144灯 死因は鼻です。
<TOKISDEO •RADIO>
「どうも、獰猛だからまだOC。
どうも私、TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。今回も前回のおさらいあらすじとお知らせしていきましょう。」
A1:ゲームオーバー。
O1:黒鯖リリース間近記念連日投稿祭
O2:『TSO総集編+α』にて
各部の事前予告絶賛(?)公開中!
「ぷっ、ぷふぁふぁふぁふぁあ!!」
その聞き覚えのある声の方へ視線を向けると、
あのウザい犬公が笑い転げていた。
「ヒャド兄笑い過ぎです!
流石にぷれふぃやっはっはに失礼れっしゅ
ふふふふ!」
ニャドも笑い堪えきれてねぇな。
「おい犬共! 鼻で死ぬのがそんなに
面白ぇかァ!?」
「「うん!!」」
「少しは否定しろや!」
「まぁなんだ……お疲れさん。」
労わりの気持ちが全く伝わってこないぞヒャド。
「まだ続けてプレイしてる奴も結構いるなぁ。
prayer A。時間も余ったし他prayerの
プレイ映像でも見るか?」
「頼む。」
「オーケー、じゃ今最も高ポイントなprayerの
映像を見せてやろう。」
ーーぷぅん。
何もない白い空間に突如モニターが現れる。
主人公の姿は『なかった崎』に統一されている。
が、prayer nameは正直に表示されていた!
その名は『スズーキ』! なんだとぉ!?
アイツいつのまに恋愛の極意を体得したぁ!?
周りにNPC美少女が三人集まってるじゃあないか!
だが。
「こいつが高ポイント?
見ろよ犬共、アイツあーやってモブヒロイン
からしかポイントを得られないのか。」
俺は知っている。
メインヒロイン3人は全員容姿が特徴的だから
一目で分かる。
「モブヒロインでしかポイントを得られない奴に
アンタら運営は本戦参加を許すのか? 」
「さっきからなぁに言ってんだprayer A。」
「ーー?」
「あの3人がメインヒロインの真の姿だ。」
「どういう事だぁ!」
俺はスズーキに集まるヒロイン達を一人ずつ
注意深く見直してみる。
小さな一角の生えた子、先端が♠️の尾を持つ子。
水色髪の子。
鬼、サキュバス、雪女。
三人とも容姿的には三つの種族に当てはまる。
ヒャドが言う事が事実ならば。
「じゃあ俺が出会ったヒロイン達は
何者なんだよ……」
「同一キャラさ。多分アレだ、俗に言う
『チート』って奴だ。
よかったな、最近流行りの『チーレム』
を体験できて。」
「お前ら運営はバグをチート呼びするんだな!
あんなに需要の無いハーレムは
二度とやりたくないわ! 畜生めぇ!!」
「そう言うと思っていたよprayer A。」
「ん?」
「これは俺たちの不始末だ。
今回は特例でお前に本戦参加権を与える。」
「ヒャド兄! そんな事したら僕たちは
この仕事をクビに!」
「いいんだ。prayer Aは何も悪くねぇ。」
「……本当に、やるんですね。」
「悔いはない。決めてこいprayer A。」
ヒャドは期待に輝く目と笑顔を見せた。
「どうか、兄の思いを無駄にしないで下さい。」
「あぁ、無駄になんかしねぇ。」
ーー[予選終了:強制ログアウトします]ーー




