116灯 作るもの
<TOKISDEO •RADIO >
「どうも、獰猛だからパワフル!
TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。
今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」
A1:ヤク一行の買い出し終了!
ーーガチャガチャ…キーーーッ
0円買い物を終えた俺たちは
クランコロン学園の料理部部室へとお邪魔した。
「いゃあー、驚きで候。まさか封筒の中に
部室の合鍵があるなんて。」
「アイツらは俺らに全てを託したって訳だな。」
「サンライト、その通りだ。
さて、二人にはこの部室に眠っているで
あろうある食材達を探して欲しい。」
「「……。」」
「急に二人して黙りこまないでくれよ。」
俺はちょっと申し訳ない表情で欲しい
食材を書いた紙を二人に渡す。
読みが正しければこれらの食材はあるはずだ。
そして、料理部部室にあるとある食材の
大規模捜索が始まった。
***
……。
…………。
探す事早30分、料理部部室の調理台に
目的の食材が全て揃った。
「きのこ、レモングラス、ニンニク……
どれもクセが強くて使いにくい食材ばかりじゃねぇか! こんなので一体何を料理すんだよ!」
敢えて料理部が残す確率の高い食材を
予測して選んだ。
「サンライト、落ち着くで候。」
「わ、悪りぃ。」
「ナイスだ会長。で、作る料理は凡そ分かったか?」
「トムヤムクンラーメン……で候か。」
会長は、自信なく口を開いた。
「流石、会長。料理に食材を見ただけで
気がつくとは。」
「褒められても何も出ないで候ゾ。
それに、プリック・パオは作れそうだけど
肝心のトムヤム・ペーストが……」
「あぁ、その心配ならいらねぇ。
俺がこれを選んだ理由はそれにあるからな。」
「どうゆうこったヤク!」
「トムヤムクンラーメンの核とも言える
トムヤムペースト。ラーメンにとっては
出汁。出汁は調理工程が複雑なのに対しーー」
ーーカッ、カカカカッ!
俺は料理部部室に偶然あった
ホワイトボードに書き殴りした!
「「ーー!?」」
「この様に、ペーストだけで済むのが強みだ!」
「言いたい事は分かるで候が、二度言うがここはトムヤムペーストが一般的に市販されている世界じゃないで候ゾ!」
「おっと、二度も言わせて悪いな。
その件なんだが、別にペースト買う必要ないんだわ。」
「「??」」
「豆板醤とレモンさえ使えれば再現出来る。」
俺は鍵界で豆板醤の存在を半信半疑だが
あると推測していた。
ブラックにチャイナ服を着せられたあの時から
中国の文化がこのゲームに多く取り入れられている事実を。
調味料に至るまで各国の食文化の細部を
再現している運営には脱帽せざるを得ない。
まさか本当にあるとは!
全く、最近の俺は鍵界に驚かされてばかりだぜ。
しかし、ミルノと共によく買い出しに
付いていく会長がペーストを無いと言ったのは
想定外であった。
パッタイが存在するのにトムヤムクンが
存在しないのは世界観があまりにも歪だ。
運営はトムヤムクンに何らかの恨みでも
持っているのだろうか?
ま、考えるだけ無駄って奴か。
「それが、トムヤムクンラーメンを選んだ真の理由で候か。」
「あぁ、簡単な料理ほどアレンジが容易に行えるしな。さて、サンライトもそろそろ突っ立ってないで始めっぞ!」
「おうよ!」
「御意で候!」
ふっ! 二人とものノリが良いところ。
俺、本当好きだわ。
「二人に配った食材伝達紙裏に料理工程を
書いた。さぁ、今すぐ試作に取り掛かるぞぉ!」
「「おぉおおお!!」」
二人は元気よく片手で握り拳を挙げた!
俺は、トムヤムペーストの再現。
会長はプリック・パオの調理。
力作業が多少必要となる麺作りにサンライト。
ーーそれぞれの個性を頼りとした役割配分の
料理試作が今! 幕を開けたのであった。
<TOKISDEO •RADIO >
「どうも、本日2回目の登場になります。
ゾン・クラヴィラです。」
「TSO宣伝部の浅田朝夫です。
宜しくお願いします。」
「さて、久しぶりの後書き茶番になりますが
どう言ったご用件でしょうか浅田さん。」
「それが本日は茶番というよりは
『お知らせ』ですね。」
「ではお知らせどうぞ。」
「やっぱり、小説っていうのは
文字だけじゃ伝わりにくい所が多く
ありますよね。」
「確かに……」
「作者本人も本当は本家なろうに直接挿絵を
作品に組み込みたいと考えていましたが
どうもなろうさん『これ』をする為の
方法があまりに面倒なんですよ。
○witter経由でイラスト公開もしてた
みたいですが、この方法も打ち切りに
なりました。」
「じゃあどうするんですか?」
「そこで頭を悩ませていた作者なんですが
遂に見つけてしまったんです! 」
「ーー!?」
「イラストを簡単に付けられて
しかも文字も好きなだけ書き込める
都合のいい『小説投稿アプリ』が!」
「その名は?」
「○ル○ァ○リス!」
「で、そこで仮に投稿したとして
タイトルはどうするんですか?」
「そのタイトルは『TSO総集編+α』
だそうです。内容はイラスト付き設定集。
興味のある読者様は読んでみては
いかがでしょうか。」
「「ーー今回も我々の茶番に付き合って
下さりありがとうございました!!」」




