9灯 驚きの揃い
Tsoゲーム内、ヤクが特定した集合場所にて
ヤクはあろうことか、自分で計画したのにも関わらず集合場所におもいっきり遅刻した。
許されるが分からないが手を合わせて謝ろう。
「遅れてごめん。
ーーって、ぇえええええ!」
ヤクは驚きを隠せなかった。
カエデの容姿は現実と瓜二つだから辛うじて分かるのだが問題はそこじゃなかった。
何でこの二人がいるッ!
「昨日ぶりだね、ヤクちゃん!」
俺に向かって昨日と同じ爽やかな表情を
浮かべる酒場の殴られ男が馴れ馴れしく言葉をかける。
「てめぇ、何者だ?」
「口の悪いネカマですねー。
私ですよ私、芋杉会長って言えばわかるかな」
「じゃあ、あの隣にいるドクロ仮面の男は?」
俺は手を小刻みに震わせてドクロ仮面の男の方に指をさして問う。
そんな訳はないと淡い希望を抱きながら。
「太陽寺ちゃんだよ!」
カエデは待ってましたと言わんばかりに
大声で答える。
おいおい、カエデ何の冗談だ?
あんな暴力的で口悪い奴が太陽寺さんな訳ないじゃいか!
だって、性格とか仕草とか正反対じゃん!
ねぇ、会長。
カエデの冗談いつもみたいに論破して下さいよ。
黙ってないでなんか言ってくれよ会長!
俺の心を読み取ったのか会長は
俯いて残念そうに口を開く。
「すまんなヤク。
カエデは嘘を付いていないし冗談も
言ってない。
認めない思いはどうあれこれは『事実』なんだ。
まぁ、俺は最初から気付いたけどな。」
じゃあ、あの時の会長の言葉はそう言う事なのか!
だとすると昨日の出来事と辻褄が合う。
でもそんなの認めてたまるかよ!
なら明日。
このドクロ仮面の男が日夜さんじゃないって事を証明してやる!
会長とカエデは俺をからかってるんだ。
証明する、その為には……
決まった、この作戦しかない!
「カエデ、会長。
ギルドに先に行って待機しててくれないか?
俺はこのドクロ仮面の男と二人きりで話したいことがある。」
「「わかった!」」
二人は返事を元気に返して駆け足でギルド向かっていく。
あんがとよ。
理解の早い幼馴染みで助かるぜ。
よし、ドクロ仮面の男と話をつけるか。
「なぁ、ドクロ野郎?」
「俺はドクロ野郎じゃねえ。
playerネームがあんだろうが。
俺の名はサンライトだ!」
ひぃい、怖ぇ!
でも、ここで逃げたら負けだ。
「サンライトさん、話がありますーー」
***
「ーーへっ、何かと思えばそんな下らねぇ事かよ。
ヤクらしいな。」
下らないことだと?
サンライトめ、俺の素性が分かったからって馴れ馴れしくしやがって。
なんでカエデと会長はこんな奴を太陽寺代理として連れてきたんだ?
あぁ、気に入らねぇぜ。




