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前話と前々話を少し手をいれました。
眠気と戦いながら打ったせいか、読みにくい文章になってて、自分でビックリしました(--;)
豆が炒り終ると、お茶を淹れて試食タイムだ。
炒ってるうちに色が変わって、白っぽくなった豆もあれば黒っぽくなった豆もある。
「色は結構変わったっすけど、味はどんなっすかね~?」
「匂いは良い。中の色はどうだろうな。」
「香ばしい香りですねえ。」
ベルさん、バウルさん、私の順で豆を眺めながら感想を述べる。
皆、興味深々だ。どんな味なんだろう?
用意してもらった豆は餡子にも使った派手豆が5つ、残り5つは茶色いクク豆、黒いコッカ豆、灰色のキルビルト豆、黄色に近い黄緑色のケルカ豆だ。
派手豆とキルビルト豆は黒っぽく変色し、残りは元の色より白っぽくなった。
見た目を観察すると、それぞれ一粒ずつ口にいれる。
まずは餡子で成功している派手豆から。黄色いやつを1つ選ぶ。
ポリポリポリ…
厨房の中に軽い噛み音が響く。
口にいれてすぐに香ばしい香りと焦げた苦味が広がり、その後でサツマイモのような甘みが口の中に広がる。
「…焼き芋?」
頭に浮かんだイメージをそのまま口に出すと、他のふたりが不思議そうな顔をする。
こっちのイモは甘くならないらしいので、私の言葉に違和感を覚えたんだろう。
「故郷のイモを焼いた味に似てます。これはこれでいいですね。」
「へえ。甘いイモなんてあるんっすね。おいらもこの味好きっす。」
「煮た時よりしつこくない。このままでも食べれるな。」
失言に気付いて故郷の味に似てると言うと納得してくれた。
ふたりにも味は好評のようだ。
でも、きな粉には出来ないんだよねえ。
これはこれで美味しいけど。
「新しい発見は出来ましたけど、きな粉とは違いますね。甘みはほとんどないので。」
「あ。そうなんっすか?」
「じゃあ、他のを食べてみよう。」
私の感想を聞いて、今度は青い派手豆を食べてみる。
香ばしい香りに甘くない味が広がるけど…あれ?枝豆じゃない?
「塩をまぶしたいですね。」
「ああ。いいっすねえ。」
「つまみになるな。」
これも好評。でも、きな粉にはならない。
良いおつまみは発見できたけれど。
味の特徴をメモしつつ、バツ印を名前の横に付けていく。
他のふたりも同じようにメモしてるのを眺めながら、次はピンクのやつを口に入れる。
何だかどす黒いなあ。何でこんなに色が悪くなったんだろう?
大きいのでかじってみると、ガリィッと音がした。
「「「………。」」」
味がどうこう以前に硬い。
これは無理だなあ。もしかして紫も?
あ、紫はいける。噛める。
でも、苦味が勝ってる感じだ。紫はバツ。
「こっちは食べれるけど苦いですね。こっちは大きいから火の通りが悪かったんでしょうか?」
「可能性はあるっすねえ。」
「炒め直すか?」
かじった後のかけらと見ると、外が黒っぽくて中はどぎついピンクのままだった。
明らかに半生だ。ベルさんもバウルさんも同意してくれる。
このままでは味見が出来ないので、とりあえず火を通し直すことにして横に避けておく。
他にも半生のものがあるかもしれないので、味見を先に済ませることになった。
う~ん。食べれるものもあって良かったけど、まだまだ先は長そうだなあ。
内心ため息とつきながら、お茶で口の中の豆を流し込み、次の豆を口に入れた。




