場合、俺は美咲ちゃんへの好意を明確に示さなければならない。

 先を見ても仕方がない。俺はとりあえず、算数の予習を始めた。内容的にはまだ分数を抜け出していない。面積を習い始めたが、面積は康平君など算数が得意な子でも難しさを感じた。特に、どうして、そういうふうに面積が求められるかを教えるのが、なかなか難しくて、困っていた。というのは、1平方センチメートルがひどく抽象的なので、子供達はよく分かってくれない。俺もよく分からない。1センチ×1センチの正方形が1平方センチメートルと言われても、それを1個、2個というレベルでは考えにくい。

 面積を個数でみなすことを教えたいと思い、1平方センチメートルをたくさん用意した。


 翌日、朝から美咲ちゃんと顔を合わせたのだが、美咲ちゃんは露骨に恥ずかしがっていて、休み時間のときに、俺と付き合ってほしいというのだ。唐突であったが、美咲ちゃんはかなり人間的な表情になっていたし、純粋な好意からの告白だと思った。ようやく立ち直りかけている相手に否定の返事は難しかった。倫理は決して許さないだろうが、俺はそんな文系の考えに縛られて、美咲ちゃんを潰したくなかった。美咲ちゃんを泣かしたくはなかった。倫理程度のくだらないものに、少女の人生を支配する力などない。俺はそう思った。もし、あるのなら、俺は倫理を破壊するための運動を全力で行うだろう。

 付き合うということは、要するに男女の意味で交際しようという意味だろう。付き合った瞬間から、何かが変わることはまずない。だから、俺は快く受け入れたのだ。美咲ちゃんはすごくホッとしていた。その点から見ても、美咲ちゃんの状態はまだ不安定でいつでも崩れる可能性があった。それを崩れないように、丁寧に支える。力を入れすぎても抜きすぎてもダメだ。美咲ちゃんだけに真剣に向き合っていないと支えることは出来ない。

 付き合うことになって、俺の恋人が美咲ちゃんということになったわけだ。美咲ちゃんから見ると、俺は彼氏という存在になるわけで、これは特別な関係といえる。だが、俺は美咲ちゃんを守ること。これがすべてだった。

 俺は美咲ちゃんが人間の彼女として、一番目になったわけだ。俺は女の子と付き合うということはなかった。俺は大して、優れていなかったから、学生など、アイドル恋愛の全盛期には誰とも付き合うことが出来なかった。猫とは正式に付き合ったわけではない。俺は強者とはまずかみ合わない。俺が高校生のときなどは、みんな周囲は強かった。強者か強者同士勝手にやればいい。俺は弱者にしか興味がない。強者は恋愛に暇つぶしとかそういうものを求める。だから飽きたら別れるのだろう。付き合って、すぐ別れるのは要するに、余裕がある証拠で、強者の証拠でもある。弱者は恋愛そのものが、二人でないと成立しないものとなる。つまり、支えあわないと立つことも出来ない。そんな感じなのだ。だから暇つぶしで付き合うことなど出来ない。それに人生をかけなければならない。弱者は強者より弱いが、絆は弱者のほうが数倍強い。

 俺のような弱者には現在の『破局』とか『離婚』が理解できない。特に『離婚』は理解できない。子供いないならマシだが、子供が出来ていれば、『離婚』は子供の『ハンディキャップ』だ。これは明確に『チャンスを失う』ものだ。チャンスを奪うものは『犯罪』だ。離婚は持ち出した側が『子供』に対して、罪を償わなければならない。それなのに、『離婚は相手側に慰謝料を払うだけでいい』というのが法律なのか。

 長いスパンで影響があるから、傷害よりも重罪に当たるはずの『離婚』が犯罪ではないなんて俺には考えられない。法律を考えた者の頭がおかしいとしか思えない。離婚をして、子供がいれば、子供に対して、とてつもなく大きな謝罪をしないといけない。だいたい、4500万〜一億二千万円は支払わないといけないと思う。

 俺は破局ですら信じられないぐらいだから、離婚を見ていると、恐ろしくなる。子供のいる家庭の離婚は恐ろしい。だが、離婚しないことで子供に迷惑がかかるのなら、離婚したほうがいい。やはり、そういうことにならないような絆が必要なわけだ。絆を数値化出来ない現代では、結婚しない若者が増えているのはいいことだ。結婚して、離婚するぐらいなら結婚しないほうがいい。日本人が減っても、『不幸』が増えるよりマシだ。

