41灯 笑いに染まる教室
<TOKISDEO・RADIO>
「どうも、私TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:自己紹介回!
A2:クソ雑魚底辺作家50日連続投稿期間中
黒板にカリカリとチョークを走らせる教師は頭をダルそうに掻いて口を開く。
「えーと、今回は体験入学生徒の為に『鍵界史』の授業の基礎的な部分を復習していきまーす。
っつーわけで、タナーカ号令よろ。」
教師に名指しされたタナーカという男子生徒は誰よりも早く席から起立して生徒らにも起立の指示をする。
「起立、気を付け! 礼!」
「「「お願いします!」」」
あー、きたよ学校恒例の号令。
これを聞くたびに帰宅衝動にかられる俺は立派な帰宅部だと改めて自覚し直すぜ。
教師の方も生徒らの出席確認が終わったところで教卓から再度立ち上がる。
そして、黒板に走らせたるは教師のお得意武器、通称チョークだ。
一通り黒板書きを終えた所で教師の口が開く。
「……さて、この世界には不思議なモノが3つあります。
折角なので体験入学生徒に聞いてみましょう。
では、答えて下さい。ニャーホワさん。」
ふっ、俺をなめすぎだぜ。
某小説投稿サイトの異世界系はかなり読み漁ってるんだぜ。
「魔素、魔法、魔術!」
どやぁ! と俺は顔を上にあげて決める。
……ってなに皆揃ってプルプル震えてんの?
「「「あーはっはっははは!」」」
瞬間、教室は笑いに染まる。
一体何が面白いか分からないが腹を抱えながらも辛うじて口を開く教師。
「ニャーホワさん、そのどや顔で冗談はよしてくださいよ。おかげで目が覚めてしまったじゃないですか。」
覚めてくれた方が生徒としては嬉しいのだが。
「一体何が冗談なんですか?」
「『魔素』そのものの存在ですよ!
では、タナーカ君。
ボケてるニャーホワさんの代わりに答えなさい。」
「分かりました。」
タナーカは教師の指示で起立し、眼鏡をクイっと小指で整えてから俺の代弁をする。
「灯素、灯素石、灯術です。」
「正解だ、タナーカ。
ってかこんな一般常識答えられないわけないよな。」
すまない、こっちの世界の常識と現実世界の常識は別物なんだよ。
灯素ってなんだよ、魔素と同じようなもんだろ。
「じゃあ何で『魔法』という概念があるんですか?」
くっ、カエデ。ナイスフォローだ!
教師は賞賛の拍手を送ってカエデの問いに答える。
「ほう、実に良い質問だ。
ここの生徒らにもまだそれを問われた事は一度もない。
今回はそこも踏まえて灯素の復習といこうか。」
そして教師は黒板にカッカと音をたてるのであった。