14灯 十神器
~鍛治屋にて~
「わかったらそれでよい。
聖獣のお嬢ちゃん、なんの武器が欲しいんだい?」
そうだ、鍛治屋のオッサンに何の武器作るか説明してねぇな。
「槍をお願いします!」
「はいよ。」
ーーコトンッ
鍛治屋のオッサンは戸棚から怪しい石を出して机においた。
「あの、これなんです?」
「これは槍の灯素石だ。これに触れれば武器が生成される。」
そうか。
じゃ触れてみるしかねぇな。
俺はそっとその石に手を添えた。
すると!
ーーポアーンッ
ルーンは虹色に輝きはじめ、手のひらサイズのオーロラを形成。
その数秒後に武器へと形を変える。
武器をみて、最初に驚いたのは俺ではなく鍛治屋のオッサンだった。
「こっ、これはッ! 十神器!」
十神器、この武器が?
いや、鍛冶屋のオッサンがいうからそうなんだろう。
なんか、神々しいし。
説明書では神が十の感情を顕現させた武器と説明されただけ。
他の情報は一切聞かされていない。
一体、この武器は十神器の何なんだ?
そんな俺の疑問に答えるように鍛治屋は真剣な眼差しで口を開く。
「その名も、【慈愛なる白槍ビャッコ】!
ーーグフォアッ」
鍛治屋は何故か分からんが武器の名を言い捨てて気絶してしまった。
よほど嬉しいのだろう。
***
それから、数分後。
鍛治屋のオッサンは気絶から爆睡へと進化を遂げてだらしなくイビキを披露する。
披露するなら職人技にしろ! と言ってやりたいが殴り起こすのは危険だ。
こんな時、会長はどうするのだろう。
「はぁ、仕方ない。ヤク、カエデ武器屋に寄るぞ。
鍛治屋はお疲れなんだ、休ませてやろう。」
は? 鍛冶屋のオッサンがお疲れ?
何でだ、アイツは武器のルーンを出しただけだそ会長さん?
「確かに、昨日はかなりの忙しさだったろうね。
辺りを見回せばわかる。
昨日の客数はおそらく100人を越えている。」
カエデが言うならそうゆうことだろう。
こんなガタイの良いオッサンがこうもあっさりと眠りにつくなどありえない。
そんな結論を勝手に自分に言い聞かせ。
納得したふりを二人に見せる俺であった。
***
~鹿木酒場にて~
ーーカランカランッ
「いらっしゃい!」
俺達一行は武器を揃えてサンライトが待っていると告げた鹿木酒場へと足を運んだ。
咄嗟、サンライトはオーナーのいらっしゃいの声と同時に慌てて仮面を被る。
どんな表情を浮かべているか気になるけど追及しようとしたら昇天しそうだ、やめとこう。
オーナーは俺らを迎え入れるなりニヤリと不敵に笑い、莫大な金額を表示した電卓を見せつけて一言。
「貴方達、サンライトの知り合いですか?」
この一言で俺達は絶望の淵に追いやられたことに気付く。
ーーって、何やってんだサンライトォォオ!
《作者の呟きコーナー》
今さらだけど、たった2カ月で10話ちょい。
このままのペースで投稿すれば12カ月(1年)で60話。
1200話だと約20年、つまり前回の呟きコーナーを
実現するのには程遠い、と思う読者様、安心してください。
130話たまったら130話まで毎週複数話で投稿しようと思ってます。
この方法を繰り返して投稿すればキタマジ(※この小説のタイトルの略)を上記の計算より早めに完結されられると思います。
……現ストックは36話。ε- (´ー`*)