 美咲ちゃんと付き合うようになったのだが、特に何かが変わったわけではなかった。俺はいつも通りにしていた。俺はK先生の手伝いだが、色々な話を生徒とするようになっていた。学校が嫌になった理由を本音で知りたい俺は、二学期から今日まで、生徒に心を開いてもらうことに全力を注いだ。だから、俺は生徒に話しかけやすいと思われるようにしてきた。生徒が言ってくれた学校が苦痛になった理由、それらに多く共通するのが、恐怖だった。

「学校の先生が怖い」と将太君は言ってくれた。「すごく大きな声で怒鳴られる」と言うのだ。俺はそういう教師が一番嫌いだ。頭の悪い教師に多いのが『暴力や大声で生徒をしかりつける』もので、すぐにでも解雇にしてやりたい。『権力』を行使して、生徒を支配するのはいわば『奴隷社会』と同義で、『人の命』の大切さすら分かっていない者のすることだ。これらの権力で、圧倒的恐怖を受けた生徒がすごく多いのだ。もうひとつは、みんなの前で立たせたり、給食を食べるまで、教室に残させたり、そういうクズ教師のせいで、すごく大切な子供たちの大切な時間を苦痛で埋め尽くしてしまった。どうして、そういう教師を『犯罪者』として捉えないのか。彼らの小学生の時間を何だと思っているのか。俺は腹が立って仕方なかった。彼らの時間を奪っただけではない。人生そのものに多大な影響を与え、チャンスを奪ってしまったのだ。『無期懲役』では軽すぎるぐらいだ。俺は美咲ちゃんを見て、もうその怒りを抑えきれなくなった。美咲ちゃんを守ると決めて以来、俺もおかしくなってしまったのだ。美咲ちゃんを傷つけた連中たちが許せず、怒りを抑えきれなくなっていた。人間、あまりに保守的になると、理性がおかしくなってしまうのかもしれない。俺は理性がおかしくなっていたのか、美咲ちゃんと帰宅するとき、美咲ちゃんにぶつかっていった男がいた。美咲ちゃんの手前堪えたが、危うく決して使ってはいけない拳を使いそうになった。ただぶつかっただけで、美咲ちゃんが大きな怪我を負ったわけではない。しかし、美咲ちゃんがぶつかってよろめいただけで、俺の防衛本能は働いてしまった。本当に怒りを抑えるのが難しく、さらに何度も美咲ちゃんの身を案じた。

 この時期から、俺は美咲ちゃんのことを四六時中意識するようになっていた。もし、美咲ちゃんを傷つけるものがいたら、恐らくはそいつを許すことが出来ない。

 そんな不安定な状態になった俺は美咲ちゃんが「すごく嫌だった先生がいた」と言ったとき、その教師を許せなくなった。


 俺は美咲ちゃんと付き合って、理性そのものがおかしくなっていた。つまり、美咲ちゃんの敵に属するものはまるで、大悪人のように見えて、許すことが出来なくなった。論理的にものを考えられなくなり、俺は美咲ちゃんの通っていた小学校に行き、美咲ちゃんが三年生だった頃の教師を出せと俺は用務員に怒鳴るように言って、もたもたしている用務員に腹が立って、早くしろ! と大きな声をあげた。幾人かの教師が注意に来たけれど、「人の人生がかかってるんだ。口を慎め」と言い返して、弱そうな教師を壁に吹き飛ばし、三年生の担任だったという教師を裏庭まで連れて行って、ひどくおかしなことを言ってしまった。「どう責任を取るのか?」と言うと、その教師は何も答えなくなり、「お前の責任だろ。教師辞めろ」などと、あまりにおかしなことが口から出てしまうのだ。しかし、俺の理性は完全になくなっていた。ただ、美咲ちゃんの敵、それは大自然での草食動物が肉食動物を相手にし、理性を失った草食動物が肉食動物を食らおうとしている図に似ていた。俺は何度か拳を振るい、別の教師が止めに来て、ようやく俺は冷静になれた。この件が問題にならなかったところに、向こう側の反省が見える。だから、俺は何とか怒りを抑えることが出来た。

 こんなことがあったことは美咲ちゃんには言わず、E先生とM先生のだけ言った。冷静になると、自分のおかしさにようやく気付けた。俺は決して怒らない人間になることを志していたが、もはやそんな理性の中で考え出された理想など、あの時点ではなくなっていた。美咲ちゃんに対する並々ならぬ思いが尋常でないことを悟った俺は美咲ちゃんと接することに何か恐怖を感じるようになっていた。

 人が人に向ける愛。その愛が弱いうちは冷静さを持てる。俺は美咲ちゃんと会うまでは、尋常ならぬ愛を持ったことなどなかった。美咲ちゃんと出会い、理性を失うほど防衛の本能が目覚めた。俺自身分かったことは、愛が高くなると、もはや冷静な自分はなくなり、あるのは防衛のための本能という状態になってしまう。

