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トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
番外編 新婚編
330/360

雨季ー21

「成る程ね~。ありがとう、キィ君~。ん~。それじゃあ、誰が見ても術式が使われてるね~。川の流れに逆らうヒビかあ~。」



「水を使うにしても、川の流れに沿ってヒビを入れる方が負担が少ないように思いますが…。」



 メルバさんとフェラリーデさんがそれぞれ顔をしかめて考え込む。

 術式についてはあまりわからないけど、確かに川の流れを少し変えてヒビを入れた方が楽なような気がする。



「あ~。それは雨季だからだね~。今は水の魔素がとても強いから、この時期に水の術式を使うと暴走しやすいんだよ~。特に川の水なんて使えば、コントロールなんて利かなかったと思うよ~。そう。止まってる水ばっかり使ってる子は特にね…。」



 ん?メルバさんの雰囲気が変わった?

 お医者さんモードかな?いつもの軽い…いや、明るい雰囲気はなりを潜め、静かな空気を漂わせている。



「思い出したよ。ずいぶん前にもあったんだ。まだ街ができ始めたばかりで、村と言っても良かったくらいの頃に街のいたる所にヒビが入るってことがあってね。いくつかの一族でこの街に来るのを拒否した子たちが組んで街を破壊しようとしたらしいんだ。」



 え。街の破壊って、それ普通にテロなんじゃあ。

 うわあ。今回のもそれに似てるっていうの?



「でも、雨季の水の魔素の強さを知らなくて、結局魔素をコントロールできずに無茶苦茶な方向にヒビが入るだけしか効果がなくてね。その時も術式の跡が見つからなくて、困ったんだよね。」



 そんな状況で良く犯人が見つかったなあ。

 まあ、あちこちで起こってたなら、人手さえあれば見張ってれば捕まえられそうだけれど。



「長、そのような状況で、どうやって捕まえられたのですか?」



 私と同じことを思ったらしく、フェラリーデさんが質問する。

 他の皆さんも興味深そうな顔をしてたから、気になるんだろう。



「ルー君と組んで、街中に魔素の網を張って見はったんだよ。どこに仕掛けにくるかわからない上に、雨季で視界も利かなかったから。」



 人手いらなかった。魔素の網ってセンサーみたいなものなのかな?

 便利だなあ。



 周りの皆さんの驚いた顔からして、規格外なことみたいだけど。

 まあ、ルシェリードさんとメルバさんがタッグを組んだんじゃねえ。



「…止まった水ってことは、うちの一族もいたんでしょうか。」



 ん?キィさんが怖い顔してメルバさんに質問している。

 うちの一族って、青の一族?



 え。でも、街ができ始めた頃じゃ、まだ移住の話も出てないんじゃあ。

 キーファさんも驚いた顔をしている。…キィさんにだけ心あたりがあったのかな。



「はぐれた子がね。まだ青の一族が元の故郷にいた頃だよ。裏の稼業っていうのかな。後ろ暗いことに能力を使って、追放処分を受けたみたいだった。」



「目の周りに刺青はありましたか?」



「…あったよ。皆、目の周りを黒い線で囲んでた。」



 どういうことだろう。

 大昔の事件と今回の事件、何か関連でもあるんだろうか。

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