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 そんなにぎやかな試着の時間が終わっると、お昼ごはんまでもう少しという時間になっていた。

 こちらのお昼は11時半くらいだ。早いよねえ。



 最初は早すぎてびっくりしたけど、ここでは朝の6時には起床・朝食が普通だから、それに慣れると自然とお腹が減るようになった。

 そんな時におつかいに行ってたアニスさんが戻ってきた。



「おかえりなさい。アニスさん。」



「ただいま戻りました。あの、それで、今入口の所にイグアナの一族からのお祝いを持ってきたという方が来ていらして…。一族の長の姪にあたる方だそうなんですが。」



 その話に思わずリリィさんと顔を見合わせる。

 話に聞いていた女性たちも一族の中では地位が高かったはずだ。



「どうなさいますか?長の姪と言っても彼女自身に権限はありません。」



 追い返しましょうか?と言いたげにリリィさんが聞いてくる。

 この反応はリリィさんはその女性知ってるみたいだなあ。



 ってことは。嫌がらせをしてたひとかあ。

 会いたくないけど…断るのもヤバいかも。



 ここで会わないで済ますと何言いふらされるかわからないんだよねえ。

 話を聞いてるだけだと、お祝いに来ただけなのに手ひどく追い返されたようにも聞こえてしまう。



 式の前にケチがつくのは避けたいんだよねえ。

 それに、地位の高いひと相手に下手をすると、後々クルビスさんに迷惑がかかるだろうし…。



 次期トカゲの一族の家長の伴侶としてはマズい対応だろう。

 相手がイグアナの一族で長に近い血筋なら猶更だ。



 イグアナの一族は血族主義だ。血筋をどの一族より重んじる。

 それは、黄の一族のように遺伝で特殊な技能が受け継がれるからだ。



 その能力とは、守備隊の隊士の活動の要である陽球の生産と調整だ。

 一族の秘儀だから、内容は具体的には知られていないけど、昔から最も能力の出現が高くて力が強い家が長を務めていたため、今でも長を頂点としてその直系に近いほど一族内で地位が高い。



 また、扱っているものが陽球だけに、その地位は一族内だけに留まらない。

 街の内外含めて、陽球はイグアナの一族の独占状態だ。



 そのせいか、時々勘違いしたように周囲を見下すタイプが出やすいのがこの一族の特徴だ。

 先日お会いしたイグアナの一族の長は穏やかなおじいちゃまだったけど、クルビスさんから聞いた困った女性のようなタイプは結構いるらしい。



「お祝いに来て下さったのならお会いしましょう。…リリィさんついていて頂けますか?」



 念のためにリリィさんに同席を頼むともちろんですと頷いてくれた。

 さて、どんな相手が来たのやら。

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