 人は勝手なことを言う。「本当に愛があるなら冷静でいられる」など。しかし、それらの言葉が真実か。否。世の中のいかにも名言じみた言葉はすべて『相対的に正しいのであって、絶対的には正しくない』つまりは『嘘』だ。

 少なくとも、美咲ちゃんを守ろうという思いが高くなると、冷静にいられなくなった。美咲ちゃんが少し落ち込んだり、怪我をしたりすると、俺はひどく怖くなった。

 美咲ちゃんと付き合ってから、少しの日が過ぎて、付き合っていなくてもいても変わらないことに気付いて、俺は美咲ちゃんをデートに誘ったのだが、デートと言っても、休日にどこかに連れて行ってあげようという感覚だった。「どこに行きたい?」と訊くと「どこでもいい」と言うので、「適当に歩いて、ついたところにするか」と言うと、「それがいい」ということになった。

 そんな感じでデートが決まった。俺の手元に17万8000円が使われず、おいてあるので、お金には困らなかったが、たぶん、お金はそんなに使わないだろう。休日、美咲ちゃんの家に行って、そこから歩き始めた。

 俺はK先生などに色々と名所を教えてもらっていたので、A市の土地勘はかなり身についていた。「どっちに行く?」と訊くと、「こっちがいい。行ったことない」というので、駅と交番の間を抜けて、歩いていった。

 しかし、歩くだけで、特別何かしたわけではない。美咲ちゃんが「手を繋ぎたい」と言うので、繋いで、工場などがあるところに行って、それからごく小さな公園に入った。

「何かほしいものはないか?」と訊くと、美咲ちゃんは少し考えて、「キツネ」と言った。あのときのキツネのことだろうと思って、「キツネを捕まえに行くか」と言うと、美咲ちゃんはコクリと頷いた。

 それで、俺たちは美咲ちゃんの家の近くまで戻ってきて、川辺に向かった。キツネは出てこなかった。

「どのあたりにいたの?」「ここから、こっちに走っていった」と言うので、その方向を見ると、林があった。

「夜にならないと出てこないな」と言うと、「夜まで待つ」と美咲ちゃんは俺の手を離さなかった。五時までに帰ると親には言っていたので、とても困った。

「また明日もあるから」と言っても、美咲ちゃんは聞かなかった。俺も美咲ちゃんといれるほうがいいので、特別、異論があるわけではない。俺は美咲ちゃんを背負って、何とか家まで送った。

 そんな感じのデートだった。次の日、美咲ちゃんはすごく楽しかったといっていた。美咲ちゃんと接する機会が増えて、俺は確実に美咲ちゃんに対する好意を高めていた。家に帰っても、ほとんど美咲ちゃんのことばかりを考えているし、美咲ちゃんのことが心配でならなかった。

 11月21日が美咲ちゃんの誕生日なので、俺は「何かほしいものがあるか?」と美咲ちゃんに尋ねた。「キツネ」というので、俺はペットショップに「キツネを売っているか?」と訊き、「ない」と言われ、「野生のキツネは懐くか?」と訊くと、「あんたキツネ好きか?」と怪しまれた。「猫が一番です」と答えると、「猫とキツネはあかんで」と言われた。インターネットで調べると、けっこうあったが、海外だった。ワニや蛇も売ってあったので、驚いた。

「キツネのぬいぐるみではダメか?」と訊くと、「それでもいい」と美咲ちゃんは答えた。とはいえ、実物がほしそうだったのは見て取れた。俺はインターネットで、キツネのぬいぐるみを探したが、「好みのぬいぐるみを作ってくれる会社がある」と言うことを知って、そこに「リアルなキツネのぬいぐるみを作ってほしい」と依頼した。「予算は? 資料は?」と訊かれ、俺はキツネの画像を送った後「20万ぐらい」とメールを送った。「17万ぐらいで作れる」と言うので、「お願いします」と注文を確定した。17万でキツネが入るなら安いものだ。ぬいぐるみが出来るまでに時間がかかるので、美咲ちゃんに「少し待ってくれ」と言った。「いつでもいい」と美咲ちゃんは答えてくれた。

