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第14話 入学手続き

邪竜戦で反省したことは、やはり、口も何かしらで覆っておきたいということだ。

でも、口の部分は開けていないとブレスをはいたときにこっちにも被害が出る。


そこで、布で覆っておくことにする。

たしかに刃に対してなにもできないが、あのブレスを武器で防ぐまでの時間稼ぎにはなる。

布を口のあたりから巻き、自然にしている状態では口を隠すようにして、後ろにヒラヒラさせる。


こっちの方がカッコいいとおもう。俺がやってたゲームではこんなのがかっこよかった。

もう9年以上前の記憶だからよく覚えてないけども。

オリガとまた考えよう。


「すみませーん!テルでーす!」


オリガの家の前で叫ぶ。


「おはようございます!今日は早いですね?

鎧のデザインですか?」


「うん!防具の案が欲しいなって思ってさ!」


「あの時のやつでもかっこよかったですよ?」


「あれは少し欠陥があったじゃん?口を覆ってなかったっていうさ。」


「口も覆えばいいじゃないですか。」


「いや、覆っちゃうと俺がブレスはけなくなるじゃん?」


「テルさん、あなた本当に人族ですか?

ブレスはく人族なんて聞いたことないです。」


「何言ってんだ!人族だよ!それに、ブレスってあれだ。前にお前に教えた必殺技あっただろ?あれと同じ原理でやってるやつ!

オリジナル魔法だよ!」


「なんだ、そういうことでしたか。というか、もうそれは口を守るのはやめるしかないんじゃ?」


「いや、俺は布で覆えばいいかなって。ブレス吐く時だけ手で外せばいいじゃん?」


さっき考えていた鎧を装備する。


「ああ、だから、それに合うデザインを考えたいと。」


「そゆこと!」


真剣に考えてくれた。最終的に、黒よりの灰色の細身な鎧に、首に深い赤色の布を巻いて、腰のあたりにも布を巻き、兜?なんて言うのかわからないけど、2本の角を連想するように少し出っ張らせて、なんかそれっぽい感じにした。


「なんかええ感じになったんちゃうん!?」


「そうですね。まだテルさんは背が小さいですから、なんだか迫力がたらない気がしますが。」


「そうだな。まあ、そこは大丈夫だろう!いづれ伸びてくるさ!」


そういえば、前世で筋トレをしすぎると背が伸びにくくなるなんて言われてたっけ?

まぁ、骨格が傷つかなきゃ大丈夫だろ。一応のためにトレーニングの後はヒールしてもらってたし。




休暇が終わり、また訓練しては見回りをした。EPを貯めるために、無償でお婆ちゃんの荷物運び手伝ったり、教会の孤児と遊んだりしていた。

最近は武器強化を優先している。

大剣バリケードはすごく高性能だったからな。

EPが人に感謝されることによってたまるようにしたのは、もしかしたら俺に善行を行わせるためなのかもしれない。

実際、俺は聖者なんかじゃないから、このスキルがなければこんなことしてなかったと思う。


毎日、それの繰り返し。ウォルト村は平和になったし、あれから特に凶暴化の報告は受けない。


が、ついに、俺は王都に行くことになった。

そういえば、この前誕生日を迎えて9歳になった。俺は遅生まれなので、もうすぐ学校に通い始める。つまり、もうすぐで騎士生活も終了。


そして、俺は王都に王への謁見と、入学の手続きをしに行くため、王都に向かっているのだ。

これから3日間、馬車で移動だ。


途中で盗賊が現れた。よくあるあれだ!


「お前ら!金目の物と食料、全部置いていきな!」


この前オリガに教えてもらったファイアボールで撃退しよう。


「fire ball!」


発音良くファイアボールを放つ!

アーイムウィザー○ーード!(パクリ)


一発ずつしか撃てないって、相当不便だな。いっぱい撃てるようになろう。


馬車の中で、またイメージの元を考える。

もちろん、やってたゲームにそういう魔法がなかったかを考えるのだ。


結果。

あった。


馬車から降りたらやってみよう。

そういえば、俺は火属性に特化させてるけど、雷属性の方が汎用性が高そうだなって思う。

密閉空間で使っても安全だし、森の中で使っても燃え移らない。

氷属性なんかもかっこいいなと思う。

色々使えるようになっとこう。





ようやく、王都に着いた。まずは、王への謁見だ。

平民が謁見できるなんて、幸せ者だ。

この世界の住民ならそう思うだろう。

しかし、俺はあんまり王様のことを尊敬しているわけではないので、なんとも思ってない。



おおお!すげえ!でかい!

