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まさしエンド其の終
最終回である。
ザクリ、と。
そんな音がした。
「………え?」
あの後、実は押し倒した(だから、他意はないんだって)際に頭を打って気絶していた結月さんを彼女の住むアパートまで送った私は、駅の事務員室にスケジュール帳を忘れたことに気がつく。
明日取ればいいかと一瞬思ったが、愚かにも私は加納がまだいるはずだろうから鍵も開いているはずと思い当たり、そのまま駅に足を運んだのである。
その後の事の顛末は、語るまでもないだろう。
現行犯を目撃し、
口論し、
逆上されて、
殺された。
そう、
ザクリと、やられたのだ。
それだけの、
それだけのことなのだ。
たったそれだけのことで、
あの化け物とは真逆にも、信念、怨念を持って、私は同じ、
化け物になったのだった。
5人の少年少女が隣の車両にいる。
一人は、先刻私が己の血で書いた文字に恐れおおのいている。
一人は、期待に満ちた目でシートに座っている。
一人は、探るように周囲の状況を確認している。
残りの二人は、開かなくなった扉を壊そうとしている。
私は、人として呟いた最後の言葉を復唱する。
「こんな世界、間違っている」
続く。




