28灯 盾がなくとも
<TOKISDEO・RADIO>
「どうも、私TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:グローヴンvsサンライト
A2:クソ雑魚底辺作家連続投稿期間中
サンライトが気絶に追いやられる中、第一フロアでは。
なんだこれ?
盾が無くても強すぎるで候!
あの盾はお飾りなのか? と思えてしまうほどに騎士様の剣術が上手い。
二人一組の攻めも軽く刃に弾かれて相手の斬撃が頬をかすめる。
「どうした最初の勢いは?」
くくくとゲスな笑いを含みながら挑発気味に問い掛けてくる時点でまだ相手の方に余裕があると窺える。
この攻めを長い間続けているがまるで効果を感じない、こちらのスタミナが減ってくだけで敵は息すら上がっていない。
むしろ一定の呼吸を保ちつつ冷静に攻撃をいなして対処している。
しかも最小限の動きで。
デンキの指示に合わせて攻めの仕方を所々変えつつワンパターン攻撃を極力避けている筈なのに、意表を突くような攻撃をしているのに。
それさえも《如月》という技により先読みされてことごとくかわされる。
「下らん、この私がすぐにでも終わらせてくれよう。」
「やってみろ!」
デンキは威勢よく挑発してバックステップで距離をとる。
拙者も続いて下がる。
騎士は拙者らにつられるように足を一つ一つ踏みしめて近付く。
その音はさながら死の警告。
だが、デンキは怯む素振りすら見せずにカウントダウンを冷静に数える。
拙者らの死のカウントダウンで候かな?
「0ッ!」
「死――ッ!?」
騎士の立っていた床は瞬時に光の粒子とかして消滅、そして現れたのはあの時の大穴。
騎士は訳がわからないまま重力に従い自由落下運動をはじめる。
「へっ、バーカ。奈落の底に落ちやがれクソ髭ジジイ」
デンキは勝ち誇った表情で穴を見下す。
「デンキ、もしかしてこれって?」
「おうチョンマゲ野郎分かったか?
そう! 変化の灯素石で床に擬態したトランポリンの灯素石だ。
そしてさっきのカウントダウンは俺達敗北のカウントダウンじゃねぇ。
勝利のカウントダウンさ!」
デンキは高らかに笑い両手を広げ顔を上に向ける。
つまり、トランポリンのルーン持続時間限界ギリギリまで相手に気づかせず一気に落とすといういやらしい戦法ですねわかります。
「ん? なんか穴の下から空を踏む足音が聞こえるで候。」
って、まじで候か? 空中歩行してンのチート過ぎね?
額から冷や汗が滴るのが感じるで候。
「知ってらぁ。だがもう、俺達の勝ちだ。」
「俺達の勝ちだって? 笑わせるな!
随分となめたまねしてくれたなぁデンキ。
無駄だ、和月術の《誘天》がある限り私が落下死する事はない。諦めろ。」
あ、もうこっちが空中から見下ろされる立場になったで候。
老騎士は目を赤く光らせて剣の矛先を拙者らに向けるのであった。




