135灯 妖怪祭
<TOKISDEO •RADIO>
「どうも、獰猛だから着陸。
どうも私、TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。今回も前回のおさらいあらすじとお知らせしていきましょう。」
A1:飛行機テロ組織撃退!
O1:黒鯖リリース間近記念連日投稿祭
O2:『TSO総集編+α』にて
各部の事前予告絶賛(?)公開中!
アンデット東部国、ピーヤ空港。
「はぁ、一時期はどうなるかとハラハラしたで
候。まさか旅客機ジャックが起きるなんて。
テレビの世界だけだと思ってたで候ゾ。」
「油断大敵、正にこの事だね。」
「カエデぇ、俺ぁいつだって戦う覚悟あるぜ!」
「まぁ皆、無事に着けて良かっな。」
「「「うむ!」」」
「皆様、盛り上がりの所悪いけど行きますよ。」
「早く乗りナ、クログロ邸別荘直行の
リムジン車は待ってくれませんヨ!」
「「「ーーおう!!!」」」
俺たちは、急ぎで車に乗った。
***
車内から見えるのは和風な木造住宅と
現代的なビル群。割合は1:1くらい。
脳内異世界の中世的なイメージがぶち破れた。
飛行機だってあるし、
よく見たら電車だってある。人間界と大差無い。
ーーきゅるるるっ!
急にブレーキがかかる。
いや違う、景色に見惚れてたから自身が
時間を浪費した事に気付かなかっただけか。
「着きましたヨ、ここがクログロ邸別荘。」
設計とか広さとか本家とほぼ同じじゃねーか。
金持ち過ぎないかブラック。
「じゃ皆さん、中も同じような設計なので
各自部屋に散らばって自由ターイムです!
夕飯になったらお呼びしますネ。」
「「「了解!!!」」」
……。
…………。
クログロ邸別荘食堂。夕食タイム。
皆より早めに完食したカエデは箸を置いた。
が、お先に御馳走様して皿を片付け離席すると
思いきや座ったままだ。
「会長、サンライト、ヤク。
僕、部屋に入ってから色々考えてみたんだけど
……妖怪祭、参加したくない。」
「オイオイどうしてだカエデぇ!」
「ちょっと野暮用が出来てね。皆には
悪いけど、僕は参加しない。」
「気にすんな、これは強制イベントじゃない。」
「ヤク! 本当に良いのかよ!」
「考え直せで候!」
「いいんだ。会長、サンライト。」
「話ワ一区切りつきましたカ?」
「ブラック……。」
「皆様、そろそろ風呂でも入って明日の準備を
整えて下さい。祭りは明日、グダグダしてる
場合ではないのです。ささ、ヤクお姉様
私達二人は先に入りましょ♡」
「待て、僕抜きだとヤクが危ない。」
「カエデ!」
「あらあら、女児はステッキでも降って
遊んでたらどうです?」
「ミルノそれはダメだ。俺は三人で入りたい。」
「……ヤクお姉様に免じて今回は許しましょう。
ではでは。」
ミルノとブラックはその場を離脱した。
***
……。
…………。
クログロ邸別荘、カエデの部屋。
カエデは、居なかった。
彼女はこっそりと誰にも気づかれないように、
一人で夜のアンデット東部国の街に紛れた。
街道から続く小道に入れば。
異臭の広がる暗く狭い空間が顔を出す。
「……何だよ、これ。」
そこでカエデは信じられない光景を目にした。