 俺は美咲ちゃんにほとんど掛かりっきりだった。俺は美咲ちゃんに一途になっていた。美咲ちゃんと付き合っているのだから、それも普通かと思ったが、倫理的な抑制がこの頃ようやく出てきた。「美咲ちゃんと放課後会うのはやめてくれ」というようなことを言われて、「美咲ちゃんのため」と言っても、通用しなかった。俺はそれなら辞めるとまで言った。しかし、教育委員会は「本当に必要なこと」より「人間的配下の規則」を重視するので、「法律をやぶると、1000人が助かる」状態でも、「法律をやぶってはいけない」と言う意識があり、「法的事件にならないうちに」と言ってきた。「児童に対する猥褻な行為」だと言って、どこの馬の骨とも分からない連中がやってきた。「そんなことはない」と俺は言っていたのだが、どこから聞きつけたのか、「児童と個人的に交際すると、懲戒免職になる」と言ってきた。どこか、美咲ちゃんが苦しめられているような気がした俺は防衛本能が理性を失わせて、「盗聴していたのか」と言った。

 美咲ちゃんの親がすごく怒って、「娘に二度と近づくな」と言い、俺は美咲ちゃんとの交際を断ち切られようとしていた。俺は美咲ちゃんのことが好きだったし、美咲ちゃんも同じだろうから、「美咲ちゃんのために絶対必要」ということを何度も説明した。論理が通らないことが苛立ちを呼んだ。まるで、圧倒的な力で押さえつけてくるような相手の態度。人間が俺に襲い掛かってきた。文系の逆襲だった。それは俺を絶望させるものだった。

 話だけで終わり、俺がやめさせることはなくなったが、俺は美咲ちゃんと付き合うことが出来なくなってしまった。俺は美咲ちゃんを手放したくない。だから、次の日、放課後、美咲ちゃんに会って、「僕と会えなくなるのは嫌か?」と訊くと、「どうして会えなくなるの?」「美咲ちゃんと付き合ってはいけないと言われたんだ」「どうして?」どうしてだろう。それとなく理由は思い当たるが、俺は『美咲ちゃんを守ること』にすべてをかけていたから、いけない理由が見当たらなかった。まるで、権力で押し付けられた。そんな感じだった。俺はそんな『三国干渉』より、もっと理不尽な干渉など無視しようと考えた。俺が美咲ちゃんと付き合ってはいけないなんて、そんなことを他人に言われたくなかった。美咲ちゃんは不安になって、泣いてしまった。だから、俺は「僕はそんなこと無視するから、また会えるよ」と言って、頭を撫でてやった。

 俺は美咲ちゃんを泣かせた人間を許せなかった。美咲ちゃんを傷つける奴はすべて敵。美咲ちゃんを傷つけるような奴の言いなりになって溜まるか。美咲ちゃんは俺にしか救えない。その俺がそんな人間に負けるわけにはいかなかった。

 後日、アパートに大きな包みが届いて、それがぬいぐるみだと知って、美咲ちゃんの家に届けた。かなり大きい。80センチ以上のキツネだ。毛並みからして上等で、写真と同じだった。美咲ちゃんのお母さんは俺にいいイメージを持たなくなっていたが、そんなイメージは関係ない。美咲ちゃんの部屋に運んだのだが、美咲ちゃんはかなり気に入ってくれて、そのときの笑顔は幸せそのものだった。俺のことを「大好き」と言ってくれて、俺も「大好き」と返した。そうだ。好きだから付き合っているのだ。それを差別みたいに引き裂かれて溜まるか。

 結局、俺は美咲ちゃんと交際を続けた。放課後にはほぼ毎日会っていたし、キスの回数も数え切れないまでになった。だが、それを快く思わず、親が俺のことについてなにやら、美咲ちゃんにデマを流しているらしいのだ。俺といると病気がうつるとか言っているようなのだ。俺は人間ドックを受けているが、異常はなかった。そんなデマを流してまで引き裂きたいらしいのだ。だが、そんなことで引き裂けるほど、俺と美咲ちゃんの絆は弱くはない。俺は美咲ちゃんを守ると決めた。不幸にはさせない。美咲ちゃんはずっと苦しんできた。何度も自殺を考えるほど、周りの人間が嫌いになっていた。誰も信用できる人がいなかった。俺がその役目を果たさないといけない。親にも出来ないことだ。

 俺は美咲ちゃんを完全に愛していたのだ。だから、そうそう断ち切れるものではない。だが、人間はその絆を断ち切るために物理的手段を用いてきた。


 美咲ちゃんを連れて、引越しさせるという強攻策に出たことを知ったのは、3連休が明けたときだった。土曜日の午後に俺は美咲ちゃんと会った。そのとき、美咲ちゃんは何も言わなかった。つまり、引越しをすることを日曜日まで美咲ちゃんに伝えず、完全に俺と隔離させるための方法を取ってきたのだ。

