38灯 帰還
<TOKISDEO・RADIO>
「どうも、私TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:☆KONYOKU☆(※混浴の風呂回)
A2:クソ雑魚底辺作家50日連続投稿期間中
パチパチと痺れる瞳の感覚に従うままに目を覚ますと、現実世界の自室が久々に俺を迎える。
おお! この感覚。久しい。
毎朝、男の体のみに来るこの感覚。
何故だろう? 無駄に感動する。
てか、ドアをノックする音があまりにもしつこい。
親父め、俺がいったい何をしたってんだ。
俺は再度眠りにつきそうな身体を起こして立ち上がる。
瞬間、ゴトッ! という音が床に鈍く響く。
ベットの下になんか転がり落ちたようだ。
気になってベット下を覗いてみるとTOKISDEO専用VRギアが朝の挨拶を誰よりも早く伝えてくれる。
おいおい、閉じ込められたと思って脱出計画立てたそばからログアウト成功とか冗談じゃねぇぜ。
そんな愚痴を心で吐き捨てながらノック音がしつこいドアを開く。
「親父、しつこ……」
「やっきゅゅううん!」
「――ぐふぉ!?」
ドアを開いた瞬間に面倒な姉の飛び抱きつきが俺にヒット。
そのままベットにぶっ飛んで姉に拘束される。
「矢夢姉! 急に飛び付かないでくれ!」
「だって~、久々に会えて嬉しいんだもーん!」
面倒なブラコンさんなのは昔から変わっちゃいないな。
「何、そのやれやれみたいな顔。
あーそうか、抱きつかれるなら太陽寺ちゃんがいいのかな?」
「エスパーか!?」
「どう、私が全力で女子力を鍛え上げた太陽寺ちゃんは?」
「はい! バッチリ!」
「よかった、喜んで貰えて。
姉ちゃん、頑張った甲斐があるわ! これが女子力特訓部部長の実力よ!」
「うん、分かったから離れてくれ。」
そう、俺は姉の物理的拘束から逃れることは出来ない。
なんせ《うね離脱》を生み出させたのは矢夢姉である。
だが、うね離脱を繰り返すうちその種をバレてしまった。
つまり、矢夢姉に対してこの技が成功することはほとんどない。
矢夢姉は普段は大学の僚に居るが休日になるとこうやって毎週のように遊びに来るのだ。
「ねぇ、今日は太陽がぽかぽかして暖かいね。
一緒にこのベッドで二度寝しちゃおうよ。」
と、俺の部屋に来る度言ってくるがこの甘い誘いに乗ってはいけない。
一度だけこの誘いに乗ったことがある。
結果、親父に見つかって半殺しされました。
「じゃあ、ギューってしていい?」
「そしたら離れるのか?」
「うん☆」
「じゃ、いくよ。
……ぎゅうううううう!」
痛い痛い痛い!
「――ハッ!」
俺は強く締め付けられる衝撃で遂に夢から覚める。
ここは、ブラックの豪邸だ。
そうか、あれは夢か。
俺は仰向けの姿勢で起きた。
今の俺に、朝に訪れる男特有の感覚はない。
……ただいま、俺の女体。
ふと自分の首を下に動かして身体確認すると見覚えのない二本の手が俺の胸を鷲掴みにしている。
あと、柔らかみのある二つの何かが俺の背を押している。
気になって後ろを振り向くと……




