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 転移室に行くと、クルビスさんが待ち構えていた。

 傍でシードさんがにやにやしている。そわそわしてたのかな?



 頭でそんなことを考えてても、視線は式服のクルビスさんに釘付けだった。

 黒の光沢のある生地に濃さの違う黒の糸で複雑な刺繍が全面に施されている。



 それが、クルビスさんの鱗の輝きと相まって、はっと目を引く装いになっていた。

 クルビスさんの衣装はボタンも靴もすべて黒。



 守備隊の隊士の式服が元になってるから、もともと黒が基調らしいけど、クルビスさんはさらに強調するかのように真っ黒だ。

 特別な式典用の式服は、キィさん達みたいに個体の色をアクセントにいれることになっているらしいけど、クルビスさんの場合はそれも黒だもんね。



 お披露目で着ていた普通の式服は銀の刺繍だったからそれがアクセントになってたけど、全部真っ黒だと逆にクルビスさんの鱗の輝きが強調されてるように思う。

 ようは、私の旦那様ってかっこいい!ってこと。



「ハルカ?」



「お~。今度はハルカさんがクルビスに見とれちまったか。」



 キィさんのからかい混じりの声に我に返る。

 いけない。早く移動しないと早起きした意味がないじゃない。



「そろそろ出る時間だぜ。」



 シードさんの声と共に、クルビスさんの手が差し出される。

 その手を取って、転移陣の上に乗る。



 すでに、同じく会場入りするアニスさんやキィさん達は転移陣の中で待機していた。

 お待たせしてすみません。



「じゃあ、行こうか~。」



 メルバさんの声で転移陣が輝きだす。

 ふわりと浮いたと思ったら、転移は終わっていた。



 会場近くの詰め所だ。

 転移の部屋が狭くなってるのでわかった。



「…これが長の転移ですか。」



「すげえだろ?いつ見てもどうなってんのかわかんねえ。」



 移動しながらキィさんとキーファさんがため息をついている。

 とにかく、外に出ることになったんだけど、キーファさんはメルバさんの転移は初体験だったようだ。



 話ぶりからして、メルバさんって規格外なんだなあとしみじみ思う。

 そんなことを思いながら外に出ると、金色と銀色の輝きが出迎えてくれた。



「おめでとう我が孫よ。そしてその伴侶よ。」



「おめでとうございます!」



 銀色は裾持ちをしてくれるルシン君、そして金色は式場で会うことになっていたルシェリードさんだった。

 ルシン君はともかく、何でルシェリードさんが?



 お祝いを言いに来てくれただけにしては物々しい雰囲気だ。

 何かあったのかな?

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