 俺は動揺した。先生たちは木曜日の段階で知っていたらしいが、伝えてはいけないと念を押されていたらしい。すぐに探した。当たり前だ。美咲ちゃんがいなくなって、学校にも来なくて、話を訊くと、「引っ越した」なんて、そんな話があるかと思った。

「美咲ちゃんの住所の引越しを担当した会社」を興信所で調べてもらい、俺は話を聞きだそうとしたが、機械的なアナウンスで「お答えできません」と言うので、腹が立って、本社に押しかけると言った。

 結局、分からなかった。美咲ちゃんがどこにいるのかわからないまま、俺は途方にくれていた。仕事などはどうでも良かった。とは言え、水曜日までは仕事に出ていた。木曜日からは仕事に行かなくなり、全国に手を広げた。「すごくいい探偵がいる」と言うので、その探偵を訪れると、「五十万で」と言われた。俺は「お願いします」と言った。E先生がお金を貸してくれて(くれると言ってくれていたが、後で俺は返した)その日のうちにお金を払うことが出来た。「数日のうちに連絡する」と言うのだが、十日以上経ってからようやく「見つかった。住所は……」と教えてもらえた住所がS県だったので、驚いた。


 とにかく行くしかない。美咲ちゃんは俺の迎えを待っているはずだ。絶対に悲しんでいるはずだ。俺は二週間以上会えなかったためにかなり苦しかった。美咲ちゃんも同じはずだ。俺は腹が立って仕方がなかった。親では美咲ちゃんを救うことなど出来ない。

 二週間以上、美咲ちゃんを独りにさせてしまった。俺は俺自身を叱咤した。守ると言って、このザマだ。美咲ちゃんを悲しめてしまったのだ。俺の未熟さとか、能力の低さ、そういうものが出たのだ。そんなことは許されない。美咲ちゃんの命はひとつしかない。一人しかいないのだ。たた一度しかないこの二週間を独りにさせて、悲しませてしまった。どんな言葉をかければいいのか分からない。ただ、美咲ちゃんを安心させたい。人間が明確に俺に牙を向いてきた。人間の牙は離間させようと本気だった。だが、絆までは切断できない。

 俺を待っていた途方もない現実。恐らくは絶対的なものが意志を持って、牙を向いてきたのだ。俺が美咲ちゃんの家を訪れたとき、親は俺に驚いていた。「美咲はいま、入院しているのだ」と俺に告げてきた。その意味が分からなかった。精神的なもので入院しているのだろうと思い、精神病院を思い浮かべたが、俺にも何も出来ないものを親は告げてきた。

 その病院は近くに看板が上がっているし、大きいのですぐに分かった。美咲ちゃんは白血病という病気だそうだ。名前の通り、白い血。白血球が増加し、途方もなく多くなって、人間を死に至らしめる。血液のガン(厳密には血球を作る細胞……造血細胞というのか? とにかくその才能のがんだが)で、ガン細胞が剥がれて、血液に落ちると、血液中を流れるように移動して、やがて到達した場所で、新たなガン細胞を作り出すそうだ。剥がれるまで、あるいは到達するまでに時間がかかって、早期発見が出来れば、このような転移を防ぎ、化学療法に使う抗がん剤で、治療できる可能性が高いのだが、発見が遅れると、レベル二とかレベル三とかいうそうで、レベルが高くなっていると、血液中をがん細胞が巡って、さらにオリジナルの部分でがん細胞は血液を栄養に細胞分裂を繰り返して、人間を殺してしまうという。ガンになる直接の原因は不明。宇宙がここまで解明されているのに、ガンの直接の原因は分からないというのか。まるで、神が意図して牙を向いてきたようなそんな感があった。俺は不思議だった。ガンになる原因が不明。まさか、神が量子力学に続いて、サイコロを振るというのか。何か生物学的、あるいは数学的にガンになる条件があるはずだ。どうなったら、ガンになるのか。そういうものが分からないなんて、神は人間にだけ、絶対的でないルールを用意しているというのか。いや、それとも神は生命体に、あまりに不平等な法則を与えているのかもしれない。

 神が怒り、意図的に法則をいじり、がん細胞を作り出したのか、それとも、絶対的な条件があるのか。

 俺は美咲ちゃんに面会出来るかと怒鳴るように病院の者に訊くと、「無菌室には誰も入れない」と言うのだ。「ふざけるな」と俺の理性はまたおかしくなっていた。抵抗力の弱い人はすぐ菌にやられるので、一切の面会が禁止だという。当たり前のことだ。だが、もはや俺は美咲ちゃんを求めずにはいられなくなっていた。

