35灯 拠点確保
<TOKISDEO・RADIO>
「どうも、私TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:☆UTAGE☆(※宴)
A2:クソ雑魚底辺作家50日連続投稿期間中
俺を祝う宴は順調に盛り上がり、今後の俺達の事について色々と話された。
まず、俺達はブラックの豪邸で居候する許可を得たこと。
次は近いうちにメスカル帝国附属の学院に体験入学するということ。
どれも魅力的で充実した内容だったので一瞬現実世界から目を背けてしまったのは言うまでもない。
そして、今宵の宴は盛り上がりの余韻を残したまま終わり。
今の俺達はブラックの豪邸。
通称『クログロ邸』にて身体を休ませている。
「お茶どうぞ。」
ブラックは疲れを察してくれたのか席へぐったりと座る俺達に茶菓子とお茶をテーブルへ置いてくる。
「あんがとよ、ブラック。」
「どういたしましてサンライトさん♪」
「居候させたくらいで調子のって勘違いすんなよ。 俺はお前を許さねぇ……次は無いと思え。」
サンライトは感謝とは真逆の言葉を吐き捨てながらブラックの用意した茶菓子を貪る。
「さて、話は変わるがヤク。」
「なっ! 何かなサンライト君?」
急に俺の名を呼ぶな。驚いてしまったではないか。
「俺ぁ、死に際になって走馬灯と言うやつを見た。」
「「なになに!」」
あらあら、カエデも会長も興味津々かよ。
ま、俺もだかな。
「ヤクに言われたんだよ『お前が好き』だって。
なぁ? あれは俺が異性として……」
「――あ、あれは友としてね! ね!
べ、別にそうゆうのじゃないからね! 勘違いしないでよねっ!」
やべぇ、俺としたことがラブコメツンデレのお決まり台詞みたいなこと言っちまった。
「あっれー? ヤクー顔赤いよぉ?」
「カエデ、マジか?」
「カエデの冗談は気にするなで候。」
なんだ冗談か、なんか顔が暑いのも気のせいだよな。
カエデめ、会長が今ここに居なかったら真に受けてたぜ。
「全く、騒がしい居候共ですね。
HAHAHA……」
「「「ーーブラックは黙ってろ!!」」」
途端、ブラックがガックリと肩を落として去っていく。
完全にその場からブラックが退場したことを確認した会長は再びテーブルに座って口を開く。
「さて、次は拙者が話していいで候か?」
口調はふざけているようにしか聞こえないが声色で分かる、これは真剣な話だ。
ふとカエデとサンライトに目を向けると二人ともコクりと頷いている。
俺も便乗するように頷いたところで会長は再度口を開く。
「おし、では話そう。
皆の者は宴気分が継続して忘れがちだが目を背けてはならぬで候。
このゲームの世界、いや『確かに存在する異世界』に我々人間が閉じ込められたという事実を。」




