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トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
番外編 新婚編
312/360

雨季ー3

 慣れたもので、餡子をこしあんにするのも早く出来た。

 もちろん餡子は2種類だ。



 小豆に近いのは紫だけど、異世界の豆だし、ココナッツ汁粉に合うのはどちらかわからないから両方用意することになった。

 こしあんにするのって結構面倒なんだけど、ルドさんのおかげで早く出来た。プロの技ってすごい。



「後は水で伸ばしていくんですけど…。」



「この果汁も使うんだな?」



「いえ。これは先にミル…えっとメルと砂糖で沸騰させてから、餡子と混ぜるんです。こっちの普通の汁粉は、餡子と同じ量の水を鍋に入れて、そのまま火にかけます。」



 私がレシピの訂正をすると、成る程と頷いてミルクを冷蔵庫から出してくれる。

 私は餡子と水を鍋に入れて、汁粉を作り始める。



 こうなると出来るのはすぐだ。

 水の白で色はちょっとマシだなあ。



 沸騰する前に塩で調整して、ピンク色の汁粉とラベンダー色の汁粉が完成した。

 何だかかわいらしい汁粉が出来たかも。やたらファンシーだけど、飲んでもらえるかな?



「可愛いですね。お茶みたいです。」



 そういえばこっちの飲み物って飲み物の色してないんだっけ。

 お茶に似てるなら、意外と受け入れられやすいかも。



「一番基本の汁粉が出来ました。ホントは寒い時期に飲むもので、熱いままいただくんです。夏は冷やしますけど。」



「じゃあ、半分冷やそうか。熱いのと冷たいのとで味を比べたい。」



 ルドさんがすかさず提案してくる。

 さすが熱心だなあ。何故かアニスさんもすごく頷いてるけど。



 エルフってホント和菓子好きだよね。

 餡子をキラキラした目で見てるよ。



「冷やすので、甘みを強めに作りましたけど、いいですか?」



「ああ。俺は甘いのは平気だから。」



 ルドさんと、すでに頷いているアニスさんに確認をとってから、粗熱をとって半分は冷蔵庫に、半分は暖かいまま試食することになった。

 木製の器に入れるとさらに汁粉っぽさが出る気がする。



「「「いただきます。」」」



 最初はオーソドックスな紫からだ。

 見た目はラベンダーカラーだけど、味はちゃんとお汁粉だ。



 甘めだけど、懐かしい味に顔がほころぶ。

 他のふたりの反応はどうだろう?



「…これは休眠期にいいな。あと、出汁をきかせて塩味でもイケそうだな。」



 ああ。塩味の方が需要ありそうだよね。

 まあ、豆のポタージュってあるし、出来るだろうなあ。



「ポタージュっていうスープがそうですね。豆だけじゃなくて、いろいろな野菜を煮込んでつぶしてミキサーにかけちゃうんです。これも冷やしても美味しいですね。」



「ポタージュ。つぶすのが大変だと聞いていたが、そうかミキサ―を使うのか。」



「ジュースにするだけじゃないんですね。長が熱心に開発されてたわけです。」



 ポタージュの説明にルドさんが食いつき、アニスさんが頷く。

 何気なくポタージュやミキサーって言っちゃったけど、どっちもあるんだ。



 ポタージュはあー兄ちゃんが元ネタだろうけど、あの世界樹の家のシステムキッチンなら作れそうだなあ。

 たぶんミキサーもあー兄ちゃんが伝えてたんだろう。



 でも、ここではかき氷機は自動だったけど、石臼とかもあるし、ミキサーはどうなんだろう?もしや手動とか?

 だとしたらかなり大変かも。

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