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「元気そうで安心しました。手紙にもそう書いてあったのですが、無理をしてるんじゃないかと。」



「とても元気ですよ。小さな子たちの良いお兄さんです。」



 アルスさんの心配もわかる。ルシン君の性格だと多少しんどくても言わなさそうだもんなあ。

 自分のことはなるべく自分で解決しようとするから。



 実は、ドラゴンの本体に戻ったあの日の前日も調子が悪かったらしい。

 その話はだいぶ後から聞いたんだけど、ちょっとだるいくらいだったから早めに寝ればなんとかなると思って、その日一日学校に行って家事をこなしていたそうだ。



 お兄さんたちがお仕事だから迷惑かけないようにしたいんだろうけど、それを聞いたメルバさんやフェラリーデさんに「無理をしないように」と諭されていたっけ。

 ドラゴンの子供は魔素が大きくて、ちょっとした体調不良で魔素が大きく乱れる場合があるから。



 これはかなり危険なことで、ドラゴンはどの種族より強いから、ちょっとした魔素の乱れが周囲に多大な被害をもたらすそうだ。

 だから、普通はドラゴンの子供はある程度大きくなるまで、ルシェ山の山頂にあるドラゴンの里で暮らすことになっている。



 ただ、ルシン君の場合は珍しい「銀色」の魔素を持ってるので、治療出来る術士が非常に限られている。

 里だと何かあったときに治療が難しいのと、お兄さんたちも銀色を持っていて3人でいれば魔素は安定したのとで、ルシン君は珍しい「街中に住むドラゴンの子供」となった。



 あの原因不明の暴走が起こってからは、ドラゴンの危険性を実感したらしくて魔素の訓練に余念がない。

 ただ、メルバさん達に諭されてからは「無理をしない。出来る範囲で頑張る。」ようになったらしい。



 様子を見に来たドラゴンの一族の長であるルシェリードさんもホッとしていた。昔から頑張りすぎる傾向にあったみたいだ。

 そんな話もしてみたら、アルスさんは「よかった…。」と安心していた。



「子供らも元気なようだ。もうしばらくよろしく頼む。」



「責任持ってお預かりします。」



 私とアルスさんの会話の横で、ザドさんとクルビスさんは隊長さん同士の会話をしていた。

 ザドさんも子供たちのことは気にしていたみたいだ。あんなことがあったら心配だもんね。



 そんな感じで和やかに話していると、アーネストさんが近づいて来た。

 ものすごい勢いで飲んでたのに、ふらつきもしてない。



「話は終わったか?そなたらも飲め飲め。今日はこのままおれるのだろう?」



「族長。ええ。西の本部も近いですから。」



「はっはっはっ。そうかそうか。よしっ。こっちへ来て飲め。」



 そう言って、ザドさんとアルスさんは宴会の中に戻っていった。

 周りからかなりお酒を勧められている。大丈夫かなあ。



 そう思いつつも、私たちの周りにもひとが集まりだしたので、そちらの対応に追われることになった。

 お酒じゃなくて料理を勧めてくれるのは助かるんだけど、数が多いんだよねえ。お腹持つかなあ。

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