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「あ、つうい…。」



 結婚式当日の目覚めのセリフがこれっていうのもロマンがないけど、しょうがない。

 だって暑いんだもん。



 原因は天井にあるミニ太陽、陽球だ。

 クルビスさんに設定下げてもらったといっても、太陽が部屋の中にあったら暑くて仕方ない。



 ただでさえ、今は雨季の前で日に日に暑くなっていってるのに。

 これで雨季になったら、一気に蒸し暑くなるんだそうだ。やだなあ。



「ん…。おはよう。ハルカ。」



 クルビスさんも起きたみたいだ。

 慣れたけど、朝から腰にくるバリトンボイスはキツイ。腰ぬけそうなんですけど。



「…おはようございます。えと、シャワー浴びるので、離してもらえますか?」



 今朝もクルビスさんは私をがっちり捕まえて寝ていた。

 リリィさんからシーリード族は暖かいものにすり寄る性質があると聞いている。



 シードさんも同じようなものらしくて、種族の性質なら仕方ないかと納得はしている。

 でも、起きる時にいちいち声をかけないといけないのは結構面倒だ。



 もうちょっと拘束ゆるくなんないかな?

 リリィさんも色々やってダメだったらしいから、クルビスさんも無理なんだろうけど。



「ん?…ああ。もう朝か。」



 さっきおはようって言ったのに。

 身体も冷たいし、まだ完全に起きてはいないようだ。



「起きれそうですか?もう少しこうしていましょうか?」



 私のために陽球の設定を下げてもらってるから、クルビスさんの目覚めは悪くなっている。

 一度、少し離れて寝てもらったら、私が身支度終わっても動けない時があって、その時はかなり慌ててしまった。



 私の体温が自然と身体を温めるのに一役買っているらしく、それ以降は引っ付いて寝るのが習慣になっている。

 今は日に日に暑くなっているからマシだけど、冬にあたる休眠期になったらどうなるんだろう。今からちょっと心配だ。



「いや…大丈夫だ。一緒に浴びようか?」



「何を?」なんて聞きません。

 起きてるじゃない。いつもならともかく、今日は忙しいんだから、付き合ってあげません。



「もうっ。遅れちゃうでしょう?」



「はいはい。…まだ無理か。」



 ん?今何か?

 あ。腕の拘束ゆるくなった。よし、今のうちに。



「じゃあ、先にシャワー使いますね。」



 寝起きのクルビスさん相手にしてたら、いくら時間があっても足りないもんね。

 シャワー浴びたら、軽く化粧水つけて、髪は丁寧に乾かして、すぐに脱げるガウンみたいなのを着て、部屋でアニスさん達を待っていないと。



 もしかしたら、待たせることになるかもしれない。

 急がないと。今日はやること一杯あるんだから。

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