表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/360

 *******************



「さあっ。皆、よく集まってくれた。こちらがトカゲの次代殿と伴侶殿だ。どうだ。見事な黒であろう?この良き巡りあわせを世界に感謝し、祝おうぞっ。」



 おおおおおっ



 会場を異様な熱気が包んでいる。

 まだ朝早いのに、ものすごい熱気だ。



 なんだろ。この集会。というか飲み会。

 みんな木製のジョッキ片手に盛り上がってるけど。



 今日ってヘビの一族へのお披露目だよね?

 …あれ?何ですでに飲み始めてるんだろう?



「皆さん、トカゲの一族の次代の長となります。クルビスです。今日は私と伴侶のために集まっていただき、ありがとうございます。こちらが私の伴侶です。」



「は、初めまして。里見遥加です。どうぞハルカと呼んで下さい。」



 おおおおおおおおおっ



 さっきより大きな歓声というか叫び声が響き渡る。コンサート?

 あっけにとられて、「ご近所迷惑にならないだろうか。」と思わず別のことに意識がいってしまったくらいだ。



 何なんだろう。この盛り上がり方。

 ヘビの一族ってノリがすごくいいのかな?



 まあ、深緑の森の一族やトカゲの一族の時みたいに、認めてもらって仲間に入るって意味合いの『お披露目』じゃないから、「お祝いの宴会だと思えばいい。」ってクルビスさんには言われてたけど…。



 ホントに宴会だし。

 すでに飲みまくってるし。



 朝からお酒が飲めるっていう「だし」にされてない?ねえ?

 暖かい感じの魔素に取り囲まれているから、心から祝われてるのはわかるし嬉しいんだけど、どうにもそう感じてしまって素直に喜べない。



 アーネストさんも最初の発言の後、すでに皆さんに混じって飲んでるし。

 名乗った時以外、だーれも私たちを見ていないし。



「話に聞いてたがこれはすごいな。」



「盛り上がってますねえ…。」



 名乗った後、シードさんに促されて用意してもらった席に座りながら、クルビスさんと呆然としながらつぶやく。

 今日は普通の丸いイスとテーブルだ。昨日みたいな寝そべられるような長椅子と長机ではない。



 まあ、外だしね。地面からは遠い方が衛生的だ。

 席に座ると、ささっと私たち用のジョッキとお皿が渡される。



 ジョッキにはクリーム色の飲み物が入っていた。

 弱い果実酒で、昨日も食前酒にこれが出た。



 お皿の上には何もない。ヘビの一族の宴会では自分で取りにいくんだよね。

 でも、今日は視界を埋め尽くすような食べ物の山は見えない。



 最初は宴席を囲むように彩りよく果物が盛られていたけど、あっという間に無くなってしまった。

 果物が無くなると、屋台がずらりと並んで姿を見せる。



 屋台?お披露目の席で?

 そう疑問を持ちつつも、目の前の宴会風景と屋台には違和感を感じなかった。



 もう、単なるお祭りだよね?

 あ、歌い出した。それにつられて誰かが踊り出すし、そしたら演奏がどこからか始まるし…カオスだなあ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=523034187&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