表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/23

第16話

久しぶりにエマと話している。

いやぁ、懐かしい。

少し背が伸びたかな?俺も伸びてるから分からないな。

残念ながら俺はギャグセンスが無いので、面白い話はしていない。

そこで、俺は聞き手に徹することにした。

へ〜、そうなんだ!

凄え!

とか、そんな風に返事を変えて話を聞く。

ただそれだけだ。

しかし、ふーん。としか返さないようなやつに、話すより、自分の話を興味を持って聞いてくれる人の方が好印象だ。

これは確信を持って言える。

理由は、俺ならそうして欲しいからだ。

ちなみに、ラインは同郷の子と話しにいった。


ん?あ、オリガが入ってきた。


「おーい、オリガ〜!」


オリガはこっちに気づいたようで、こちらに来る。


「テルさん、おはようございます!同じクラスですね!」


「そりゃそうだろ。だってお前、順位俺と同じじゃん。」


「まぁ、実技でやったことが全く同じだったんでしょうね。試験でファイアボール無詠唱をやったんじゃないですか?」


「うん。その通り。いやー、助かったよ。」


「いえいえ!私を守ってくれたお礼です!」


「私をって、、、まぁ、あながち間違いじゃないか。」


「エマ、紹介するよ。彼女はオリガ。手紙で知ってると思うけど、ウォルト村に邪竜攻めてきたときに助けた子だよ。」


「へ〜、よろしくね。オリガちゃん。」


「はい!よろしくお願いします!」


オリガなんかいいことあったのかな。気分が良さそうだな。


エルフの先生が入ってきた。


「新入生のみなさん、おはようございます。

入学式がありますので、体育館に行きますので、ついてきてください。」


クラスの生徒は本当に凄い量いる。なので、出席番号順に並べるとかそういうことはないみたいだ。


入学式が始まる。

校長が長々と何か話してるが、聞く気も起こらないので、他のことを考えている。


俺は、先生の人数が多いことに気がついた。

流石に100人くらいの人を1人で見るような無茶はしないみたいだ。少し安心。


ようやく話が終わったみたいだ。


また教室に戻る。

オリエンテーションに入る。


「皆さんは、この学校で勉強したり、訓練したりしてもらいます。どちらも将来使うことなので、授業は真面目に受けてくださいね。」


そうなのだ。この世界では、命が軽い。人はよく死ぬ。なぜなら、盗賊や魔物がいっぱいいるからだ。

この世界で弱い人は早死にするのだ。

だからこそ、こうして集められ、学習する。


「せっかくですので、皆さんに自己紹介をしてもらいましょうか。

私が見本になりますので、私の後からそっちの席に座っている人から続いて言ってください。

私は、ニーナ シャーレです。

得意魔法は風系統です。これから皆さんの担任として、全ての教科を担当しますので、気軽に話しかけてくださいね。」


どんどん続いていく。

このクラス、圧倒的に貴族が多い。そして、半分以上がヒト属以外の種族だ。

おれ、初めてエルフみたよ、、、

まだ9〜10歳なのに、整った顔立ちをしている。

俺はふつうに自己紹介した。邪竜撃退したとか言ったら怖がられそうで怖い。


エマも特になにも言わない。賢者だ!とか自慢してない。まず、みんなエマが賢者だってこと知ってるのだろうか?そこから疑問だ。


みんな自己紹介をし終えた。ケインは予想通り勇者であることを明かしていた。

それに、高位の貴族には、家柄までわざわざ言う奴までいた。

お前ら、それ、自分の力じゃないからな?

そう言ってやりたい。

100人全員の自己紹介が終わった。覚えてられるかこんな量!無理に決まってんだろ!


「では、今日は解散とします。」


ようやく終わった。つまらないもんだな。

そらそうだな。校長の話聞いたあと、自己紹介をされただけだからな。


「エマ、俺はこれから冒険者登録してくるんだけど、お前はどうする?」


「じゃあ、私も行こうかな。」


「僕も行くよ。」


「私も行きます!」


ラインとオリガも混ざってきた。


「じゃあみんなで行くか!」


一つの街とすら言えるような学校から出てすぐのところに、冒険者ギルドはある。

王都のギルドはめっちゃでかい。受付だけで2階分、その上には3階分くらいレストランが設けられているらしい。


「おおお!すげえでかい建物だなぁ。横の面積もすごい!ワクワクしてきた!」


「ほんとですね!私たち田舎者はこんな建物なかなか見ないですからね!」


オリガも肯定してくれる。同じ田舎者だからな。俺は前世ではもっとデカくて高い建物ばかり見てきたわけだが。


「じゃ、行こうか。」


中に入ると、想像してた通りの光景だ。少しイメージが違ったのは、割と生徒も多いことだ。

あと、予想以上に受付多い。1階にも2階にも受け付けカウンターがある。そして、壁には依頼でいっぱいになっていて、群がるようにたくさんの冒険者が見ている。

筋骨隆々とした男性から、フードを深くかぶった女性までいろんな人がいる。

冒険者ギルドでよくある絡まれる的な展開はなさそうだな。


なんて思ってた時期が私にもありました。


「おい!これは俺が先に取ろうとした依頼だぞ!」


「はぁ?俺が先だっただろうが。だいたい、お前みたいなひょろひょろがオークなんか狩れるわけねぇだろうが。譲れや。」


うーわ、あのムキムキのあいつ、キレた時の俺とほぼ同じ口調なんだけど。

恥ずかしい。


「あれ、止める?」


「いや、触らぬバカに祟りなしだ。あんなのどこ吹く風。俺たちは登録に来たんだから、首は突っ込まないでおこう。」


俺はそう言ってエマをとめる。

あれは、ふつうにケンカだ。俺はイジメは止めるが、ケンカは止めないでいいと思っている。


「オイ!問題起こすんじゃねぇよ。馬鹿どもが!」


ムキムキおじいちゃんが怒鳴ると、すぐにそいつらは喧嘩をやめた。

このおじいちゃん、できる!

まぁ、俺はガン無視で受付に行くけどね。

うーん、どの子が一番美人かな?

あ、獣人だ。あの子のところに行こう。


「あの、冒険者登録をしにきました。」


「学園の生徒さんですね?ここに、必要事項を記入してください。」


名前と職業しか書く欄がない件。


「はい、書けました。」


練習しててよかった、この世界の文字。


「では、このカードに魔力を流してください。」


カードに魔力を流すと、カードの色が白から青に変わった。


「それでは、こちらで手続きを進めますので、少々お待ちください。」


獣人可愛いです。マジ眼福です。


「登録が完了しました。ギルドの説明が必要ですか?」


「はい。お願いします。」


「このギルドは、S〜Gランクに分かれており、Sに近くなればなるほど難しい依頼を受けられます。

自分のランクと同じ難易度の依頼を5回連続で達成すると、1つずつBまでは上がれます。それ以上は、何かしらの称号が必要になります。一番身近なのは、村の英雄ですね。

現在のSランク冒険者の数は世界で6人だけです。

依頼に失敗すると、賠償金が発生します。

難しすぎる依頼を受け続けると、破綻してしまう可能性がございますので、お気をつけくださいね。」


「わかりました。ありがとうございます!」


みんな冒険者登録が終わったみたいだ。


「なんか依頼受けとく?」


「じゃあ、薬草とるやつでもやろうよ。」


「それは良いですね!」


「あった。僕が受けてくるよ。」


「あ、待って。よかったらこの4人でパーティ登録しとかない?そうすれば、ランクも上がりやすいと思うんだけど。」


「賛成!」


俺たちはパーティ登録をして、薬草取りに出かけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