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「ルドさ~ん。いますか~?」



 カウンターから厨房に向かって声をかけると、水色のトカゲの大男がヌッと顔を出した。

 この男性がルドさん。お世話になっている北の守備隊の食を預かる料理長さんだ。



 とても研究熱心で、前に私が厨房を借りて地球のお菓子を作ることになった時、自分にも是非参加させてほしいと交渉してきた。

 料理のプロが味方についたおかげで、前回のお菓子作りでは慣れない異世界の材料でなんとか餡子やスイートポテトを作ることが出来た。



 今回はお菓子作りの第2弾。

 市場で買ってあったゼリーの元を使って葛餅を作る予定だ。



 ゼリーと名付けられてるものの、ちょっと弾力のあるわらびもちといった感じで、ルシェモモの名物らしい。

 クセがないので葛のように使えそうだなと思って購入することにした。



 ホントはもっと早く作りかったけど、クルビスさんとの婚約が決まってからはあちこちに挨拶に行くことになったので、しばらくは延期になっていた。



 ルドさんも忙しいからなかなか予定が合わず、異世界に来て20日目の今日にやっと作れることになった。

 ゼリーの元は一晩水につけておかないといけないらしく、すでに下ごしらえはお願いしている。



「準備は出来ている。裏に回ってくれ。」



 ルドさんの返事を聞いて、メインの厨房の奥にあるルドさん専用の厨房にお邪魔する。

 ルドさん専用となっているけど、メインの厨房は大人数の食事の支度に常に忙しいので、何か試すときは奥の厨房でやることになっていると他の調理師さんから聞いた。



 奥の厨房に入ると大きなボールが調理台の上にデンと置かれていた。

 大きい…。直径1m以上はあるよね?



「これって…。」



「ゼリーだ。」



 後ろから声をかけられて硬直する。

 ルドさんだとわかって力が抜けたけど、心臓はまだバクバクいってる。



「すまない。驚かせたか?」



「は、はい。すみません。音が聞こえなかったので。」



「いや。これは俺が悪いんだ。足音を消すのが癖になっていてな。他の調理師たちにもよく驚かれるんだ。」



 何ですか。その隠密スキルは。

 守備隊勤務では優遇されるとか?また謎が増えた。



「へええ。そうなんですか。すごい特技ですねえ。」



 それでも忍者みたいで純粋にすごいと思ったので、そのまま口に出す。

 するとルドさんが苦笑していた。どうしたんだろ?



「そう言われたのはクルビス以来だ。」



 へ?クルビスさんも?

 …似たもの同士ってことですか?

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