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文章追加しました。
次は通常通り1時に投稿します。
転移って、あの転移?
何度かお世話になってるけど、あんまり良い思い出はない。
「すみません。転移局…というのは?」
私の疑問にガルンパさんが不思議そうにクルビスさんをみる。
その視線を見てクルビスさんがこちらを見る。
「ああ。ハルカはまだ来たばかりで、ルシェモモの街に詳しくないんです。転移は知っていますが、転移局は連れて行ったことがないので。」
「おお。そうでしたか。ハルカ様。転移局とは転移の式を使って遠い場所と物をやり取りする場所です。物流の拠点ですな。」
遠くの場所と物のやりとり…宅配ってことかな?
物のやりとりに転移を使うんだ。
「便利ですね。かなり遠い場所ともやり取りできるんじゃないですか?」
「ええ。ドラゴンの住む山の向こうともやり取りがありますよ。ルシェモモで作られるあらゆる物を送り、代わりに食品や茶などが各地から送られます。」
ドラゴンの住む山って、ルシン君が向かおうとしてた場所だ。
結構高い山だったから、超えるのは大変だろう。
でも、転移で物を送れるならすごく便利だ。
海に面しているから、海路で交易してるのかと思ってた。
思った以上に社会のシステムが整っている。
…というか、これ、元ネタあー兄ちゃんだったりして。
「ハルカ様にはその転移局でのお仕事などいかがか、と思ったのですが…。寒い地域のご出身とお聞きしましたので。ですが、馴染みがないなら、あまりお勧め出来ませんな。」
ガルンパさんがため息をつく。
寒い地域の出身なのがそんなに重要なんだろうか。
仕事の話は有り難いけど、ガルンパさんの誘いに乗って良いのかわからない。
どう答えたものか困っていると、クルビスさんが助けてくれた。
「ガルンパ殿。気遣い有り難く思います。ですが、まだハルカ自身が街に戸惑っている状態なので、職は落ち着いてからゆっくり考えて貰おうと思っています。」
「そうですな。それがよろしいでしょう。いや、いけませんな。欲しい体質の方を見ますとついつい勧誘してしまって。お許しください。ハルカ様。」
『欲しい体質の方』。やっぱり寒さに耐性のあるひとが欲しいんだ。
でも、転移局と何の関係があるんだろう。
「いいえ。お誘いありがとうございました。」
もう少し何か言おうかと思ったけど、その時ルドさんが来たのでガルンパさんとの会話はそこで終わった。
どういうことだったのか、後で、クルビスさんにちゃんと聞いておかなきゃいけない。




