まさしデッド其の貳
せっかくだから、この場を借りて結月さんの見た目がどのようなものかを読者の皆さんに伝えようかと思う。
ヘアースタイル
ストレートロング。
ヘアーカラー
黒。
目
生意気そうなたれ目。
身長
綾乃さんよりちょっと高い位。
胸
あるっちゃあるが、巨ではない。
服装
黒を基調としたYシャツに短パン、時々プリーツスカート。
そして一番気になる、特徴的なのが、
目の色
血のような真紅。
「………」
「……あの」
先刻から結月さんはむすっ、としている。
多分、最初のくだりを無碍にされたからなんだろうが、んなこたぁ知りませんよ。
無碍にされて、スベってしまって当然の絡みをしておいて勝手に拗ねないで下さいというのが本音である。
しかしまあ、女性に対して、ましてや友達に対してそんなことを平然と言える人間では――普通の人間ではないので。
…ん?
友達だなんて聞いていないぞ?、だって?
ああ、すみません。
言ってませんでしたね。
結月世黄泉、彼女は大学の頃からの、かつ私の唯一の友達である。
外国人風に言うなら、ガールフレンドだ。
女友達、だ。
何故か全く判らないが、彼女はどうやら私の善性(悪性?)に耐えれる人のようで、絶賛記録更新中な人なのだ。
記録、というのは、友達がいた期間だ。
私は友達が少ない。
…いや、「はがない」読んだ時はないんだけども。
ほら、何度も言うように自身の性格が、いわゆる友達ホイホイをしてしまっているのだよ。
孤独には馴れて、慣れて、成れているのだが。
しかしまあ、馴れ合いに慣れなく成ってしまったわけでもなく。
独りより誰かといたほうが楽しい、そんなことを思える普通の人間なのだから。
今は、まだ。
閑話休題。
長々と脱線(職業が駅員なだけに)してしまったが、そんなわけで友達である彼女に対して「ざまあみろ」的な事を言えるわけもなく、
「へそを曲げないでください…、次からなるたく上手く対応しますので」
と、宥めてしまうのが私である。
「……」
しかし依然としてへそを曲げ続ける結月さん。
「あのー」
「……」
「悪かったですって」
「……」
「もうしませんから」
「……」
無視を決め込む結月さん。
虫は好きだが無視は嫌いだ。
こうも無視され続けると、曲がっているのはへそじゃなくて性根なんじゃないかと思えてくる。
うーん、
どうやって彼女の機嫌を戻そうか…ていうか戻せるのだろうか?
悩む私の頭に浮かぶ一つの案。
あ、そうだ。である。
「……」
「結月さん、」
「……」
「私、これからミスタードーナツに行くのですが、奢りましょうか?」
「行きます!」
ちょろっ。
補足説明。
常盤正志の一人称
私。
結月世黄泉の一人称
わたし。