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26.宇の原を治し、輔け継いでいく世界。
風が水の香りを含ませて、どこまでも広がっていく。あの青い空に浮かぶ形は、完全な球体の太陽。映し出される色は、澄んだ青の粒子。母なる星の空は青く波打ち、光を浴びて雲の飛沫を散らす。
窓の外に見える空は、白い太陽に照らされ、青の光を反射していた。
戻ってきたんだ、僕の世界に、僕の宇宙に。
足元にある硝子の器械は、今はもう動かない。
今はもう、どこにも通じていない。暖かな光を透かして、中に満たされているだけだ。
僕は窓に手をかけ、空を見上げた。
僕はこの宇宙の内にいる。この広大な宇宙に足跡を残しながら、確かに生きている。
たとえ、それが器械仕掛けの神による想定された世界のひとつだったとしても、僕は今ここに存在している。
僕の内には、宇宙の息吹。世界が広がっている。
それは真実。
それは真理。
僕は思うがまま、その世界を眺め、世界に触れ、世界を求め、歩き続けよう。
いつの日か、この宇宙から飛び出すために。
遠い世界に生きる、硝子の友人たちに会うために――