 そういえば、少し前、無菌室でキスをしたとか、そういうことで、もめていた時代があったことを思い出した。くだらないと思って、当時は掲示板での意見を見ていたのだが、今、分かることがひとつある。あれは『必然』で『意図したものではない』ということだ。当事者でないものは遠いところからお茶を飲みながら見ていられるから、好きなことを抜かせる。だが、当事者にとっては、それが理性で押さえつけるレベルを超えた葛藤があり、大いなる何かに導かれての展開なのだ。俺が文系を拒絶したように心に現れた本能ともいうべき、何か。それが人を導き、そして、結果を作り出す。それだけのことなのだ。安易にそういうことを書くなと言う人もいたけど、安易ではない。それぐらい、当事者になって心情を考えればすぐに分かる。遠くから見ているものには分からないだけだ。俺もそうだった。美咲ちゃんもそうだ。多くの人から苦痛を受けてきた。だが、相手にとってみれば、苦痛を与えている気になっていない。何も罪を覚えず、相手の気持ちも考えられず、そして強者の域で悠々と過ごしている。その中で、たくさんの犠牲者があるのだ。そういうことを考えると、『無菌室でキスをした』なんてことはそこでは必然なのだ。人間の配下にある常識ではありえないことだ。やっていいことではない。だが、そこで、人間の配下にある絶対的なものに背かなければ、潰れてしまうものがある。俺もあのとき、美咲ちゃんにキスをしなければ、あのとき何かが潰れていた。背かなければならない。それが『無菌室でキスをした』ということなのだ。それを全力で避難する人たちは『文系』の信仰者で、俺と美咲ちゃんを引き離したように『最も大切なもの』より『人間の考えた不完全な絶対的背景』を重視したのだ。だが、俺は人間の不完全さを知っている。それに、患者に失礼ということもない。患者とあの展開とは何の関係もない。あれはあくまで人間の配下に従うことで消えてしまう何かと、罪の意識という葛藤から生じた必然のものなのだから。本当に失礼なのは相手を傷つけたり、チャンスを奪ってしまった人たちだ。美咲ちゃんを傷つけた人間とか、教室に来ている人たちを傷つけた人間だ。

 俺は本当に大切なものを自らの視点から見出すほかないと思うのだ。だから、俺は美咲ちゃんに会うこと。会って話をすること。俺はそれだけを考えた。

「美咲ちゃんに会わせろ」と言うと、「今は危険な状態」と病院側は言う。慢性骨髄性何とかと言っていたが、俺にはさっぱり分からない。だが、それでもだ。それでも、美咲ちゃんと会わないと、俺自身だけでなく、美咲ちゃんが報われない。もし、俺と会えないまま、二度と話が出来なくなれば、俺はそれだけはさせたくなかった。美咲ちゃんはここまでずっと苦しい中を生きてきたのだ。たくさんの人から傷つけられて、自殺まで考えて、それで、どうして、今もなお、傷つかなければならないのか。俺は人間の配下にあるもの。文型すべてがあまりに憎らしく思い、「会わせろ」と何度も突っかかった。俺は異常者と思われたらしく、たくさんの人が集まってきて、「非常識だ」ということを、病院のものや周囲にいた人々に言われた。だが、何も知らないものは勝手なことがいえる。だが、当事者になればすべてが分かるのだ。美咲ちゃんに会わなければ、ここで会わなければ、一刻も早く会わなければ、美咲ちゃんを安心させなければダメなのだ。美咲ちゃんを守ると決めた。それをただひたすら言い続けても、病院側は応えてくれなかった。当たり前だ。そんなことを許していたら、患者の信用を損なう。医学を利益と捉えるこの時代、そんなことを許すものがいるはずがない。

 だが、あきらめて溜まるか。あきらめていいわけがない。美咲ちゃんが待っているのだ。俺はすべてを押しのけ、美咲ちゃんに会わなければならない。牙を向けてきたものは神だけでなく人間もだ。俺は神と人間どちらも敵に回してしまった。だが、それでも、俺は美咲ちゃんを守る。神が相手でも美咲ちゃんを守ってみせる。

 だが、俺は病院側に完全に取り押さえられてしまい、動くことも出来なかった。医者は「あなたが我慢すれば、助かる」と言っていた。今は見守ること。それが必要なのだと説明された。分かる。それぐらい分かる。だが、俺はそういうものをすべて通り越してでも美咲ちゃんに会わなければならないのだ。美咲ちゃんも早く会いたいと思っているに違いない。今、物理的に会える状態にいるのに、会えない。そのもどかしさは俺をさらにおかしくさせた。俺はこれらの障害をすべて押しのけて、美咲ちゃんを抱きしめなければならないのだ。


