127灯 原始、女性は太陽であった。
<TOKISDEO •RADIO>
「どうも、獰猛だから黒鯖リリースが間近で嬉しい。どうも私、TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。今回も前回のおさらいあらすじとお知らせしていきましょう。」
A1:ミカの昔話。
O1:黒鯖リリース間近記念連日投稿祭開催初日!
O2:『○下○姉妹は○○ってほしい』が楽しくて
ハマった。有意義な三時間であった。
作者は感化されて姉妹系ほのぼの日常小説書きたくなったそうです。
あ、キタマジって姉妹系ほのぼの日常小説か。(白目)
O3:2/2・14:20→キタマジ第二部事前予告(表紙絵付)
2/3・14:30→キタマジ第三部事前予告(表紙絵付)
2/4・14:40→キタマジ第四部事前予告(表紙絵付)
以上の三つをア○フ○ポ○ス連載の
『TSO総集編+α』にて公開!
クランコロン学園非常階段にて。
一人の少女の悲しい話が終わりを告げた。
それを聞いた男は、少しの沈黙をし。
口を開く。
「理不尽だな。」
「キモーオ君……。」
「これ以上は何も言えねぇよ。
俺の生涯はミカちゃんと比べれば
馬鹿みたいに軽い。ボッチ人生の方が何倍もマシだ。
再認識させてくれてありがとな。」
「ねぇ、私ってまたお兄さんに会えるかな?」
スルーかよ。
「会えるんじゃねぇの……今日とか。
ーーッ!?」
キモーオは並々ならぬ
ドス黒い気配に背筋を震わせた。
「(奴が来る!)」
「やぁキモーオ。元気にしてたかい。
また無駄に警戒するなって。僕はただ
このえびせんを売りにーー」
「ーーお兄ちゃんッ!!」
ミカが狐面の男に抱きつく。
「ミカ……本当にミカなのか。」
男は信じられないといった感じに口を開く。
そして、彼女を強く抱きしめた。
「先に逝くんじゃねえよ。」
「ごめんね、ごめんねお兄ちゃん!
私逃げてばっかりで! 最後まで何も伝えないで!」
「こっちもだ。気付けなくて済まなかった!」
「いいの。もういいから、お願い!
私の為に、これ以上『手を汚す』のはやめて!」
「あぁ、約束する!」
どれくらい時が経っただろうか。
二人はさっきの会話から、沈黙と涙に染まり
抱き合っている。
だが、時が経つにつれ。
彼女の全身の色が薄くなってくという変化が
起こる。
この状態から先に離れたのはミカ本人だった。
「……ミカ?」
「ごめんね。まだまだ一緒に居たかったけど
もう『時間』みたい。」
「ま、待ってくれ。」
ミカは彼の言葉に首を横に振る。
「最後に一言だけ。」
「「ーー!?」」
「キモーオ、お兄ちゃん。
今日会えてとっても嬉しかったよ。
ありがとう。」
彼女は涙と共に精一杯、幸せな笑顔を
俺たちに向け。光の粒子となって霧散した。
これが成仏というものだろうか。
結局、俺からは何も言えなかった。
でも不思議と後悔は無い。
彼女の最期の笑顔のお陰だ。
「っておいキッツラル。
何帰ろうとしてんだよ。えびせん販売員辞めんのか?」
「その通りだ。この仕事は今日をもって辞める。」
狐面の男はひっそりと闇に消えた。
「何なんだよ。アイツ。」
***
……。
…………。
翌朝。
ーークラーンコローンクラーンコローン
クラーンコローンクラーンコローン♪
クランコロン学園には、いつもの
明るくも奇抜なチャイムが響く。
生徒らは眠たい瞼を擦り、半目の中。
面倒そうに教卓に立つ教師に視点を合わせる。
「おはよう、会長。」
「それ今朝五回くらい聞いたで候。
カエデ殿最近調子悪いで候ゾ。」
「いやぁー、この一週間色々ありすぎてね。」
「ダンス部の催しサボって、拙者らに料理部決戦押し付ける事がで候か?」
「その事引きずり過ぎたよ会長。
僕は君らが全力で学園祭を楽しめる様
協力してあげただけさ。」
「へぇー、そんな言い訳が拙者に通ずると?」
「まぁ、それはこの雨と共に水に流しましょうや。
後、今更だけどさ。会長、刀に未練があるでしょ。」
「ーー!?」
「あらら、図星っすか会長。にひひ。」
「馬耳東風で候な。もういい。
取り敢えず流してやるで候から教師の方に
目を向けて共に授業の世界へ参ろうぞ。」
「わかった。」
「どうしたで候、カエデ。
まるで目の前で人が殺された様な目を…
ーーッ!?」
「「「ーーうぅぁぁああ!!!」」」
教師は、とある生徒に体を鋭利な刃物で
刺されていた。
周りの生徒らも、その異常事態に畏怖し
次々と教室から走り去っていく。
「何で、先生が刺されているで候。」
「会長、僕が知りたいよ。」
「会長、カエデ! 逃げろ!」
「「ヤク!?」」
「待てよヤク、何一人で片付けようとしてんだ。
こんな奴俺一人で充分dーーぐふぁっ!」
俺は、サンライトの腹にパンチを当てる。
「カエデ、この異様な闇。分かるよな。」
「あぁ、あの時と同じだ。
これを解決出来るのはヤクだけ。良い判断だね。」
「何がで候!」
「会長頼む! サンライトと教師を運んで教室から避難してくれ!」
「僕からも頼むよ。」
「御意で候。ーー発動せよワープの灯素石!」
刺した男は、闇に染まる目で口を開く。
「ミカの居ない此処に意味などない。
壊れてしまえ!!!」
「この突発的な闇の暴走。リュウもこうだったのか?」
「さぁな、ヤク。
僕にだってこればかりは情報不足だ。」
「ーー顕現せよ。十神器・慈愛たる白槍ビヤッコ!」
「ーー《竜脈黒線・黒縛り》!」
「ナイスアシストだぜカエデぇえ!」
俺は、彼の頭に槍をぶつけた!
ーーこつんっ。
そして、武器をインベントリに仕舞う。
槍の攻撃を受けた彼は、頭部から黒いモヤを
放出。
これ以上出ない事を確認してからカエデは
拘束を解いた。
「あれ? 俺は一体?」
「「こっちが知りてぇわボケェ!!」」
ーーごごんっ!!
二人のゲンコツが彼の頭を捉える。
……結果、気絶した。