プロローグ1
魔王は悩んでいた。
「おい、ダズールよ。現在の状況を教えろ。」
眼鏡をかけたダークエルフ(男)は、報告書類を読み上げた。
「えっと~この書類によると、現在の我が戦力は、最盛期の3分の1。42人いた大将は8人に減ってしまっています。」
「それは3分の1どころではないな。」
魔王は眉間に指をあてている。
「どの道だ。このまま、アズラエル帝国やトランスル王国が同盟を結んだまま侵攻したら、更に戦力が減る。どうしたものか・・・」
「どうやら、同盟を吹き込んだやつがいるそうです。そいつを叩けば。」
「それはもう遅い。叩いたところで同盟が解消されない。」
「それならば、どうすれば・・・」
2人で話していても、ラチが明かない。
それは8人集まっても打開策は、決まらなかった。
魔王は最終手段を模索していた。戦略参謀の召喚・・・。魔王となれば、最大MPを払うことにより異世界から召喚をすることができる。しかし最大MPを回復するには、約1年必要となる。自分の守りが無防備になるのは最大のリスクでもある。
「しかし、私も含め残りはバカばっかだからな。しょうがないか。」
魔王は儀式場へ赴く。儀式場は魔王上の地下7階の最下層に存在する。
最下層は普段は魔王ですらいかない場所である。誰かが自分を生み出すためだけに存在する。
まあ自分が生み出せるなら、参謀を生み出すこともできる。
生み出すとはレベル1からなので、今現状を考慮すると無駄である。なので召喚になる。
魔王は儀式場に着き、早速詠唱する。
「我、必要となりて外部より我が思う人を召喚セリ。タンタン○○」
この詠唱を正確に教えてしまうと、召喚術が横行するので省略する。
闇が多い、光がなくなった時に一人の足音が聞こえる。
そこから、人影が大きくなる。