 俺がほとんど狂ったようになって、暴力を振るうようになると、看護婦が警察を呼んで、さりげなくおばあさんも警察に連絡をいれていた。俺は医務室を出て、一番強そうな男を押しのけて、ようやく人の少ない廊下に達した。霊安室が見えて、俺の中に嫌なものが蹲った。どこに無菌室というものがあるのか分からず、焦りばかりが込み上げていた。走って、ようやく見つけたのだけれど、その前に医者や関係者がたくさんいて、「入ってはいけない」と言った。「いれてくれ」と俺は涙ながらに懇願し、それから、勢いよく掴みかかった。俺にとって、美咲ちゃん以外はもう眼中になかった。美咲ちゃんに会えればそれで、後はもうどうなってもいい。そう思っていた。だから、俺は前方の人間を物質とでも見ていた。いや、大切なものを奪おうとする悪魔にさえ見えたかもしれない。ここで美咲ちゃんに会わないと、大切なものがなくなってしまう。人間の作り出した至極不完全なものでは理解できない、そんなものだ。常識を絶対的なものと捉える者には決して理解できない絆とか、愛とかそういうものなのだ。無菌室に入るなんて馬鹿げている。それぐらい、俺にも分かっていた。だが、ここで躊躇えば、一秒でも美咲ちゃんと会うことが遅れると、それは大きな損害になると思った。もし、例えば、後一秒が遅れたことで、美咲ちゃんと会えなくなってしまったら。二週間以上も会えなかった。明日こそは会える。明日こそはとずっと重ねてきて、最後に会えないままなんてことになったら、俺は美咲ちゃんに何と言えばいいのか。

 俺は関係者をただひたすら殴りつけていた。ボクシングを練習していた頃、磨きをかけていた右のフックをとにかく振り回した。俺の軌残した跡はただ美咲ちゃんに会うためだけのものだ。相手を傷つけようとかそんなつもりは一切なかった。俺は美咲ちゃんの前に立ちはだかる障害をすべて跳ね除け、ドアに手をかけた。ドアが開かなかったので、ガラスの部分を突き破り、とうとう中に入ってしまった。


 神の創ったフィールドに新たに絶対的な背景を用意したことで、人間は統率されてきた。もともと神は神話とかそんな糞にもならないものとは無関係なのだ。あるのは厳密な自然科学や数学のみ。神から程遠い常識や法律が『絶対的』であるはずがない。〜は常識と言っても、それが科学的でなければ『常識』ではない。俺はここで美咲ちゃんと会うことが、絶対的な正解だと信じた。二人が同時に会いたいと思うから会うのだ。会えなくなる可能性が0と数学的に証明されない限り、たとえ、このような状態でも、俺は美咲ちゃんと会う必要があるのだ。確率が0にはなれない。だから会わなければならない。会って、安心させなければならない。

 美咲ちゃんは悄然として、目が虚ろで、俺の心を抉るほどに死に近い表情をしていた。俺は声を完全に失っており、枕の上に散っていた髪を何本か拾い上げた。抗がん剤は身体にダメージを与えるものだ。抗がんのために、正常なものも犠牲になる。人間の社会と何も変わらない。一握りの幸せな人間のためにたくさんの不幸な人間が生まれる。だから、俺は犠牲になるものが痛々しく見えてしまうのだ。

「美咲ちゃん、僕だよ。分かる?」俺に気付いておしくて、俺は顔を近づけた。美咲ちゃんはほとんど喋れなくなっていたのだ。口元がわずかに動いただけで、その言葉が聞き取れない。俺の動揺は極めて、大きく、涙を堪えることなど到底出来ない。だが、美咲ちゃんは表情を変える元気すらもうなかった。それでも、涙だけは確実にこぼれるのが見え、俺はまた激しく動揺した。美咲ちゃんは何かを伝えようとしていた。だが、言葉が紡げない。こぼれる涙がそのもどかしさを伝えていた。

