128灯 鍵界の各宗派
<TOKISDEO •RADIO>
「どうも、獰猛だからいつもよりちょっぴし早い。どうも私、TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。今回も前回のおさらいあらすじとお知らせしていきましょう。」
A1:モブーオの暴走阻止
O1:黒鯖リリース間近記念連日投稿祭
O2:▼『TSO総集編+α』にて公開!
2/2・14:20→キタマジ第二部事前予告(表紙絵付)
2/3・14:30→キタマジ第三部事前予告(表紙絵付)
2/4・14:40→キタマジ第四部事前予告(表紙絵付)
※記号▼は下記の情報を表す。
ーークラーンコローンクラーンコローンクラーンコローンコローンコローン♪
今日も今日とて、変わらぬ奇妙なチャイムが
クランコロン学園の朝を全校生徒に伝える。
ただ、変わった事が一つ。
「今日は、モブーオが欠席。
ま、あの件があるから当然か。」
ベテラン風教師は、何食わぬ顔で
スラスラと出席簿に記入をする。
昨日刺されたばかりなのにピンピンとして
いて、隙あらば寝るんじゃないかと思う目を
している。
なんなんだアイツ。
全員無事で何よりだけどね。
「まー、なんだ。昨日の傷は気にすんなよ
お前ら。俺はこの通り元気だから。
ここの保健医は腕がとても優秀なんだ。
さ、お前らも元気出して授業やってこうぜ。」
「「「はぁ〜〜い。」」」
教師はイマイチ目覚めの悪い生徒らに
飽き飽きとした表情を浮かべつつも、
黒板にチョークを走らせる。
また、鍵界史の授業だ。
「えーと。見て下さい。
鍵界の各宗派は大まかに分けてこの三つです。
境界樹教、たれぞう教、GO教の三つ。」
「おっと、驚くのは早いぞ生徒諸君。」
全くもって驚いてないです先生。
「今日はこの各宗教の現トップを紹介するぞ。」
ーーカカカカッ。
「まず境界樹教の教祖と現司祭の紹介だ。
境界樹教教祖ターベン。
苦食のゴーヤシン・タイダナ。
甘食のシュガーノ・ジヤブレイヴ。
酸食のキリシヨン・クーシェプト。
鍵界一の剣豪であり辛食の
フィーヌン・ヴァルキリアス。
悪食と盗賊王の二つ名を持つ
ゴルスティーク・ヨーウェン。
……おいおい、折角俺が活発に説明してやってんのにうつらうつらしてんじゃねぇよ。」
ーーパンっ!!
「「「ーー!!??」」」
何だ今の耳の奥深くに来る音は!
眠気が一気に覚めたぞ!
「俺だって伊達に長く教師してんだ。
起きるおまじないくらいの一つや二つは
知ってらぁ。」
誇らしげに胸を張っているな。
効果は確かだから反論のしようがない。
「んじゃあ、続きだ。」
「「「ぇぇえええ〜」」」
「まぁまぁ、そんなに喜ばしい気持ちは分かるが
胸にしまっておけ。
本当に面白いのはここからだ。」
一体、生徒らの反応の何を参考にその
偽りの気持ちを汲み取ったんだ。
新手の嫌がらせか?
どう見てもさっきのは嫌ですよの声だろ。
「で、たれぞう教とGO教は境界樹教の布教が
近代になって活発化して信者は衰退。
最早絶滅危惧種みたいになってる存在だ。
それでもなお、強く信仰してる者が居るのも
事実だ。君らが思うより遥かに少ないから
今日はこれを覚えてから帰ってほしい。」
チョークは緩やかに削れながら文字を描く。
「覇金のクジャクリーセこと、GO教の大信者
クジャクリーセ・ウランマルゴ。
鍵警団特務捜査官、たれぞう教の大信者
チネ・ケル・イベラロタス。
ーー以上。ここ、テストに出るので忘れないで下さいね。あら、もうこんな時間ですか。」
「そうだよ、さっさと終われ!」
「「「そうだそうだ!!」」」
休み時間を待ち切れない生徒らが声を上げる。
「ちょまっ! 最後だけ、後数分だけ朗報を
言わせてくれ!」
だが、一向に静まる気配を見せない。
「静かにしやがれっつてんだろ。」
ーーぞわわっ!
悪魔のお告げに一瞬で場が静まる。
この恐怖の声主は、サンライトだ。ナイスだぜ。
「サンライト君。助かった。」
「気にすんな、さっさと終わらせ。」
「えーと、文化祭クラス優勝おめでとう。
放課後君らに報酬金配るから期待してな。」
ーークラーンコローンクラーンコローンクラーンコローンクラーンコローン♪
「「「いぇえええええええあ!!!」」」
その日、授業の終わりを伝える無機質な音は
この教室全体に歓喜の叫びが
広がる予兆となった。




