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イッカンセイ〜黒血〜  作者: Qualia&八久斗
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まさしパスト其の肆

作成中のトラブルにつき、一部文面が微妙に変な所があります、悪しからず。

先述よろしく、暇人である。

いや、

正確には、「だった」だ。

何故かというと、説教中だからである――読者の皆さんなら言わずもがな、だろうが一応勘違いがないように注釈しておくなら、「されている」のではなく、「している」のだ。

で、

誰に、何の説教をしているのかというと、

「ほら隼人…だからちゃんと渡ろうって言ったじゃん」

「なんだよ誠、お前だって同じ穴のムジナだろうが!」

皆さんご存知、信号無視常習犯★のお二人である。

ちなみにまたもや注釈しておくなら、誠くんは隼人くんに無理矢理腕を引っ張られてそうなっているので、正確には彼は被害者であるのだが。

だから私は、そこの所をしっかりと隼人くんに対して突っ込む。

「君―――えぇと、そう、隼人くん、隼人くんが、君が彼の腕を引っ張ったから…」

「こいつがノロいだけっす」

「僕の責任!!?」

とか、

しばらく説教――いや、殆どコントに近いものに成ってしまった気がする――は続き、十分後、

「あの、」

「なんだい」

誠くんが、律儀にも手をおずおずと挙げて言う。

「流石にそろそろ遅刻してしまいそうなのですが…」

「ふむ」

ふむ、である。

説教をするのもいいが、そのせいで2人が遅刻しては元も子もない。

隼人くんの事をしっかり説教してもらうことを誠くんにお願いしてから、私は2人を解放した。

まあ何にせよ信号無視をしたのには変わりはないので、まとめてガミガミしたのだった。

ガミガミ、だ。

……漢字からカタカナに表記を替えれば表現程度が柔らかくなると思ったが、無駄足のようだ。

「……」

2人の姿が駅に消えてから、私は考える。

先述よろしく、2人まとめてガミガミしたのであるが、果たしてどうだろう。

信号無視の事実に関しては両方にあるにしろ、その理由は、明確に差異が生じている。

でも私は、同じくらい2人に説教をした。

ガミガミした。

隼人くんに対してならまだしも、誠くんに対して、隼人くんと同じくらいの説教をする必要なんてあっただろうか?

…いや、その説教の内容を割愛しているから、正確にどの位説教したのかは、読者の皆様は知ることは出来ないのだが。

うん、まあ、察してね★

私にしては珍しい、我がままである。

閑話休題。

私の善性はもはや悪性として機能してしまっている。

私は駅員だ。

ダイヤ通り正確に、人々を目的地まで運ぶ人。

なら、

なら私は、

なら私は私を、

私を―――どこに運ぼうというのだろう?

私はどこに運ぶのだろう?

どこに行き着くのだろう?

私の善性は。

私の悪性は。

いわば私は終点のない特急列車。

…今の所は、だ。

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