34灯 第二の侵入者
<TOKISDEO・RADIO>
「どうも、私TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:メスカル帝国王宮内にて妹誕生記念の宴が宣告される!
A2:クソ雑魚底辺作家50日連続投稿期間中
宴の宣告がされ、ウカウカとしていた矢先。
「やっきゅーーーん!!!!」
「ーーぐふぉあっ!」
後ろから何か抱き付いてきたんですけど。
俺のことをやっきゅんと呼ぶのはアイツしかいないな。
はぁ、なにやってんだこんなめでたい時に。
俺はうね離脱で拘束から脱する。
俺から逃げられたplayerは満足気な顔をしている。
「この技、やっぱりやっきゅんだぁ♡ もうこんなに可愛い妹になるなんて思いもしなかった!」
急に侵入して俺にハグをかました謎playerにカーテル姉が横入りする。
「お主を招待した覚えはない、妾の妹に馴れ馴れしくするな、帰れ!」
「はぁ? やっきゅんは俺の妹だっつーの!」
「ちょっ! 矢夢姉、紛らわしくなるからやめて!」
「何! そなたがヤクの姉だと?
どう見ても男ではないか!」
あー、これだから……もう手遅れじゃねえか。
矢夢姉が今男なのはサンライトと会長同様TSOの仕様なんだよ。
でも、それを説明しても信じてくれる訳ねえし……。
「そう! 今の俺は男! すっかり忘れてたぜ! アッアッアッ!」
矢夢姉は顔を上に向けながら奇妙な笑いをあげてその場を誤魔化す。
「やっきゅん、俺の事を親しみを込めてシャム兄と呼んでくれないか?」
くっ! ナイスフォロー!
「そうでしたね! シャム兄! あはは……」
「なんだ、ヤクの兄だったのか!」
「その通りさ、アッアッア……」
「――《睦月》」
矢夢姉はカーテル姉に静かなはっけいを受けて倒れ伏す。
「シャム兄ィイイイ!」
「すまんな、ヤク。
家族はこれ以上いらない」
「いやね、それは君の甘えなんじゃないかな?」
矢夢姉の声がする方へと顔を向けると予想通り何もなかったかのようにテーブルに用意されたアイスティーを啜っている。
そして、あろうことかシャム兄は誰よりも早く飯にありつく、カーテル姉の許可なしで。
「じゃあ妾が殴ったのは……?」
倒れ伏した人物を改めて見直すと見覚えのある黒肌ムキムキスキンヘッドのピンクリボンマンが目をグルグルとさせている。
うん、ブラックざまぁ。
「成る程、変化の灯素石か。
中々やるなお主、妾の甘えかもしれんが天へ召されてくれぬかの?」
「アッアッアッ、おいそれってYO!
甘えじゃなくね☆アッアッアッ!」
「お主と話してると頭痛くなるな。
もういい勝手にしてよいぞ。」
「あざ~す☆」
「それでは皆さんご一緒に……」
シャム兄は両手を広げて食事の挨拶を促す。
サンライトやカエデ、会長も掌同士をぴったりとくっつけて俺を待機している。
俺は目の前のディナーに目を光らせながら座席へつく。
そして俺とシャム兄が手を叩く音と同時に恒例であるその挨拶は始まった。
「「「「いただきます!」」」」