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負け犬の遠吠え

作者: 異端者


 ―――受験に失敗した。


 オレは、見捨てられたのだ。

今まで頼ってきた運に、信じていた神に。



 人生適当にその場だけ合わせていただけの自分。


 元より、受かる気などしなかったのだ。

終わった後の雰囲気で分かった。 否、分かってしまっていた。


 しかし、今頃どうにもすることは出来ない。

終わったのだ、全て。 帰る場所も失いかけている。



 お金がない。 信用と信頼までも失った。

もうどうにも出来ない。



 しかし、高校は私立は受かっていた。

だが、高すぎる・・・・・・、月3万+a(制服+行事金)。


 普通の公立高校と比べると、比較にもならない。


 ・・・・・・、なに? 金は、バイトすればいい?

無理だ。 それに、オレは未成年だ。


 学校へ入ってから、すぐに働けるわけがない。



 俺には、2人の姉がいる。

一人は公立高校、一人は専門学校。


 そして、伯父は床に伏せっている。

老人ホームに通い詰め、泡水のように金を貪り食っていく。



 ―――こんな人生に果たして意味はあったのだろうか?


 家族に呆れられ、友には同情の眼を向けられる。

もう、分かっていたのだ。 僕には、俺には何も出来ないということを。


 やり直せる機会があっても、オレはもうやり直せない。

否、やり直したくはない。


 ―――リセットをしたいのだ、自分自身の今までの人生を。

セーブ場所からではなく、全てをリセット。



 嫌な事は全て現実逃避(リセット)し、今の今まで自分の自我を保ってきた。

しかし、もう限界だ。 人生の終着点。 努力の出来ない動物。


 友など要らない。 共に過ごす存在など要らない。

欲など要らない。 欲に塗れた自身はこの世のどの存在よりも大嫌いだ。




 ―――完全な存在になりたかった。

このような、出来損ないの頭と体と自我を持つ醜い私は廃棄物だ。


 未完成ではなく、破棄されるべき存在。

周りに害を及ぼす存在。 人類一の屑野朗...それが、俺だ。



 別に、特別なものが欲しかったわけではない。

ただ一途に、普通になりたかった。


 全部平均、頭も顔も自我も全て平均で普通な存在。

面白い人生は歩めなさそうだけど、それでいい。 否、それがいい。


 苦しいくらいなら、死にたい。

感情なんて要らない。 性欲も必要ない。



 何も遮るものがない。 そんな世界があったらすばらしいと思う。

無論、罪を犯すわけではない。 壁もない、誰にも心配されることのない人生。


 そんなやれて当たり前のことを当たり前のようにする存在になりたかった。

特別なモノなんて要らない。 必要ない。 


 普通な存在でありたい。

全ては自分と周りを取り巻く者の為にも。




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