 俺はどうすればいいのか。ここで去ってしまえば、何もならないだろう。何とか出来ないのか。美咲ちゃんのために何もしてやれないのか。

 美咲ちゃんの手が動いたのが分かったから、俺はその手を掴んだ。美咲ちゃんの手に力が入ってくる。恐らく全力で握っていたに違いない。その弱さに驚き、俺はかなり涙をこぼしてしまった。「僕が分かるか?」と俺は質問を繰り返す。美咲ちゃんの口が動くので、それに集中していると、「ありがとう」と伝えようとしていることに気付く。どうして、ここで礼を言われなければならないのだろうか。礼など言う必要はない。こんなときに気を遣わないでいいだろう。俺は心打たれてしまった。美咲ちゃんのもうひとつの手も動き始めて、俺を必死に掴もうとするのだが、その手は大きく震えている。俺はその手を掴んだ。もうこれ以上、体力を使う必要はない。美咲ちゃんを安心させるためには何をすればいいのか。俺は何をすればいいのか。そんなときに、関係者は俺を外に連れ出そうとしてしまうのだ。美咲ちゃんの手が離れて、俺は引きずられる。美咲ちゃんが手を伸ばして、すごく多くの涙を流すのが見えて、「僕が傍にいなきゃダメなんだ」と必死に訴えた。美咲ちゃんはただ手を伸ばして、何かを訴えようとしていた。「行かないで」と訴えていることに気付いて、俺は必死に抵抗するが、圧倒的力の差だった。美咲ちゃんは最後の最後まで訴えていたが、俺は美咲ちゃんから完全に引き離された。俺は「必ず美咲ちゃんを治せよ」と医者にただ叫ぶことしか出来なかった。美咲ちゃんが元気になれば、会うことが出来る。そのときは、もう何も躊躇いし、道徳的干渉にも屈さない。ただ、美咲ちゃんを見つめ続ける。そう誓った。美咲ちゃんは俺にとってのすべてだった。だから、美咲ちゃんの傍にいることにすべてをかけようと思った。誰にも美咲ちゃんを傷つけさせない。神にもだ。


 美咲ちゃんが亡くなったとその翌日聞かされ、主治医に殴りこみに行ったのだが、ほとんど何も出来ず、取り押さえられてしまった。警察署で聞いたことだが、美咲ちゃんは亡くなるそのときまで、ずっと俺の名前を呼び続けていたそうだ。あのとき、「行かないで」と美咲ちゃんが訴えていた。そのとき、どうして、もう少し強い力で振り切り、美咲ちゃんを抱きしめなかったのか。俺はひたすら思いつめた。美咲ちゃんの顔を思い出すと、激しい嘔吐感を覚えるので、俺は何も考えないようにした。

 だが、美咲ちゃんを切り離すことなど出来るはずがなかった。美咲ちゃんを守ると決め、そのために俺は美咲ちゃんと付き合った。だが、俺は美咲ちゃんを守ることが出来なかった。一番失ってはいけないものを失い、どうでもいいものたちが悠々と生きている。俺には信じられなかった。美咲ちゃんはずっと苦しんでいた。結局、人間も神も美咲ちゃんには苦痛を与え続けた。俺はそれを阻止しなければならなかったのだ。守ると決めて、俺は人間にも神にも敗北した。せめて、最後まで、美咲ちゃんの傍にいてやりたかった。安心の中で目を閉じてほしかった。それさえ、俺はしてやれなかった。人間にも神にも結局勝てず、美咲ちゃんを死なせてしまった。

 俺の人生はこれで完結したものと思った。出来ることは美咲ちゃんの後を追って、今度こそずっと傍にいてあげることだ。今度こそ、何人からも美咲ちゃんを守る。それが役目だと思った。美咲ちゃんの親は「葬儀をするから」と警察署まで来て、俺に伝えてくれた。だが、俺は考えられなかった。葬儀だと? 死んだら葬儀。みんながやっているからか? ふざけるな! 美咲ちゃんはお前たちを嫌い、恐怖していたのだ。馬鹿にするのも大概にしろ。俺は最後の怒りでそのようなことを訴えた。美咲ちゃんの傍にいるのは俺だけで十分だ。大して美咲ちゃんに好意も持っていない連中がいやいや葬儀にやってくるのだ。それでご苦労様だと? それで罪が帳消しになるというのか? いやいや来てやっただと?この人間たちはどこまで美咲ちゃんを苦しめるのか。何の疑問も持たず、大人共は葬儀を始めた。俺はいかなかった。いったとしても、暴動を起こすだけだ。だが、美咲ちゃんはせめて俺が来てくれることを期待していたかもしれない。だから俺は佳境になって、訪れたのだが、葬儀のためにわざわざ仕事を休んでやったとほざいていた大人がいた。そのときの俺が怒りを押さえつけることが出来るはずがなく、その大人を殴り飛ばしてしまった。どうせ、こうなるのだ。美咲ちゃんをすべてと捉える俺が普通の人間と同じにしていられるはずがない。

 俺はキツネのぬいぐるみが残っていたので、それも一緒に頼むとだけ言って、警察署に戻った。俺はもう本当に人生を完結させたのだ。

扇風機に「あー」っていうと、「あ゛ー」ってなる。おもろいな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