白い壁と、赤い屋根。

城と言われて思い浮かぶ姿として、王道な大きな城がそびえ立っている。

それに、王都はびっくりするほど広く、建物が所狭しと並んでいる。

それに、だいぶ高い建物が多い。

途中で見かけた宿屋なんか6階くらいあった。


城で謁見の準備ができるのを待っていると、執事らしきおじいさんがやってきた。


「謁見の準備が整いましたので、ご用意してください。」


「はい。大丈夫です。」


「では、いきましょうか。」


赤い絨毯、白くて広く、長い部屋。

そして、横にズラっと並ぶ騎士。

あ。兜被ってるやん。


「よくぞ来てくれた。テルよ。

そなたは、ウォルトの村での魔物の討伐に貢献し、そして、邪竜までも被害無しで撃退してみせた。小さな村とはいえ、そなたの活躍なしでは、多大なる被害をこうむっていたことだろう。

我が国は、そなたの活躍を高く評価し、

そなたに名誉と白金貨5枚を与える。」


「ハッ、ありがたき幸せ。」


「では、2日後に授与式をする。」


「王よ、発言よろしいですか?」


「む?話してみよ」


「まだ私は学校に通っておらず、村ではイジメを受けていたため、友達がいません。

そんな中で授与され、英雄ということを知られれば、学校で怖がられるかもしれません。よろしければ、大々的に公表しないでいただきたいのです。」


「なるほどな。では、今ここで授与しよう。テルよ、前へ。」


「テルよ、そなたは、邪竜の襲撃から村を守り、王都が攻められる可能性をなくした。

これを評して、我が国はそなたに英雄の称号を与える。」




ふう、よかった。あまり大事にならずに済んだ。そして、俺は英雄の称号を手に入れた。

このバッジがその証だ。


このバッジがあれば、俺はきっとエマの冒険についていける。かも?




ふぅ、ようやく学校に着いた。

さて、入学の手続きをしよう。

この学校は、アウルハーム唯一の学校である。もはや一つの都市とすら言えるほどの広さで、全ての国民がここで教育をほぼ無償で受けることができる。ただ、問題を起こすと、それは自己負担である。

わかりやすく言えば、学校で窓ガラスを破れば、修理費はその生徒が払わなければならない。

また、この学校の授業は午前中に終わる。

午後は、お金のある貴族は遊んだり勉強し、金のない平民は働くのだ。

その中でも、人気な仕事場が、冒険者ギルドである。

冒険者ギルドには、沢山の有名な人が所属している。

世界各地にギルドが置かれていて、さまざまな情報が行き来している。

そこに、村人や貴族、王族までもが依頼して、それを冒険者と呼ばれる人々が依頼を達成し、報酬の一部を手に入れる。

俺もそこに登録する予定だ。


名前、親の名前、身分、今の住所を書く。

そして、校章と制服と、試験番号と、試験の説明書、寮の鍵をもらう。


この学校では、入学試験がある。義務教育なので、全員入ることができるのだが、強い人は優遇されるのだ。

その最初の判断基準として、入学試験をする。

試験の結果によって、クラスが分けられ、住む寮も決められる。別に、強い人の寮が綺麗で、弱い人の寮が汚いなんてことはない。しかし、周りの人からの見られ方が決まる。

それに、クラスによって学習スピードも変わる。クラスが上になれば、さまざまな職業を選べ、クラスが下になれば、職業はほとんど選べない。なぜなら、学力に見合わない職業を選ばせてしまうと、問題を起こしかねないからだ。


ここでいう職業とは、俺の騎士とかそういう話ではない。無職の方のことだ。

職業を選ぶと、ステータスの伸びが良くなりやすく、上級職にならなければ覚えられないスキルも多い。

学園に入るとすぐにやることは、職業を選ぶことだ。そこで、学校が試験結果からその生徒が選ぶべき職業を生徒に紹介する。


ちなみに、俺は無職なのに色々できるのは、職業に関係ない魔法やスキルも多いからである。


「入学試験の日は、絶対に遅れないようにしてください。

また、今日から寮も使えます。家が遠かったりする場合は、寮を利用することをお勧めします。」


あと7日後に試験がある。俺は全く勉強したりしていない。まぁ、最初のテストは学力テストなんてないからね。学力テストがあれば、完全に身分によって差が生まれてしまうからだ。だから、最初は面接と初級魔法の出来で成績が出される。


俺は往復で6日かかる距離に住んでいるので、寮を使わせてもらうフリをすることにする。

部屋の中で転移をつかって、家に帰って、、、あとはのんびりしようかな。

鎧はご想像にお任せします。

僕も全然想像できてません(笑)

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