表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キタマジ!?~帰宅部LV99が異世界から帰宅するってマジ!?~  作者: たかしクランベリー/TOKISDEO公式
一章~メスカル帝国編~
110/168

94灯 びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛


<TOKISDEO・RADIO>


「どうも、私、TSO宣伝部のゾン・クラヴィラです。

 今回も前回のおさらいあらすじしていきましょう。」


Aあらすじ1:不可視の極細蔓(ステルス・ヴェイン)からヤク一行は何とか退けた!


ミルノはるんるんと上機嫌な様子で鼻唄をしている。


「おい、ミルノてめぇどうゆうことだ。

 何でそこに座ってやがる、お前料理担当の

 メイドだろうが。」


「だって………今日はヤク御母様が手料理を振る舞ってくれるんですよ!」


ミルノは目をキラキラと輝かせて両の手を合わせる。

……ヤクの手料理か。


懐かしいな。

昔は一緒にお泊まり会した時以来だ。


そういや、めちゃくちゃ旨かったっけ。


「サンライト、仮面からよだれ垂れてるよ。」


「おっと、すまねぇなカエデ。」


俺はハンカチでテーブルに垂れた涎を拭き取る。


「ヤクちゃんの愛妻料理。楽シーミですね!」


「拙者も同感で候!」


「ブラックの分までヤク御母様が作るとお思いで?」


「ミルノちゃん、フラグ建築サンキュー☆」


「はーい! 待たせたね皆。ほら、ご飯の完成だよ。

 たっぷりお食べ!」


続々と並べられるご飯。

白米と味噌汁と焼き魚、浅漬け野菜……和食だ。


いい梅酒の肴になりそうだ。


「ちょっと待ちなさいサンライト君。」


「はぁ?」


「梅酒をグラスに注ぐ前に皆といただきますしなさいよ。」


「っしゃあねぇな。」


「「「「ーーいただきます!」」」」


よし、これで文句ねぇだろ。

俺は中断された梅酒注ぎを再度繰り返す。


が、華奢な細腕にその行動は止められる。


「こら、サンライト君。

 もうこれ以上梅酒飲むの止めなさい。

 折角、いい体してるんだから大事にしなさい。

 ……お母さん、心配よ。」


いや、俺、梅酒一口も飲んでないんだが。


「こら、ブラック君。箸の持ち方がなってないわよ!」


ヤクはブラックの箸の持ち方に修正を施す。


「カエデちゃん。

 女の子なんだから口にいっぱい食べ物入れちゃだめでしょ! はしたないわよ!」


「カイチョウ君! 食べ物は確り噛みなさい。

 そんなんだから磯臭いって言われるのよ!

 20回以上噛んで飲み込むのよ、分かった? 

 皆もよ!」


「ほら、ミルノちゃんを見てみなさい。

 お嬢様並に綺麗なお食事してるじゃない。

 これを少しは見習ってよね皆!」


「「「「はーい」」」」


どこのオカンだよ、流石にしつけぇぜ。


***


……。

…………。


食後、俺達は色々とヤク? の

説教や家事に追われ。


時刻はあっという間にクログロ邸規定の

就寝時刻へ。


ヘトヘトで自室に戻った俺は、

食事中没収されたのとは違う別の梅酒を

タンスから取り出してベットに腰掛ける。


すると、今日の疲れがどっと俺の全身にのし掛かった。

こうゆう時こそ、こいつの旨みは真価を

発揮する。


俺は、瓢箪ひょうたんを軽く揺らして栓を抜く。

ポンという音を立てて、中で眠っていた

淡白でありつつ芯のある優しい香りが

部屋全体に微かに広がった。


それは、確実に俺の身体を癒し。

俺の鼻を幸せに導いた。これぞ俺流アロマテラピー。


あぁ、たまんねぇ。 

先ずは、一呑み。 

ーーゴクンッ!


「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛」


あまりの旨さに某アニメ風のグルメリポートを

してしまった。


たまらん! 俺ァもう一口いくぜ!


ーーコンッコンッ!


くっそぉおおお! 何だよこんな時間にィイ!

俺のご褒美タイムを奪うんじゃねぇ!


「何の用だ。」


本当はドアを蹴破って相手を突き飛ばしたい

ところだが、仕方なく怒りを押し殺し。

平常を装った声色で扉先の奴に声を掛ける。


「良かった。起きてるわね。」


ーーカチャッ。


っておいおい。何勝手に部屋に入って

来ちゃってんのぉ!?

しかも、よりによってヤク? かよ。


もう、堪忍袋の緒が切れた。

一番来て欲しくない奴が部屋にあがるなんざ。

これ以上、梅酒が没収されんのは懲り懲りだ。


「おい、何の真似だ?」


「サンライト君。お母さん、やっぱり心配よ。

 ずっと浮かばない顔してるじゃないの。

 一体誰のせいなの? お母さん、怒らないから教えて頂戴。」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