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着替えた後はまた美容マッサージを受けて、その後クルビスさんと夕食を取った。
明日は式だから、さすがにお仕事は切り上げたみたいだ。
「明日だが、朝の7刻にここを出ることになった。」
「変更になったんですか?」
予定では8刻だったのに。
何かあったのかな?
「ああ。今朝のことがあったから、見学が集まる前に会場近くに移動しておくことになった。」
私が狙われたから。
川に毒を流すやつがいるなら、直接狙ってくるのもいるってことかあ。
有り得る話だ。
目立った動きをしてたのは今朝捕まったカメレオンの一族と、この間のイグアナの一族のお嬢さんだけど、他にも私が気に食わないひとはいるだろう。
「そうですか。じゃあ、起きるのは5刻くらいですね。」
「ああ。俺もその時間に起きるから、それでいいと思う。」
一緒に寝るの前提で話してますね?
まあ、そうなるだろうし、安全のためにもその方がいいんだけど。
普通は式の前って、新郎と新婦って別々じゃないのかなあ。
もうずっと一緒に寝てるから、今さらだけどね。
「変更はそれだけですか?」
「ああ。他は予定通りだ。その予定も大まかにしか発表してないから、多少時間がずれても問題ない。」
良かった。たくさんのひとが関わってる式だから、ちょっとの変更がかなりの影響を与えることになってしまうから、心配だったんだよね。
仕度を手伝ってくれるアニスさん達には申し訳ないけど、これくらいの変更で済んで良かった。
「そうですか。」
クルビスさんに返事をしながら、煮魚を一口。
今日は海鮮定食だ。
黄緑の煮魚に赤いイカと青緑の葉物野菜の酢味噌和え、サファイヤのような焼きえびにもちろんご飯もついてて、豪華な上に今日もとても美味しい。
結婚したら、食事はどうしよう。家で作ってもクルビスさん食べれるのかな?
雨季が終わるまではここにいるから、しばらくはこうして一緒に食事を取ればいいとして、その後は?
ここで聞いておこう。
「そういえば、ここを出た後って食事はどうしましょう?ほとんど守備隊の食堂ですますんですか?」
「いや、朝は一緒に食べるよ。昼はここだろうが、夜は…。そうだな。キィは外でリッカと食事を取っていたし、もし、ハルカの職場がここと近いなら、そういう方法もあると思う。」
そっか。私が会いに行って、一緒に食べてもいいんだよね。
仕事はまだどうなるかわからないけど、それならここの近くがいいなあ。
式が終わっても安全かわからないし、近くにクルビスさんがいる方が安心だ。
問題は朝だなあ。クルビスさん5時起き普通なんだもん。
明日はともかく、毎日起きれるだろうか?
陽球があればいけるかな?とりあえず、しばらく早起き頑張ろう。
1刻、2刻…1時、2時のこと。時計の指す時刻。朝の7刻は朝の7時。




