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イッカンセイ〜黒血〜  作者: Qualia&八久斗
6/11

まさしデッド其の壹

新キャラ登場にあわせて、サブタイトルも変わりました。

パストからデッドへ。

物語の時間軸は、徐々に、しかし確実に現在へと追いついて行きます。

加納と交換した勤務時間がやってきたので、シフトなので、私は駅員としての責務を全うする。

――ちなみに、綿原さんと綾乃さんのその後だが、「流石にあたしは道わかりますから」と綾乃さんが言っていたのでその言葉を信じ、その場で見送った。

で、勤務中の話は記述しない。

特にこれといった事は起きなかったし。

よって、勤務終了、再び暇人である。

時刻は夕方、逢魔が時だ。

空は赤く染まっている。

近所の公園のベンチでその夕空を眺める。

…綺麗だ。

私だって、そういう感情は持っている。

ある程度の情緒はある。

…しかし綺麗だな。

太陽が完全に落ちてしまうまで、いっそもうこのまま夕空鑑賞し続けようかとも思った。が、

それは叶わなかった。

「常盤さんっ」

何故なら、背後から声をかけられたからである。

ついでに、両手で、声の主の両手で、私の両目が覆い隠されたからでもある。

「………」

仮に目の前に鏡があったとしても、覆い隠されているため確認することは叶わないが、多分、今私は随分と冷めた目をしていることだろう。

しら〜、である。

「だーれだ?」

「…………………………」

しら〜…

仕方ないので、付き合っておく。

「ウーンダレダロウワカンナイヤキンジョノヤマダサンカナア?」

棒読み。

「ぶっぶぅ、違いまーす」

「……」

この一言で付き合ってやる気が吹き飛んだ。

両目を覆っている両手首をへし折ってやろうかと思ったが、善意が働いて踏みとどまる。

悪意が働いて、だろうか?

「楽しそうで何よりですよ、結月さん」

結月――結月世黄泉ゆいづきよよみさん、彼女が、私の両目を覆っていた本人だ。

年齢、二十歳。

職業、大学生。

趣味、ボクシング(の観賞)。

好物、ドーナツ

…これぐらいが私の知る彼女だ。

これぐらいしか、

これぐらいしか知らなかったからこそ、この物語は。

この物語は、語られるだけの価値を有していられるのだ。

それこそ私の最大の後悔点でありながらも、この先に始まることとなる数多の物語の史実でもあるのだ。

史実。

それはつまり、宿命であり運命である。

そう、

私が死ぬのもまた―――…、


運命なのだ。


結月世黄泉、彼女はどうやら月に関連する食べ物も好きらしい。

結月なだけにね。

例えば…月見大福とか、月見バーガーとか。

あぁ、そうそう、バナナも好物だったなあ、彼女。

確かに三日月みたいだしね。

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