45灯 ☆絶対裏切りヌルヌル☆
<TOKISDEO・RADIO>
「どうも、私、TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじをしていきましょう。」
A1:ギルドカードの説明したった!
A2:クソ雑魚底辺作家50日連続投稿期間中
予想通り、シャム兄が話したことはギルドカードの仕組みだった。
だが前回、俺が説明したのでこの話は割愛しよう。
「……というわけで、お前らのギルドカード見せてくんね?」
シャム兄のお願いに対する俺らの答えは。
「「「「NO!」」」」
「何でよ! 俺の期待を裏切らないでくれよ。
お母さん! コンクリート買うから! お金頂戴!」
何でよと言われましても、こんな桁違いな強さ見せられてまともに冒険家職業してない俺らとは比べるまでもない。
それが俺らの共通意識だ。
てか、冒険家職業にとっては買う需要もないコンクリートに投資するほど俺達は馬鹿じゃないし、妹をお母さん呼ばわりするのやめろ。
ま、それなりに強くなったら今度みせるつもりだけどな。今はその時じゃない。
話は変わるが、俺、実はシャム兄の武勇伝には興味があったりする。
まだ時間はあるみたいだし聞いてみるか。
「シャム兄、俺に会うためにどれくらい冒険したんだ?」
「鍵界の半分!」
え? マジかよ。
矢夢姉は現実ではTOKISDEOの社長と双璧をなすゲーム実況者と聞いたことがあるがこれは嘘ではなかったんだな。
「そうそう、聞いてくれよ。俺の武勇伝!」
俺の質問をきっかけにシャム兄の武勇伝が始まる。
話に引き込まれ過ぎたのか気が付けば時計は消灯時刻まで回っており、ブラックの指示により話は半ば強制的に終了させられる。
そんなかんやでブラックに与えられた自室のベットで布団の温もりを満喫してる俺は今日のシャム兄の話で気になったワードを引き出す。
シャム兄が対峙したバグノシュタルトという組織の存在。
シャム兄曰くシナムリアギャングよりも凶悪で巨大な組織らしい。
『バグ』という謎の力で圧倒され、逃げの一手しかなかった。
と、シャム兄は悔しそうに語ってた。
バグという言葉に違和感を覚えつつ、俺はそのまま眠りについた。
***
ちゅんちゅんと聞こえる小鳥の鳴き声と共に瞼を薄く開くと。
現実の俺の部屋でもない、ブラックが用意してくれた俺の部屋でもない。
見たことのない部屋と俺の下半身が俺に挨拶してくれた。
ん、この感覚久しぶりだな。
この下半身になんか付いてる感覚、胸が軽い感覚。
正確にいうと矢夢姉の夢ぶりだ。
俺はカーテンから注がれる日光の線を掴むように手を伸ばす。
手と腕を見て分かったことがある。
これは女の子の華奢で肌白く艶やかな腕でも現実の俺の腕でもない。
だってやけにムキムキしてんだもん。
俺はすぐさまベットから立ち上がってこの部屋に設置された大きな一枚鏡から自分の今の姿を確認する。
鏡に映るのはタンクトップパン一のガタイのいい男だ。
そこに映る恐怖をそそられるドクロ仮面が今の俺の現状を教えてくれる。
どうやら俺はサンライトと入れ替わっていしまったようだ。




