65灯 過去形の助詞
<TOKISDEO・RADIO>
「どうも、私、TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:ヤクの昔話が始まる!
A2:クソ雑魚底辺作家50日連続投稿期間中
[キーンコーンカーンコーン]
とある小学校に鳴り響くは聞き慣れたチャイム。
眠たい身体を起こし、勤勉へ移る体勢へと無理矢理に変える恐ろしい音だ。
通称、朝のチャイム。
教師のどうでもいい諸連絡の後、地獄の時間が始まるのだ。
「さー、今日は皆にいい知らせがある。」
「「「「「わー」」」」」
ーーパチンッ!
騒ぎ立てる教室の生徒らを大きな手拍子で止めのは言うまでもなく教師だ。
「こら、先生は騒いでと言ってませんよ?」
「…………」
「……うむ、理解の早い生徒達で助かる。
なんと今日は女の子の転校生が来まぁあす!」
男子らよ、わかるぞその叫びたい気持ち。
来る聖戦に備え各々の聖剣は鞘に納めて待ちわびろ。
ーーガラガラガラ
来た。
この音は間違いなく教室の扉が開く音だ。
教室に入ってきた美少女は足りない背で一生懸命黒板に名を刻む。可愛い。ヤバイ、一目惚れだ。
チョークは心地よい音を立てて削れ、その使命を全うする。
あえて小さいチョークを使うのは何故だろうか。
使いきりたいからだよな。
ってん? この名前どっかで見覚えあるぞ。
あれー、なんで思い出せないんだ。
「ーー見ろ、これが俺の名前。」
「こら、ちゃんと自己紹介しなさい!」
「ちぇっ! 先公の分際で俺に指図すんじゃねえ!
……しゃあーねぇなぁ! 一回だけだぞよーく覚えとけ!」
イキナリ可愛い見た目とは相反した態度の不良美少女が教卓に飛び乗り胡座をする。
女の子という自覚はあるのだろうか。
生徒らも彼女の奇行に追い付けずただ押し黙るばかりだ。
「俺の名は『太陽寺・光』。よろしくぅ!
そして……」
光ってまさか……!
そんな思考を遮るように俺は何かに潰される。
「ーーふぐっふぐ!」
目を見開くとあの不良少女がイスと共に俺を押し倒していた。
なんというラッキーs……ごほんごほんっ!
俺は彼女の為にも速急に拘束から脱する。
「ーー誰かは知らんが、イキナリこんな行為はするもんじゃない。可愛さがもったいないぞ!」
何故かはわからんが俺の言葉に睨みを返し、首襟を掴みあげる。
「……おい、てめぇヤク。本当に忘れたッつーのかよ。6年前の楽しい日々の事も全部忘れたのかよ!
俺はあの日を取り戻すためにここまで来たッつーのによぉおおおお!」
あ、ヤバい。
いくら不良だからって女の子を泣かせちまうとは。
俺としたことが失敬。いや、何処に怒る要素あった?
ヤバいよヤバいよ、教室中からの冷たい目線が身体中に刺さってくるー!




