40灯 異世界体験入学
<TOKISDEO・RADIO>
「どうも、私TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:ミルノ・クランベリーの登場
A2:クソ雑魚底辺作家50日連続投稿期間中
[クリーンコーンクラーンコーン]
メスカル帝国にある、とある学園。
通称クラコロン学園は奇妙なチャイムをあげる。
俺達はクランコロン学園のとある教室の黒板前で立ち並んでいた。
チャイムの終了に合わせて教卓から重い腰をあげるベテラン風な教師は並ぶ俺達をチラ見して生徒らの方へと目を向ける。
「えーと、今回は《月女帝》の指示でしばらくこの学園でお世話になる……
いわゆる、体験入学生徒達です。
左から順に彼らが自己紹介するのでよく聞くように……ふぁーあ。」
ベテラン風な教師は面倒臭そうにヘラヘラと生徒らに伝えてダラダラと教卓に座り直す。
最後に至っては欠伸をかましている。
教師のせいで中々やる気が起きないがいいえという選択肢はなさそうなので取り敢えず自己紹介しますか。
てか、何で俺が最初なんだよ。
ま、いっか。
「ウッドマ連邦から来ました、聖獣族白猫科のヤク・M・ニャーホワです。よろしくお願いします。」
俺は無難に自己紹介をして頭を下げる。名前の間にあるMの字は月女帝の家族になった証だ。
「「「うぉおおおおお!」」」
俺がちょうど頭をあげた瞬間に教室中に男らの雄叫びがこだまする。
「よっしゃー! 転校生じゃないけど超絶美少女が入学したぜー、ラッキー!」
「今夜のオカズはヤクちゃん一択ですね。」
「これはもう放課後、告るしかねぇ!」
「「「ぉおおおお!」」」
どうやら男子生徒の評判は良さそうだな俺。
気のせいか男子生徒らの歓喜に紛れて女子の殺意の視線と愛の視線を複数浴びてる感じがする。
……今日は放課後の帰宅に支障が出そうだ。
「僕はカエデ・イーグニルシェ、
嵐鳥族カラス科です。」
カエデは素っ気なく紹介を終わらす。
「ピンクツインテロリとか俺特なんですけどー!」
「あぁ、二人揃って美少女とか最高かよ!」
「今日は良い紅茶が飲めそうだ。」
「俺達のロリコン魂は最強なり!」
「「「ぉおおおおお!」」」
カエデは俺の予想通り、ロリコン紳士らのターゲットになりそうだ。
「拙者は蒼海族ヒトデ科のカイチョウ・フィン・トンルンデで候。
よろしくで候。」
カイチョウは俺やカエデと違って特に盛り上がることなくすんなりと自己紹介が終わる。
「俺はサンライト・インクルヴァッシ、夜豪族インキュバス科だ、よろしくなお前ら。」
サンライトはいつにもまして上から目線だ。
だが、誰もその事については口を出さない。
中にはガクガクと胴震いする生徒だって複数いる。
わかるぞその気持ち。
このドクロ仮面にあの2mムキムキボディは反則級に怖い、声も見た目と見事にマッチングしてホラー映画に出てきそうなラスボスの風貌を醸し出している。
これに初見でビビらずにいられるだろうか?
俺はNOだ。
教師は一通り自己紹介が終わった後、俺達に用意された空席に座るよう指示するのであった。




