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その後は話しかけられても衣装や料理教室のことばかりで、そう困ったことにもならなかった。
各一族の長やグレゴリ―さんと親しげに話したのが効いたらしい。
そうそう。キルビルさんがキマイラさんと挨拶してくれたけど、私がお世話になったのを知っているようだった。
キマイラさんには髪につける香料の開発をしているので、是非ご協力をとお願いされてしまった。
髪に香料をつけるのってイメージなかったけど、今使ってるエルフ特性の異世界シャンプーは無香料なので、洗い上がりの良い香りはないことに気づいた。
そういうものだと思ってたけど、髪からいい香りがするならその方がいいので、協力はOKしておいた。
いろんなひとと会って疲れたけど、日が暮れて早いうちにパーティーは終わったので早く帰れた。
しゃべってばかりだったから何も食べれなくて、守備隊に返った時はお腹が空いて目が回りそうになってたから、早く終わって本当に良かったと思う。
「お疲れさん。これ持って行け。」
帰ったら、ルドさんが私たちに軽食を用意してくれていた。
その気遣いが素敵です。
「お~。やったあ。俺のは?」
「キィ。帰って来たのか。」
「一緒に帰る方が楽ちんだからな。」
「ちょっと待っててくれ。部屋でいいか?」
「お~。よろしく。リッカも今日はここに泊まるから。」
そんなやり取りをして、皆で上に向かう。
キィさん達とは階段で別れ、私とクルビスさんは医務局に向かった。
「おかえりなさい。お疲れさまです。」
フェラリーデさんの癒しの笑顔で出迎えられて、自分がずっと緊張していたのだとわかった。
原因はクルビスさんだ。グレゴリーさんに何か言われた後から、ずっとピリピリしている。
顔は笑顔で穏やかな魔素にしてたけど、私には何かを警戒しているように見えた。
守備隊に帰ってきて、ようやく警戒は解けたようだ。
「…いろいろあったみたいですね?」
フェラリーデさんはそう言って奥の部屋に通してくれた。
お茶も用意され、軽食に手を伸ばしながら一息つくとクルビスさんが話始めた。
「赤い目の男を見つけた。」
その言葉にフェラリーデさんが目を見開く。
赤い目って、クレイさんのこと?
それがどうしたんだろう。
「まだ可能性だが、かなり高いと思う。ハルカに催淫を仕掛けてきた。」
さいいん?って何?
シリアスな空気だけど、私だけ置いてけぼりだ。
説明プリーズ!




