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「おかえりなさい。お疲れ様です。少し休憩なさって下さい。」
癒しの微笑みでフェラリーデさんが出迎えてくれる。
ああ。ホッとする。フェラリーデさんは式服の上にいつものローブを羽織っていた。
案内してもらって、医務局の奥の部屋でお茶をすることにする。
フェラリーデさんは中央での式典の後、先に戻っていたみたいだ。
まあ、クルビスさんは今日の主役だし、キィさんは長たちの警護で不在。
隊長さんがひとりは待機してないと困るよね。
「ただいま。何か問題は?」
「いいえ。おふたりが来られるまではと騒ぐのも抑えているようです。」
クルビスさんの質問にフェラリーデさんが苦笑して答える。
その間にふわりといい香りがして、ポム茶が配られた。
「ポム茶か。助かる。」
「お疲れでしょうから。食事はどうされます?」
フェラリーデさんに聞かれて、真っ先に手を挙げたのはシードさんだった。
「あ。俺欲しい。もう腹減って。」
「俺も少し欲しい。これからまた歩くしな。」
クルビスさんも頷いて、それなら私やアニスさんも何か食べておこうという話になって、フェラリーデさんと一緒に少し早い夕食をいただくことになった。
時間的にはおやつの時間ともいえるけど、何せ各守備隊で休憩と軽食はもらってもきちんとした食事は取ってなかった。
しかも、その後ほとんど歩き通しだったから、私もお腹が減っている。
西でトンジャオ食べておいて本当に良かった。
他ではミニカステラみたいなのとか、一口サイズのサンドイッチみたいなものばかりだったから。
でも、あれはあれで食べやすかったなあ。きっとドレスアップしてる私たちに気を遣ってくれたんだよね。
それぞれの注文を聞いて、フェラリーデさんが医務局にいた隊士さんに頼んで買いに行ってもらう。
北地区の守備隊の食堂は本日はお休みだから、隊士さんたちは自力で買いにいかないといけない。
今日は特別メニューも売り出されてるそうで、ルドさんたち調理部隊の面々は勉強も兼ねて、街じゅうを食べ歩くことになってるらしい。
後でレポート書いて情報交換するそうだから、お酒を飲んで騒ぐってわけにはいかないようだ。
「それで、他の地区はどうでした?」
「ああ。どこもすごい歓迎だった。」
「熱狂って感じだったな。」
「でも、楽しかったですよ。街の皆さんも楽しそうでしたし、お花や芸も見れましたし。」
「フォーレンガのダンスを始めて見ました!」
フェラリーデさんにクルビスさん、シードさん、私、アニスさんの順で各地区の様子を話始める。
クルビスさんとシードさんは警備や住民の様子といった感想が多かったけど、私とアニスさんは歓迎の様子を話した。
フェラリーデさんはどの話も楽しそうに聞いてくれた。
各地区の様子を話していると、ドアがノックされる音が響く。
「おや。どうしたんでしょうか。」
フェラリーデさんにはドアの向こうに誰がいるかわかってるみたいだ。
食事を買いに行ってくれてる隊士さんにしては早すぎるよね?誰だろう?




