16灯 煎餅で恩返し
~イムティール帝国市街地駄菓子屋にて~
「無理だ。」
駄菓子屋のオバサンから告げられた残酷な言葉に会長は諦めきれずにいた。
「何でですか? たかが煎餅でしょう?
……分かりました、せめて理由だけでも教えてください。」
***
「なぁ、本当にここに入るのか?」
場所は変わり、俺達一行はでかでかとした洞窟の入り口で立ち止まっていた。
「ヤク、仕方がねぇだろ。
シナムリア蜂蜜はこの迷宮の中にしかねぇんだ。」
***
ーー時は遡り。
オバサンは渋々と枯れるような声で
会長に答える。
「ーーしゃあないのう。
足りないんじゃよ、煎餅に必要な蜂蜜が。」
「待ってください!
蜂蜜なら近くの八百屋ですぐ持ってきますから!」
「シナムリア蜂蜜じゃなきゃあの煎餅を作ることなぞ不可能じゃ。」
オバサンは諦めたように口を開く。
「しっ、シナムリア蜂蜜だとぉ!」
おいおい、何でカエデがそこで驚く。
「ほう、若いお嬢ちゃん。 知っとるのかい?」
「今では『シナムリアギャング』に占領されていて入荷不可能となった話題の蜂蜜!」
「正解じゃ!
という訳でお主らはもう諦めい。」
「「諦めてたまるかよ!」」
すごい、サンライトと会長が初めて息を合わせた。
初酒場の時を振り返ると、なんか新鮮だ!
ーーという事情があって今に至る。
俺達が訪れたのは言うまでもなく、シナムリア蜂蜜が在るとされる地下迷宮『シナムリア』。
カエデによる話だとシナムリアギャングとやらはこの地下迷宮の第一階層から第三階層を占領している。
シナムリアは476階層まであって、階層が深くなるにつれて強力な魔物族が住まうとか。
んで、シナムリア蜂蜜は第三階層の最深部で採取できる特産品。
貴族が躊躇う程の値段でシナムリアギャングが売り出したので駄菓子屋の素材としては出回ることがなくなった。
その物価はサンライトが飲みまくった梅酒の合計金額を遥かに上回っていて現在のシナムリア煎餅は王族、上級貴族や大富豪の三大珍味として重宝されているらしい。
オーナーが赤字を叩いてでも欲しくなる理由も何となく分かる。
『これ』で許しましょうとか言っていたが明らかに対価としては不釣り合いだ。
でも、会長が承諾した以上この契約を断ることはできない。
さて、シナムリアギャング。
どれ程の数かな?
「マップよ開け」
まず知るべきはシナムリアギャングの勢力。
数によっちゃ撤退も考えておこう。
ーープウンッーー
久々にマップウィンドウを眺める。
そのマップに映る真実にヤクは驚愕を溢してしまった。
「……何だよ、これ。」
《作者の呟きコーナー》
いやぁ、待ちにまった○熊2017……じゃなくて!
今回は話数と投稿日が重なる奇跡が起きたので誰かが思っている疑問を勝手に質疑応答するよ!
(※次回からの質問は【感想】から受け付けます。
→下品な言葉、悪口などはスルー致します。)
Q1:小説家になったワケ
A:代名詞に親を○された男、ヴ○○ー先生、高○○先生に憧れて……(やべぇ、自分の性癖バレる。)
Q2:ヤクは女の子、それも美少女の身体になったのに何故アレをシないの? 思春期真っ盛りの男子高校生なら誰でもするハズ……。
A:シてますよ。当然ながらとある事情で本編ではその描写が出来ません。
本編完結次第、いや、気が向いたらR18verにてヤク達が***する番外編を書こうと思います。
Q3:週一で千~二千文字とかマイペース過ぎ。
これから毎日小説投稿しようぜ。
ドゥンドゥンやろうじゃねぇか!
……あと、現話数ストック教えて下さい。
A:すいません、自分そこまで妄想力ないんです。
以前お話した通り130ストックたまれば一気に投稿する予定です。
現時点でのストックは50ですぅ……。
ちなみにストックは【小説家を○こう】というアプリで地道に蓄積しております。
Q4:太陽原=太陽寺でok?
A:すいません、これは自分のミスです。
キャラ紹介は後程修正致します。




