第18話 職業を選ぼう
「はー、今日の授業やっと終わった〜」
午前中しかないけど、めんどくさい。
騎士団に入ってた時よりは楽なんだけど、見回りと違って人との交流とか特になく、ひたすら講義を聞いて紙に書いてしてるだけだからな〜
「テルくんは、あとで職員室に来てください。」
嘘やろ!?は〜、何か俺悪いことした?
んー、心当たりしかないな。
「テル、待っとこうか?」
「いや、大丈夫。今日は俺抜きで依頼こなしといて〜」
「わかった。またね。」
「バイバイ」
〜ニーナサイド〜
「校長、我がSクラスから、逸材としか言いようのないものがおりました。」
「やはりか。エマ ローレンスか?」
「彼女も素晴らしいですが、テルという平民の少年です。」
「賢者でも勇者でもなく、平民か。
どのようなやつなのだ?」
「算術が恐ろしく早く、私の大精霊に警鐘を鳴らさせ、私の目にも止まらぬ速度で走ることのできる少年です。」
「ほぉ、噂に聞く8歳の英雄ではないかね?一人で邪竜に立ち向かい、被害なしで撃退したと聞くぞ。」
「そのようなものが普通の人族に!?」
「いや、噂じゃ。王は黙秘しておるからの。村の者が言っていたらしい事だ。」
「なぜ黙秘などするのでしょうか?」
「わからぬ。本人の希望としか考えられぬの。」
〜テルサイド〜
コンコン
「失礼します。1年Sクラスのテルです。」
日本の調子で入る。
先生が少し驚いた表情をしている。最初から「失礼します」なんていうのは珍しい文化だからな。この世界でも珍しいのだろう。
「君がテル君か。君は体育の授業のとき、ニーナ先生を打ち負かしたと聞いている。そこでな、校内武闘会のSクラス代表として出てほしいのじゃ。」
なんじゃそりゃ。めちゃくちゃ安易な名前だな。分かり易すぎるだろ。
「なぜでしょう?うちのクラスには、賢者と勇者どちらもいます。代表には、一番強い人がいいのではないですか?」
「本来ならそうなのだが、学校で不真面目な奴が増えておる。それに、他国からの使者がたくさん来るのだ。そこで、生徒や他国の使者に、勇者でなくとも強くなれる、我が国の学習方針は正しいと示したいのだ。それに、お主、今は勇者や賢者より強いじゃろ。」
「なるほど。でも、それでは私のメリットがないのですが?」
「優勝した者は、夏休みの宿題無しと竜騎士への転職を許可する。」
「はい!ありがたくお受けさせていただきます!」
ニーナ先生と校長先生が食いつき具合にびっくりしている。
たぶん、俺が邪竜を撃退した事を知っていて、王に黙秘させているから、実力を隠したがっていると勘違いされているから、本気を出すように注意されたんだろうな。
だって、よく考えたらこれ取引じゃないもん。
やったぜ!この学校の夏休みの宿題の量ハンパじゃないって聞いてたからな!
それに、竜騎士も気になる。
多分、校長は俺が英雄ってことわかって言ってるな。それで、それを隠してるみたいだから、釘を打っておいた。そんな感じだろう。
ルール表を渡され、これを教室にはれって言われた。
読んでみる。
魔法、武器、防具は基本なんでも使ってよい。
場外、戦闘不能、もしくは降参した場合は負けとなる。
決して相手に死傷を与えることは許されない。
クラスごとにバトルロワイヤル制で代表者を出し、代表者は学年、クラス問わず1対1のトーナメント制で優勝者を決める。
優勝者は、夏休みの宿題無し、今年は竜騎士の職業への転職を可能にする。
なんだか貴族の方が有利な気がするぞ?
防具ガチガチに固められるわけだし。
まあ、武器はなんでもいいだろうな。だって、殺してはいけないんだから、人間相手にそんな強い武器使う必要ない。
でかい棍棒でも振り回しとこ。
さて、貼り終えたことだし、俺は帰るとしよう。
そういえば、まだ転職してねぇな。
翌日、クラスは武闘会の話で賑わっていた。
さて、俺は舞踏会で力を見せつけなきゃいけないから、どんどん友達を増やしておこう。
接点あるやつから片っ端から話しかけていった。
ラインの友達とか、その友達の友達、友達の友達の友達。そんな風に増やしていっている。
「はーい、着席〜」
みんな適当な場所に座る。
「1時間目は、入試結果から考えたおすすめの職業について書いてある資料を配ります。2時間目に早速転職しに行くので、よく考えてください。
何度でも転職はできますが、すごく並ばなければいけなくなるので、気をつけてください。」
順々に名前を呼ばれ、資料をもらう。
オススメ職業、黒魔道士。
まぁ、魔法の出来しか見てないからな。こんなもんか。魔法できるやつは魔法使いをオススメされて、できないやつは戦士とかをオススメされる。
というか、黒魔道士と戦士以外オススメされる項目がない。
だいぶ適当だな。
Sクラスから順番に転職をしに行く。
水晶に手を置き、表示された職業になりたいと念じると、転職完了だ。
流石に100人もいるから、長い列になっている。なるほどな。4つしか転職の水晶がないから時間がかかるわけか。
ちなみに、ギルドでもできるが、そっちは予約制で、半年先くらいの予約まで埋まってるらしい。しかも、お金がかかる。
さて、ようやく俺の番だ。なにが出てくるかな?
料理人
騎士
魔法戦士
戦士
侍
ルーンナイト
バトルマスター
蛮族
黒魔道士
学者
いっぱい出てきた。なんだこれ?ルーンナイト?たまに聞くことあるけど、どんなやつなんだ?
あ、念じたことになっちゃった。
転職しちゃったっぽい?
久しぶりにステータスを確認しよう。
テル
亜神 男性 9歳
称号: 村の英雄の子 異世界転生者 神の観察対象 絶望の目撃者 バカまじめ 英雄 バケモノ 邪竜の天敵
Lv.250
職業:ルーンナイト
HP:1,500
MP:12,050,800:12,050,800
筋力:2,500
体力:13,500
俊敏:25,000
知性:10,000
信仰:1,500
精神:9,999,999
運:250
スキル
言語理解 ステータス管理 EP管理 防具創装 武器創装ステータス隠蔽S級 魔力制御A級 神級身体強化 上級魔物探知 魔法派生 スチームブレス アクア ウィンド ファイア ファイアボール 加熱 魔力結界 属性付与 無詠唱の心得
加護:創造神の加護 武神の加護 神龍の加護
お、人間やめてたみたいだ!やったぜ!
これでエマの冒険についていける!
あと、邪竜の天敵っていう称号、すごい気分がいい。
知らん間に神龍と武神の加護手に入れてるし。
そういえば、創造神様に会いに行った時に武神様と神龍も混ぜて一緒にウ○やったわ。
そんときにもらったっぽいな。
ちなみに、俺は武神様にも容赦なく
「はい!○ノって言ってない〜!」
って思いっきり言ってやった。めっちゃ怒られたけど、なんだかんだで加護くれてたんだ。武神だけど優しいんだな。
「エマ〜、ルーンナイトって何〜?」
「なんか武器とか身体能力とかあげるやつだったと思う。」
「ああ、なるほど。」
つまり、身体強化があったから選べた職業なのか。武器強化ってのが気になるな。
エンチャント的なあれかな?
若干のやっちゃった感はあったが、悪くないな。