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キタマジ!?~帰宅部LV99が異世界から帰宅するってマジ!?~  作者: たかしクランベリー/TOKISDEO公式
一章~メスカル帝国編~
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53灯 夢の中の受動形

<TOKISDEO・RADIO>


「どうも、私TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。

 今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」


A1:物語は会長の過去の夢の中へ……


A2:クソ雑魚底辺作家50日連続投稿期間中

まだ会長の夢は続く。


あの会話を母さんとしてから一週間後、お父さんが家に帰ることは無かった。


でも、寂しくはなかった。

ヤク君、ヒカリちゃんが明るく接して気をまぎらわせてくれたから。


あと、新しい友達が出来た。

女の子みたいな容姿をしてるけど男の子だ。

名前はカエデ。とても面白いお友だち。


カエデ君はは私にやけに世話を焼いてくれる。

友達だから世話を焼くのは当然だと言うけど、ヤク君やヒカリちゃんより積極的だ。


拙者……いや、私の事が好きなのかな。 

 

気になったのである日カエデ君に聞いてみた。


「ねぇ? カエデ君は私の事が好きなの?」


「好きだ。」


その好きという言葉には恋愛感情が含まれていない気がした。


***


そんなもやもやを抱えて帰宅した私は、お父さんの行方について母さんに聞いてみる。

あの答えを知るために。


「ねぇ? 結局お父さんは私の事を愛してるの?」


「愛してるわよ、母親の私より何倍も。

 それはもう比べ物にならないくらい。」


「母さんは?」


「嫌われた、こんな事本当はやるべきじゃなかった。

 素直に聞けばそれで終わっていたのにね。

 もうこれは許されないんだろうな。

 あーあ、私って本当にバカな母親。」


「母さん……」


母さんの声は震えていた。

ポツポツと落ちる涙の音が床から微かに聞こえた。


「……でもね、お父さんはいつもそばで貴方を見守っているわ。」


「お父さんは死んだの?」


「死んだと言えば死んだ。

 死んでないといったら死んでない。その両方よ。」


「さ! こんな暗い話は終わりにしましょう!

 明日はナミ、貴方の誕生日なんだから!

 お友だちを誘ってわいわいしましょ!」


「うん!」


急に話を変える母さんに少し驚きつつも私は明日の誕生日パーティーに気持ちを切り替えた。


その翌日の放課後。

私は誕生日の祝いにカエデ君を誘う。


「ヤク君もヒカリちゃんも私の誕生日パーティー来るんだって! どう? カエデ君も来る?」


「嫌だ。」


「何で? ケーキは美味しいよ?」


「嫌だ。」


「私の事が嫌いなの?」


「ナミの事は好きだ、だが、これとそれは別だ。」


「もしかして、私のお母さん?」


「あぁそうだよ! わかったんならこの話はヤメだ!」


カエデ君は珍しく怒っていた。

でも、いつもの怒りより深い怒り。


私はその時、カエデ君の弱みを握った気がした。


私は未だにその理由を知らないまま、夢から覚めた。



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