126灯 グティアガサ事件
<TOKISDEO •RADIO >
「どうも、獰猛だからまた遅い。
どうも私、TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。今回はお知らせも交えて前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:ミカ、過去を語る。
O1:黒鯖リリース間近記念
連続投稿祭、2月より始動を予定。
(※諸事情により、開催遅延、開催破棄等の可能性有り)
O2:○グ○ス引退して○ョジ○SS始めたが
思いのほかハマってしまった。黒鯖リリースする
までお世話になりそうだ。
あと、○年○組の問題○が面白い。
(クッソどうでもいい内容で申し訳ありません。)
振り返って、言った。
「よし! ここで撮影会しよっか!」
「何で?」
「親睦を深めるには一緒にツーショットする事とか女の子の間では結構主流だし。」
「そ、そうなんだ。」
「じゃ行っくよー!」
ルワちゃんはスマホを構えた。
その撮影会は長い時間をかけて終わった。
「いやぁー、お疲れさん。
ミカちゃんは凄いねぇ、割と直ぐに動けて。
お陰で予定よりも30分くらい早く終わっちゃったよ。」
彼女は手を伸ばした。
「ほら、友情と労いの握手。」
「う、うん。」
互いに握手を交え。
私は今日、新しい友達の誕生に喜んだ。
……。
…………。
そんな出来事があった翌日の放課後。
彼氏との約束時間が迫って待ち遠しいこの時間。
帰りの会という謎イベントに足止めをくらう。
教師は、諸連絡を一通り済ませる。
帰宅解放までもうそろそろだ。
「ーーおっと、言い忘れてました。
ミカ・キッツラルはこの後私と多目的室に
来なさい。」
***
クランコロン学園、多目的室にて。
私は静かに入室した。
室内はとても緊迫して重い空間だった。
先生は真剣な眼差しでパソコンを開いて
待機している。
「……先生?」
「あ、あぁ済まない。
ちょっと緊張しててね。」
「先生が?」
「誰だって緊張するさ、殺害者と二人きりなんて。」
「嘘。」
「ま、取り敢えずこちらに座ってくれ。」
先生は隣の椅子に手をポンと置いて誘導する。
その命令に従って座った。
「ミカ君。グティアガサ事件は知ってるかい?」
「2年前、クランコロン学園で起きた
生徒と教師を巻き込んだ大量虐殺事件。
鍵警署や地方の名探偵達が集って解決に向けて
調査をしたものの、一切証拠等が無く。
今日に至るまで迷宮入りしてる大事件。」
「よく分かっているじゃないか。
足取りが余りにも掴めないからプロの殺し屋に
よる仕業だと疑われている事件だ。
で、今回はその件なんだが。」
先生はカチカチとタイピングをして
ページを開いた。
そこには。
「グティアガサ事件映像?」
「嘘か誠か、匿名アカウントにより
ダークウェブ内でリークされた映像だ。」
ダブルクリックを押し、その映像は再生された。
画面内には、一方的に虐殺を行う私の姿がある。
「もう分かるよな。
犯人はプロの殺し屋では無い。
他ならない、君なんだよ。」
「違う……私じゃ、私じゃない。」
「遅かれ早かれこれを見た鍵警署はすぐにでも
君に死の裁きを与えに来るだろうね。
だから最後にーー」
「ーー私じゃない!!!」
そして、私は逃げ出した。
豪雨が舞い荒れる道を、ひたすらに。
家に、家に向かって。
帰宅した私は力尽き、玄関で崩れ落ちて泣いた。
お兄さんが心配して尋ねてきたけど
口には出せない。
これを知ったらどうなるか。
想像したくない。きっと嫌われて追い出されるに
決まってる。
大量虐殺事件の犯人を許す世界など無い。
生きていたって、家族の負担になるだけなのは
明らかだった。
だから、この日。
私はこの世界から『逃げた』。




