11灯 冒険家職業
~Tsoゲーム内にて~
イムティール帝国が有するギルド
『イムニーアマン』であの二人はある二人を待っていた。
ギルド内冒険家職業申請受付所であの二人はのんびりと腰をベンチにかけて。
「なぁ、遅くないか。
ヤクとアケミ。まさかデーtーー」
「カーエーデくーん?」
会長の表情は笑っているが目は笑っていなかった。
カエデは会長からの覇気を感じとった!
そして、生存本能が反射的に働く。
「じょっ、冗談ですよやだなー会長。
あはは。
おっ、噂をすればなんとやら!」
ーースタタッ
「「待たせたな!」」
「「待たせすぎィ!」」
さて、どんな職業に就いたか聞いてみるか。
ニッシッシ!
「お前らどんな冒険家職業にした?」
「「そんなことよりさっさと申請しろ!」」
「さーせん!」
俺は皆に謝りつつ急ぎで申請受付へ向かった。
言うまでもなく綺麗な受付嬢が俺を優しく迎え入れてくれた。
「冒険家職業申請ですね。
ではまず、職業の種類をお話しますね。
万能戦闘職の【勇戦騎】
回復支援防御特化職の【護癒騎】
多段攻撃特化職の【和戦者】
付与効果特化職の【練金術士】
以上の4つです。
どれになさいますか?」
「ファイターでお願いします!」
「では、ファイターが装備可能な武器を紹介しましょう。
ファイターが装備出来るのは
斧、ハンマー、槍の3つです。
逆に言えばそれしか武器として装備出来ません。
それでも宜しいですか?」
ご丁寧に解説ありがとう。
やっぱり、説明書読んでない奴の為にも
優しいんだな運営さんは。
「はい。」
***
「ふぅ、長かった。」
俺は三人が待つベンチへ腰掛けた。
「どうだった?」
カエデがにやにやしながら問う。
俺の長時間申請を嘲笑うかのように。
「正直疲れたよ、んで。
お前らどんな冒険家職業なんだ?」
「僕はアルケミスト!」
予想通りだな。
「拙者はガーディアンで候。」
サムライでもないのに侍口調で答えるとは……
会長は余程疲れているのかもしれない。
「俺はサムライだ。文句あんのかよ?」
いいえ、文句なんてありません!
サンライトさん!
でも、意外だな。
こんなに綺麗に冒険家職業がバラけるとは。
……偶然なのか?
俺はそんな疑問を残してパーティらとギルドを出た。




